【倒産】全自動衣類たたみ機『ランドロイド』開発のセブン・ドリーマーズが破産申請
全自動洗濯物折りたたみ機『ランドロイド』開発の『セブン・ドリーマーズ』が破産へ
経産省やパナソニック、ダイワハウスなども支援してきた全自動衣類折りたたみ機『ランドロイド』。
このランドロイドを開発する『セブン・ドリーマーズ』が、資金繰りに窮して破産することになったとのことです。
2016年CESで注目を浴びた『セブン・ドリーマーズ』の『ランドロイド』
『セブン・ドリーマーズ』が自動折りたたみ機『ランドロイド』を発表したのは2016年のCESでした。
この『ランドロイド』に衣類を適当に放り込んでおくと、全てロボットが自動で衣類の種類を認識して、アームで綺麗に折りたたみ、種類ごとに分類して、機体下部の引き出しに揃えてくれるというもの。
Tシャツから襟付きシャツ、パンツ、タオル、下着など幅広く対応していることから非常に注目を浴び、経産省も支援していました。
当初は、2017年中の発売を予定しており、パナソニックやダイワハウスなども資金面で支援してきました。
『セブン・ドリーマーズ』が開発中の『ランドロイド』はなぜダメだった?
2017年中に発売を期待されていた『ランドロイド』ですが、その後、開発に手間取っていると伝えられ、まったく販売のめどが立たない状態になっていました。
その理由のひとつとして、素材によってはアームからすり落ちてしまうこと、重たい衣料はアームが耐えられないことなどが判明したと報じられています。
『セブン・ドリーマーズ』はこのためロボット部から作り直すことを決断。
金型を新たに作ることにしたそうなのですが、その資金が集まらず、敢え無く破産へ・・・となったそうです。
ランドロイド開発の『セブン・ドリーマーズ』の負債額は22.5億円、産業革新機構が15億円の出資も
なお、ランドロイド開発の『セブン・ドリーマーズ』ですが、帝国データバンクによると、負債総額22.5億円だそうです。
単に衣類を折り畳むだけのロボットの開発で負債22.5億円というのも凄いのですが・・・
そこにさらに、経産省が産業革新機構経由で15億円の出資も行い、ダイワハウスやパナソニックも数億円ずつ資金繰りを支援してきました。
つまり、総開発予算規模は軽く40~50億円規模ということに・・・
これだけの投資を行って、果たして折り畳みロボットを作る必要がどれだけあったのか。
その開発費をどのように回収するつもりだったのか?
個人的にはかなり疑問なプロジェクトと感じます。
『セブン・ドリーマーズ』の『ランドロイド』の競合機種
なお、衣類の折り畳みロボは他の会社もいろいろと開発しています。
たとえばLGなどはハンガーに吊るして揺らしながらしわをとるタイプ。LGスタイラーと言いますが、価格は12万円くらいでしょうか。
他にもFoldimateという商品もあります。
こちらも10万円台のよう。
どちらも人手が必要な商品ですが、誰に売るのか、どのような値段なら売れるのか、開発コストはどの程度なのかをよく理解して作られているように思います。(個人的に、下のはちょっと収益化が難しそうに感じますが。)
日本人はとかく、何かを作ろうとするとあれもこれもと盛り込み過ぎな気がします。
全部をロボットにさせる必要性なんてなくて、ある程度は人力でおこない、一番面倒で、仕上がりを左右するところだけ機械でやればいいんです。
開発コンセプトからして無理があるものは、やはりいろいろとダメですね。
今回の『ランドロイド』の失敗は、まさに日本の家電開発のダメさが表れた事案だと思われます。
また、そういった無意味なプロジェクトに多大な投資を行った経産省も、かなり猛省すべきだと思います。
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以上。