『セブン・ドリーマーズ』の阪根信一社長は、なぜ赤字の『スーパーレジン工業』を連結子会社にしたのか?
阪根信一社長は「スーパーレジン工業」「セブン・ドリーマーズ」の社長を兼務していた
洗濯物自動折りたたみ機『ランドロイド』開発の『セブン・ドリーマーズ』
この『セブン・ドリーマーズ』の阪根信一社長は、スーパーレジン工業という会社の社長も務めています。
というより、このスーパーレジン工業(の親会社だったI.S.T)こそが、阪根信一社長の出身母体です。
2008年に父が経営するI.S.Tがスーパーレジン工業を買収
2008年7月 スーパーレジン工業株式会社 代表取締役社長に就任
2014年 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社設立
2015年11月、セブン・ドリーマーズ社はスーパーレジン工業を連結子会社化しました。
阪根信一社長の経営するスーパーレジン工業が大赤字垂れ流す
セブン・ドリーマーズの連結子会社となったスーパーレジン工業(東京都稲城市坂浜2283番地)ですが、2018年10月3日に発表された決算公告によると、純利益が7億1555万4000円のマイナスとなり、
凄まじい過小資本(利益剰余金マイナス7億9712万1000円)であったことがわかります。
スーパーレジン工業株式会社 第56期決算公告 官報決算データベースより
ランドロイド開発のセブンドリーマーズ
阪根信一社長が他に経営するスーパーレジン工業の官報純利益▼7億1555万4000円
利益剰余金▼7億9712万1000円 pic.twitter.com/heASqxhyNl— 中卒くん@株 (@chu_sotu) April 23, 2019
なお、100%子会社化した時点では、スーパーレジン工業は8349万円の資本金となっていますが、この時にどれだけの損失が出ていたのかなどはわかりません。
(当方、現在遠方につき調べられません。官報チェックできる方、みてみてください。きっと面白いことになっているんじゃないかと思うのですが。)
阪根信一社長はスーパーレジン工業の連結子会社化前に東京大学エッジキャピタルなどから15.2億円の資金調達を実施
阪根信一社長はスーパーレジン工業をセブン・ラボラトリーズの子会社にします。
子会社化前は資本金8349万円
2018年10月の決算発表時には資本金4億3509万円です。
官報チェックできないので憶測でしか言えませんが、セブン・ラボラトリーズがこの期間に増資しているのではないでしょうか?
しかし、そういったプレスリリースはセブン・ラボラトリーズのホームページ上には一切ありません。
まぁ、公開企業ではないので情報公開の必要もないのですが、一応この会社は経済産業省、産業革新機構から資金を引っ張っている会社です。
⇒【倒産】全自動衣類たたみ機『ランドロイド』開発の『セブン・ドリーマーズ』が破産申請~経産省やパナソニックも支援していたが・・・
国民としても動向を把握したいところですが、そういったことは難しくなっています。
非常に困ったものです。
なお、直近の決算は以下のようになっています。
seven dreamers laboratories株式会社 第4期決算公告
営業利益▲22億7676万1000円
経常利益▲17億4763万円
純利益▲17億2418万8000円
利益剰余金▲54億3329万1000円 pic.twitter.com/Ol9mn74sUa— 中卒くん@株 (@chu_sotu) April 23, 2019
阪根信一社長が経営するスーパーレジン工業~大阪万博の太陽の塔や、はやぶさにも利用
阪根信一社長が経営するスーパーレジン工業ですが、1957年に創業した老舗の繊維強化プラスチック/FRP製品製造企業です。
このFRP技術ですが、たとえば大阪万博における「太陽の塔」の「太陽の顔」の部分や、「青春の塔」にも利用されてきたとのこと。
また、CFRP素材は人工衛星はやぶさにも利用されたりするなど、非常に高い評価を受けてきた企業でもあるとのことです。
阪根信一社長のスーパーレジン工業は2005年頃から経営に変化か?
阪根信一社長が経営しているスーパーレジン工業ですが、どうも沿革をみるといろいろと???なところが見つかります。
とくに2000年あたりからでしょうか。
こちらのスーパーレジン工業の沿革によると
1999年 スーパーレジン工業(株)の資本金を8,349万円に増資
2003年 神奈川県津久井郡にて津久井工場の操業を開始
2005年 盛岡・宮崎・千葉の子会社3社を分離・独立させる
2008年 株式会社I.S.Tグループの100%子会社となる
2015年 seven dreamers laboratoriesの100%子会社となる
上記のようになっています。
どうも増資と津久井工場の操業あたりで資金繰りがどうなっていたのか興味深いところです。
また2005年に盛岡・宮崎・千葉の子会社3社が独立していますが、こちらはスーパーレジンクラフト株式会社として、独立した経営になっているようです。
なお、2008年に株式会社I.S.Tグループの100%子会社になっていますが、このI.S.Tグループは代表取締役社長を阪根 利子という人物が務めています。
2008年7月にセブンドリーマーズの阪根信一氏がスーパーレジン工業 代表取締役に就任しています。
I.S.Tグループですが、代表取締役会長は阪根勇という方です。
セブン・ドリーマーズからカーボンシャフト事業を2018年11月に譲渡されたのもこのI.S.Tという会社です。
なお、譲渡されたときの金額はよくわかりません。
「阪根利子」「阪根勇」という名前からして阪根信一社長の親族の方かな?とは思われますが、定かなことはいえません。
(追記:阪根勇さんが阪根信一社長、阪根利子さんのお父さんだそうです。)
阪根利子さんとは、こんな方だそうです。
I.S.Tの2代目社長さんです。
I.S.T創業者の阪根勇会長はこんな方だそうです。
資本金2000万円で滋賀で事業を立ち上げたのだそうです。
とりあえず、セブン・ドリーマーズから倒産直前にI.S.Tにカーボンシャフト事業試算の譲渡が行われているのはなぜなのか・・・
いろいろと興味深いところではありますが、まぁ、今後ほかのメディアの方が掘り下げてくれるでしょうから、自分はとりあえず傍観させていただきます。
阪根信一社長とスーパーレジン工業について、さいごに・・・
ようするにですね、このスーパーレジン工業という会社は、阪根さん一家の会社、I.S.Tやらセブン・ドリーマーズやらを行ったり来たりした会社なわけですね。
今回、セブンドリーマーズは破産することになったわけですが、調達した資金は数十億円規模ですし、負債も20億円超なわけです。
セブンドリーマーズは非常に大きな赤字を垂れ流したわけですが、その背景にどういった取引があったのか。
そこらへんも含めて、いろいろと目が向けられそうな状況かな、と思われます。
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以上です。