海外VCと国内VCの目利き力の差~ランドロイド開発の阪根信一社長を信じなかったシリコンバレー

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海外VCと国内VCの目利き力の差~ランドロイド開発のセブンドリーマーズ阪根信一社長を信じなかったシリコンバレー

 

シリコンバレーのVCは阪根信一社長のランドロイド開発方針に懐疑的だった

世界初の洗濯物折りたたみ機として、各メディアから脚光を浴びていたランドロイド。

このランドロイドを開発していたセブンドリーマーズがこのたび、破産することになりました。

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このセブンドリーマーズの社長、阪根信一氏は以前、以下の本の中でシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)を巡って資金調達を目指した時の話を以下のように書いています。


未来をつくる起業家 vol.2

 

アメリカの1社目のVCでは、2つの事業(筆者注:ランドロイドとカーボンシャフト)を売却してから来てくれといった話になり、2社目に行っても全く同じことを言われて、3社目でもまた同じことを言われました。

理由を聞いてみると、(中略)「技術系の会社は1つのテーマに絞って天才経営者と天才技術者が集まって命を懸けて全力でやっても1%も成功しない。(中略)3つの事業を同時に100手成功することなんてあり得ないことをこの街の経験者は全員知っている。君が2つの事業を売っ払ってから来ない限り誰も投資なんかしないから、これ以上回るのをやめろ」と言われました。

私はどうしてもその3つの事業を同時にやりたかったので、日本に帰ってきてベンチャーキャピタルに話をすると、30%ぐらいの会社には同じように駄目だと言われたんですが、大体70%ぐらいの会社は、なんかちょっと違和感はあるけど悪くないねと言ってくれました。ではもう日本で資金調達をしようということになりました。

 

つまり、シリコンバレーのVCは誰も投資しようとしない会社に、日本のVCのうち70%は投資しようとしたんです。

驚きの違いです。

もちろん、それで成功すれば大した美談ですし、日本の目利き力スゲーになるわけですが、結果はご覧の通り・・・100億円以上調達して、20億円以上の負債を抱えて倒産する運びとなりました。

 

 

セブンドリーマーズ阪根信一社長が日本のベンチャーキャピタルから調達した金額

ここからは、セブンドリーマーズが日本のVCなどから調達した金額を見ていきます。

 

2015年6月8日 株式会社東京大学エッジキャピタル/UTEC、KISCO 株式会社、全日空商事株式会社、株式会社四条、株式会社新生銀行、その他数社を引受手とした第三者割当増資を行い、15.2 億円の資金調達を実施

 

2016年11月14日 パナソニック株式会社、大和ハウス工業株式会社、SBIインベストメント株式会社の運営するファンド等を対象にした第三者割当増資で60億円の資金調達を実施

このとき、経済産業省の産業革新機構INCJからも15億円の調達をしていたようです。

 

2017年6月15日 個人投資家、復星国際、鈴与株式会社、株式会社滋賀銀行、大和企業投資株式会社を引受先とする第三者割当増資及び、研究開発助成金採択により、25億円の資金調達

ここまで、2014年7月の設立以来の資金調達総額は100億円

 

2018年9月6日 大和ハウス工業株式会社を引受先とする第三者割当増資により、総額約10億円の資金調達

 

 

 

阪根信一社長率いるセブンドリーマーズが総調達した額は110億円?

・・・ということになりましょうか。

そして2019年4月23日、負債22.5億で倒産しました。

 

海外VCがことごとく「無理」と言ってきたことに、日本のVCや企業、投資家はほいほいと投資をしてきて、やっぱりダメだった・・・というのが今回の教訓だと思われます。

 

この間、経済産業省は2017年10月31日にはセブンドリーム社を“Innovative Technologies 2017”のIndustry部門特別賞に表彰。

2018年6月12日には、J-Startup企業として経済産業省が認定しています。

つまり、官も目利きではなかったということです。

 

同社に関しては、海外のVCがダメ出しする一方で、日本の多くのメディアや学者、経営者たちはヨイショしてきました。

海外で全員がダメと言っていたのに、日本のVCなら7割が評価してくれた・・・という阪根信一社長の談話には非常に恐怖感を感じます。

 

昨今、セブンドリーマーズに投資していた東大VCをはじめ、大学発ベンチャーと大学VCが活発です。

スタートアップへの意欲も非常に高いものがあります。

もちろん、それらはとてもいいことだと思うのですが、果たして世界レベルでみたオイシイ案件が日本国内にあるのかどうか。

 

経済産業省の役人にそうしたものを見極める目利き力があるのかどうか。

 

今回のセブンドリーマーズの失敗は、いろいろな問題点を提示していると思います。

総括すべきでしょう。

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以上。