ミャンマー軍事クーデター問題に対する秋田浩之・日経新聞論説委員の提言について
ミャンマー軍事クーデター問題に秋田浩之・日経新聞論説委員が寄稿
2021年2月1日、ミャンマーで軍事クーデターが発生しました。
この問題に関し、秋田浩之・日経新聞論説委員が外交・安保の観点から提言を行っています。
秋田浩之・日経新聞論説委員はボーン・上田国際記者賞を受賞した、日本経済新聞を代表するジャーナリストのお一人です。
東南アジアの強権国家といえども、中国の「属国」になりたい国は一つもありません。それは軍事クーデターを起こしたミャンマーも同じです。では、日本はどう対応したら良いか。取材を通じ、考察しました。 https://t.co/Z7nNDc6gBJ
— 秋田浩之(日本経済新聞) (@Hiroakitanikkei) February 16, 2021
本文は有料ですので、どうぞ日経新聞を買ってごらんください。
とりあえず購読していない方のために最終段落だけ抜粋すると
”メコン川流域開発には、日米も関与しているが、中国の影響力を中和するにはまだ足りない。ミャンマー制裁というブレーキを踏みながら、協力のアクセルも完全には止めないバランス感覚が必要になる”
と秋田浩之・日経新聞論説委員は締めくくっています。
ようするに、「中国に靡かせない為ならスジを曲げるのもアリ」ということでしょうか。
秋田浩之・日経新聞論説委員はサウジ王室も肯定?
ミャンマー軍事クーデターに対する日本政府への提言として、秋田浩之・日経新聞論説委員は以下のような例をも引き合いにだしています。
(前略)そこでまず踏まえるべきなのは、人権外交は正義の衣をまといながらも、偽善や二重基準(ダブルスタンダード)と無縁ではないということだ。米国は長年、絶対王制のサウジアラビアを同盟国として扱い、最新鋭の兵器を売ってきた。
・・・開いた口がふさがりません。
自分は、これを読んだ時に軽く混乱しました。
サウジ王室といえば、カショギ氏殺害事件と切り離して語ることはできないでしょう。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子に対して批判的だったジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害された一件は、世界を戦慄させました。
その疑惑の中心にあるサウジ王室を引き合いにだして、
「人権外交は正義の衣をまといながらも、偽善や二重基準(ダブルスタンダード)と無縁ではないということだ。」
と言ってのける秋田浩之・日経新聞論説委員・・・
ご本人もジャーナリストとしての肩書があるでしょうに、それを意識させない物言いに、ただただ感銘を受けました。
(ジャーナリストを名乗りながら、同業者殺害疑惑がかかるサウジ王室を擁護するとか、よくやりますね?)
なんとすばらしい国益第一主義でしょうか。
世の中には批判的精神にあふれたジャーナリストが多くいますが、秋田浩之・日経新聞論説委員はそんな使えない連中とは大きく異なるよう。
政府がスジの曲がったことをしても、政府方針をしっかり擁護した論説を展開してくれることが期待されます。
いやはや、日経新聞の看板記者なだけある。
ジャーナリズムと政府広報の融和を目指す活動は、叙勲に値すると思います。
堅物のジャーナリストなら叙勲なんて嫌がるでしょうが、国益の観点から語るようなジャーナリストなら、きっと喜ぶことでしょう。
今後も秋田浩之・日経新聞論説委員のジャーナリズム活動から目が離せませんね。
以上。