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米政府による対中投資規制は日本にとって長期的には福音かも?

米政府による対中投資規制は日本にとって長期的には福音かも?

 

米政府が対中投資規制を導入へ?

報道によると、トランプ政権は対中投資規制を導入したいもよう。

その第一弾として、中国企業の米国ADR上場を禁止するのではないか、という報道がなされています。

トランプ政権、米上場の中国株廃止を検討か 対中投資を制限 ロイター

トランプ政権、対中証券投資の制限を検討 米報道 日経

 

 

トランプ政権による対中投資規制の内容は?

今回の対中投資規制ですが、具体的には以下のアイデアが検討されているとのことです。

 

  1. 中国企業による米国ADRの上場を禁止
  2. 米国の公的年金などによる中国株投資を制限
  3. 中国株を株価指数に参入することを阻止

 

他にも今後追加されていくかもしれません。

とりあえず、米中の通商摩擦は貿易から為替、そして資本市場へと深化していっています。

 

トランプ政権が対中投資規制を導入するのは見えていた

ぶっちゃけていうと、トランプ政権が対中投資規制を導入するのは、自分にはずっと昔から見えていました。

 

たぶん、この記事のことを指していると思います。

連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)の中国株投資をやめるようマルコ・ルビオ議員などが提言~今後おきることは中国資本市場の隔離か~

ちょっと長くなりますが、引用します。

これは個人的な予想なのですが、将来的には中国株を除いた全世界インデックスの創設なども、MSCIに対して求められる可能性があるのではないかと見ています。というのも、米国がいま中国と争っているのは貿易、通商問題です。そして、これに絡めて為替問題が語られています。しかし、本丸はぜったいに、金融だと思われるからです。中国は、このまま成長していけば世界最大の資本市場になることは間違いないでしょう。何十年、何百年かかるかは知りませんが、とりあえず時間の問題だと思います。米国が現在、外貨を獲得する手段は何か?といえば、企業の(株式市場を通じた)売却です。いわば、企業を輸出商品としているようなものです。この仕組みの維持のためには、ドルの基軸通貨としての維持と、世界の資本市場における覇権を握っていることが重要です。つまるところ、アメリカにとって中国の資本市場が発展することは好ましくないわけです。今後、アメリカは中国の資本市場をターゲットにするはずです。貿易から金融に展開していくのは時間の問題だと思います。

 

 

ドヤっていいらしいので、ドヤりましたww

 

 

 

トランプ政権の対中投資規制は世界経済における大リスクだが・・・

現在、アメリカではトランプ弾劾のニュースばかりです。

日本でも、この対中投資規制のニュースはあまり大きく取り上げられていません。

しかし、もし本当に導入されるなら、かなりやばいです。

株クラの人達はやはり気にしています。

米国証券取引所から中国企業の上場廃止を検討しているのはヤバくないか?

という質問をいただいています。

 

はい、ものすごくヤバいです。

仮にADRの上場廃止くらいで済むなら、まだマシです。(それでもかなり影響は甚大ですが。)

しかし対中投資規制を究極に突き詰めていくなら、最終的には金と銀が同時に流通していた時代に戻るくらいのヤバさがある、とみています。

逆にいうと、そこまで行くことはかなり困難でもある、と思っています。

 

 

対中投資規制の報道を最初にしたのはBloomberg

個人的には、今回の報道元がBloombergであったことが気になります。

Bloombergは、以前

「中国のスパイチップがスーパーマイクロのマザボに組み込まれていた」

と報じたことがあります。

この件については後日にまったくフォローアップがなされず、デマであった可能性が高まっています。

しかし、この報道を根拠に中国製品の危険性が騒がれ、ファーウェイ排除につながっていきました。

ですので、Bloombergのなかにそういったイデオロギーかぶれの報道源があると見た方が良いと思います。

フェイクニュースを意図的に流して、観測気球的に時代の流れを測り、押し流していく・・・そういうやり口が今回も利用されているのではないか?とみています。

 

つまり何がいいたいかというと、中国への投資を手控えさせるためにわざと誰かが流させているのではないか?ということです。

本当に実施するかどうかは、その後の流れ次第。

まずはシグナルを市場に送っているのではないか、ということです。

 

 

対中投資規制でネガティブな影響を受ける国とポジティブな影響を受ける国

対中投資規制ですが、導入されるにせよ、導入されないにせよ、とりあえず中国の資本市場にとっては短期~中期的にネガティブな影響が出るでしょう。

今後の動向を懸念して中国市場への投資を手控える動きはあると思います。

とりあえず、その意味でバリュエーションは低く扱われる可能性があります。

 

また、同時にこれは米国企業や米国の人々にとってもデメリットとなります。

中国は間違いなく将来の超巨大国家です。

真っ当に勝負したらアメリカを抜くのは時間の問題だと思います。

そうした国の企業に投資をできないということは、その発展の恩恵をアメリカ人が受けることができないということです。

これはアメリカ人にとって不幸です。

とくに、トランプ大統領の支持基盤のひとつである共和党富裕層の人々にとってはまったくメリットがありません。

 

なお、そもそも中国人は、かねてよりアリババなどのネット企業に投資したいと思ってきました。

しかし、それら高成長のネット企業の多くがアメリカの預託証券を利用して海外上場してしまっていたため、投資手段が限られてきたのが今までの流れです。

今回のアメリカ側の資本規制導入で一番喜んでいるのは、米国から中国に上場先を変更してもらえる中国人と、中国の証券取引所などかもしれません。

 

また、今回の対中資本規制がもし導入されるなら、日本市場にはメリットが大ではないか、と思います。

 

 

米政府による対中資本規制は日本にメリット大?

個人的な見通しとして、米政府による対中資本規制が本当に導入されるなら、日本市場にはメリットになるのではないか、という風に見ています。

 

まず、ひとつめ

MSCIのウェイトから中国香港などが抜け落ちたら、そのぶん他の国が増えます。

その意味で、日本市場にはメリットです。

 

また、将来的に米国から中国への投資がもし不可能になるというリスクを感じた資金の一部は、中国市場を避けて別の市場の株式に流れる可能性があります。

その場合、アジア経済の発展の果実を一番大きく得られる先となると、韓国、ベトナムなどとならんで日本が上位に来る可能性があります。

 

また、中国の株価が今回の報道で中期的にネガティブな影響を受けたとすると、そのときに中国に何の制約も受けずに投資できる日本や欧州の人々が潤う可能性があります。

というか、アメリカ人が一番割を食う可能性があると思います。

 

 

なお個別銘柄でみたばあい、ソフトバンクには要注意だと思います。

同社は中国のアリババへ投資をして味をしめたのち、中国のスタートアップへの投資も非常に多いです。

これらスタートアップを米国ADRへ持っていくことでExitするつもりだったはず。

この当てが外れたら、いろいろと厄介だと思います。

ウィーワークの一件だけでもいろいろキツいのに、さらに火の粉が飛んできた形です。

注意してみていくべきでしょう。

以上です。