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HNA(海航集団)は中国共産党高官の不正蓄財システムだった?~米政府による中共ネガティブキャンペーンはじまる~

HNA(海航集団)は中国共産党太子党高官のための不正蓄財マシーンだった可能性~米国政府が中国共産党に対してネガティブキャンペーン展開か?

 

 

先日、こんな記事が出ていました。

  1. 米当局、トランプタワー近くの中国HNA所有ビルを調査 The Epoch Times
  2. 中国HNA、上層部の隠匿資産か 株主に江沢民の孫も The Epoch Times

例によってThe Epoch Timesです。大紀元です。反中共メディアです。

ですから、かなり割り引いて読む必要があります。

が、こういう偏ったメディアというのはなかなか面白い情報を提供してくれます・・・要約しますと、以下のようになります。なお、記事中では

「米政府の外国投資委員会(CIFUS)」とありますが、これはたぶん「対米外国投資委員会(CFIUS)」

であると思われますので、とりあえず置き換えて読んでいきます。

 

 

まず1の 米当局、トランプタワー近くの中国HNA所有ビルを調査 The Epoch Times についてみてみます。

  • 対米外国投資委員会(CFIUS)が中国複合企業、海航集団(HNAグループ)のNY市にある高層ビルを調査とVOA(VOICE OF AMERICA)が報道
  • HNAが所有するマンハッタン3番街850号の同ビルには警察署が入居
  • この警察署は、トランプ大統領の住居があるトランプタワーの周辺1マイル以内にある2つの警察署のうちのひとつ
  • トランプ政権はCFIUSを通じてHNAが持つビル所有権を取り上げる意図があるのではないか?との見解をNY Times が伝える。ただし、HNA側はそういった接触は今のところないとのこと。
  • VOAは、トランプ政権下のCFIUSが現在審査中の投資案件だけでなく、過去の投資案件にも口を出す可能性と予想。
  • 債務整理を急ぐHNAグループは、今年に入ってからマンハッタンにある他の不動産物件や海外株式などを売却中。その総額170億ドル(約1兆9000億円)にのぼるとのこと。

 

ぶっちゃけ、上記はあまり重要な点じゃないんで纏めて飛ばしてます。

重要なのは次からです。以降を読むと、米政府によるHNA保有ビルなどへの調査が、別の意図を持って行われている可能性がある・・・と思われます。

 

 

 

2.中国HNA、上層部の隠匿資産か 株主に江沢民の孫も The Epoch Times

中国人富豪の貫君氏とBharatBhise氏はHNAの大株主であるが、これら人物名義のHNA株式30%が、ニューヨークに拠点を置く海南慈航慈善基金(Hainan Cihang Charity Foundation)に突然寄付される・・・

中国語版Wikipedia維基百科による貫君氏の解説はこちら

この慈善団体に渡されたHNA株は当時の時価総額で180億ドル(約2兆円)規模で、この基金自体がHNAの関連団体

米政府は、これらHNAの不透明な株主構成に注目

同年7月、HNA副理事長兼CEO譚向東氏は英情報誌Financial Timesの取材に対し、貫君氏とBharatBhise氏が単なる代理人であることを認める

HNAグループには生前遺言書が存在・・・「同社関係者はHNAを離れた場合あるいは在職中に死亡した場合、その保有株式はHNAが設立した慈善団体、海南省慈航公益基金会(海南省)と海南慈航慈善基金(米ニューヨーク)が所有することになる」との内容

12人の株主はこの協議書に署名

そして、先日フランス旅行中に不慮の転落死を遂げた王健会長も、この12人の株主の1人

王健会長は生前、HNA株の15%を保有する株主。

この協議書の内容に基づき、彼の保有株はHNAが設立した慈善団体、海南省慈航公益基金会(本部:海南省)と海南慈航慈善基金(本部:米ニューヨーク)が保有することになるとのこと

 

つまりです。これら記事で言わんとするところは簡単です。

HNAって中国共産党の高官たちの不正蓄財ツールだったんじゃね?

ってことです。

そして、もっとおもしろいことには、以前からHNAは王岐山との関係が強く示唆されていることです。

さきほどの貫君氏がまさにその、王岐山とHNAを結ぶルートなのかもしれない・・・と中国人は思っているようで、ためしに「貫君 王岐山」とGoogleで検索してみると、次から次へと同じような検索結果が出ることがわかります。

多くのサイトが「貫君ってのは王岐山の・・・なんじゃね?」みたいなことを書いているんですね。

もしそうなら、すべてが綺麗に結びつくように思います。

王健会長の死も・・・他殺の線が濃くなるでしょう。

 

ちなみに王岐山は多くの人が知っているとおり、習近平国家主席の刎頚之友です。

田中角栄と小佐野賢治の関係みたいなものです。

この関係は切れない。

 

 

 

 

これとはべつに、北京大学の元教授夏業良氏によると、複数の中国共産党高官がHNA株を所持しているとのこと

江沢民の孫の江志成氏もHNA株主の一人で、また海南省の省長、省委員書記だった衛留成氏や元海南省省長の劉剣鋒氏もHNA株を持っているとのこと

当初は劉剣鋒氏がHNA設立に積極的、海南省政府も2000万元を出資。

もともとHNAは国有企業だったが、その後、金融業界の大物ジョージ・ソロス氏からも数千万ドルの投資を獲得。

10年余り経つ間にHNAの株主構成は複雑になり

気づいたときにはHNAはいつの間にか民営企業になっていた。

 

劉剣鋒氏は江沢民氏の以前の部下。江沢民が1980年代に電子工業部部長を担当した時、劉剣鋒は電子工業部副部長(次官級)兼紀検組組長を担当

衛留成氏も江沢民派の一人。長期にわたり中国海洋石油(CNOOC)で理事長やCEOを担当。石油業界のドンで江沢民派ナンバー2の曾慶紅氏の腹心。

 

 

これらは一般に、太子党と言われる人たち。そして、習近平はもともと太子党(とくに曽慶紅)の強いバックアップでトップに上り詰めた人です。かつては太子党の筆頭格とみられてきた人です。

その後、習近平が権力を握るにつれて太子党とのあいだには隙間ができたように感じますが。

とりあえず、このHNA(海航集団)って会社はなかなかに複雑です。

叩けばホコリどころかゴミがどっさり出てきそうなところです。

不正蓄財だけでなく、愛人問題やら私生児問題やらいろいろ絡んできそうなわけです。

 

 

この伏魔殿化しているHNAをアメリカ政府はCFIUSを使って調査しようとしています。

その意図はなんでしょうか。

個人的にはそれは、

「米中貿易戦争を有利に働かせるための手段ではないか?」

とみています。

米中貿易戦争で中国が疲弊した時、アメリカに対して不買運動などの矛先が向かうのは当然予想できます。

アメリカはそうした場合に備えて、中国共産党高官たちに対する不満を高めるための戦術を取り始めたのではないか?矛先を中共、王岐山、習近平、太子党の連中に向けさせよう、という工作の開始なんじゃないか?

と穿った見方を自分はしてしまいます。

 

 

また、もしかしたら

「HNAを巡って行われている不正蓄財を暴露してやるぞ。ついでに私生児問題もな。」

というアメリカ政府側からの脅しなのかもしれません。

とりあえず、カードのひとつとしてトランプ大統領が使おうとしているのではないか、と個人的には考えています。

 

 

 

なお、これはあくまでも自分の妄想です。当たるかどうかはわかりませんが、とりあえず書いておくだけ書いておきました。以上です。

 

以前書いたHNAに関する記事はこちらです。

中国海航集団(HNA)王健CEO転落死 関連企業をチェックしてみよう