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4月のISM製造業景況感指数から読み取れること

4月のISM製造業景況感指数が発表されました。

https://www.instituteforsupplymanagement.org/index.cfm?SSO=1

どこまで引用が許されるかわからないので、細かい数字は上記を参照してください。

とりあえず、この数字と直近の別の統計などから読み取れることを書いていきます。

まず、ざっと概観を書きます。

 

  • 製造業景気指数 57.3に減速 前月比-2.0
  • 新規受注 61.2と高水準 前月比-0.7
  • 生産 57.2に減速 前月比-3.8
  • 雇用 54.2に低下 前月比-3.1 逼迫してきている
  • 棚卸資産 52.9に低下 前月比-2.6
  • 顧客在庫 44.3に上昇 前月比+2.3 極めて低水準
  • 価格 79.3に上昇 前月比+1.2 極めて高い

製造業景気指数は低下しましたが、実際には極めて強い数字が並んでいます。

同時に集計されたコメントなども

 

  • サプライチェーンに問題あり
  • リードタイムが延長されている
  • トラック台数やドライバーの人数が足りていない
  • 鉄鋼関税で原材料の調達が苦しい
  • 原材料の価格上昇を懸念
  • 製品需要は堅調
  • バックオーダーが豊富。新規受注が出荷を上回る
  • 米国、欧州、アジアで販売好調

などとなっており、景況感の悪化は需要減退が原因ではなく、原材料価格上昇、人件費上昇などコストプッシュ要因によるものだということがわかります。

 

とくに原材料価格はとても高い。価格指数が79.3というのはベラボウな数字です。広くインフレ懸念が生まれていることがみてとれます。

雇用は54.2ですからまだマシですが、熟練労働者の採用には苦労しているようです。多くの回答者が労働市場が生産活動の妨げになっていると感じています。

 

なお、リードタイム全般についてみてみると、設備投資は日数変わらず横ばい、生産材料が延長傾向、メンテナンス等の日数も延長傾向にあります。企業は新規設備導入よりも、今ある設備をフル稼働してまわしている、、、そんな感じにみえます。

 

なお、ECI雇用コスト指数でみると、第1四半期に前期比0.8%増、前年同期比2.7%増になっています。これは前期が0.6%増、年率2.7%でしたので加速しています。とくに民間の賃金・給与は前期比1.0%増と高進しています。


 

これらを総合すると、コストプッシュ型の経済環境を懸念しなければならない状況にみえます。

昨日の米国株市場は上記の点から、

  • アルミ、鉄を多用するシクリカルセクター
  • インフレに負けやすいノンシクリカルセクター
  • 公益株・通信株

が弱い動きになり、逆に

  • FAANGなどグロース株

に資金が戻る傾向がありました。

(若干ふしぎなのは、REITがやや強めだった点ですが。)

 

人々は、コスト高の影響を受けない銘柄を探しています。

グロースへの流れは数日つづく可能性が高いと思います。

 

(なお、上記の見通しはあくまでも中卒くん個人の見通しであり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資に当たっては自己責任・自己判断でお願いいたします。)