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【KKM】DISCO(ディスコ)の業績と株価~半導体製造装置(ダイサ・グラインダ)で世界トップシェア

DISCO(ディスコ)の業績と株価~半導体製造装置(ダイサ・グラインダ)で世界トップシェア~KKM(切る、削る、磨く)

 

今回は、半導体製造の後工程装置であるダイサ、グラインダで世界シェアトップのディスコ(DISCO)の業績と株価を見ていきます。

 

まずはDISCO(ディスコ)の会社紹介からしましょう。


ディスコ(DISCO)とは?

 

ディスコ(DISCO)とは、半導体製造装置の後工程装置(ダイサ、グラインダ)などを主に供給する日本企業です。

ディスコ(DISCO)は広島県呉市で創業された第一製砥所を源流とし、このDai-Ichi Seitosho CO, Ltd.の頭文字をとってDISCOとなりました。

 

 

ディスコ(DISCO)のKKM(Kiru/Kezuru/Migaku)

ディスコ(DISCO)が得意とするのはKKM(切る、削る、磨く)作業です。

ディスコ(DISCO)は半導体ウエハを賽の目に切るダイシングソーやレーザーソー、半導体ウエハの表面を削ったり磨いたりするグラインダやポリッシャなどに強みを持っています。

積層、薄ウエハ化、MEMS、垂直方向への3次元化は半導体業界の流れであり、その流れに必要な製品と言えると思います。

 

 

ディスコ(DISCO)のグラインダ、ダイサは世界トップシェア

ディスコ(DISCO)の半導体製造装置はグラインダやダイサなど、同社が得意な分野に特化しています。

グラインダではディスコ(DISCO)の世界シェアは7割程度、ダイサでは8割近くのシェアとなっています。

同業他社としては東京精密がありますが、ほぼディスコ(DISCO)の製品が主流となっているはずです。

 

 

ディスコ(DISCO)の業績リスク・・・技術革新による他社との競合~フェムト秒レーザーではアイシン精機と提携

機械的なグラインダやダイサでは世界トップシェアのディスコ(DISCO)ですが、今後なんらかの技術革新で、より高性能のグラインダ、ダイサができてしまう場合にはリスクがあります。

目下、フェムト秒レーザー(超超短パルスレーザーにより熱量を発生させずに瞬間的に処理する)がそれになりますが、この分野ではアイシン精機子会社とディスコ(DISCO)は提携。

同様にパナソニックと東京精密がプラズマダイシングで提携しており、他にも参入などもありそうな状況で、技術競争が起きる可能性が出ています。

 


ディスコ(DISCO)の業績

ここからはディスコ(DISCO)の業績を同社決算資料、会社説明資料などをもとにみていきます。

(この記事は2018年11月4日にかきました)

 

ディスコ(DISCO)の2019年3月期業績は、前年比で売上高が7.2%減、営業利益19.8%減、継受利益20.3%減、四半期純利益18.8%減、潜在株式調整後の四半期純利益453.07円、自己資本比率82.1%

となりました。

世界的な半導体需要増加で大きく伸びてきたディスコ(DISCO)の業績ですが、ここにきて足踏み傾向となっています。

 

なおディスコ(DISCO)の業績を製品別にみてみると以下のようになります。

こちらをみてもわかるように、半導体ウエハ加工用の精密加工装置にかんしては、2017年Q1をピークに落ちてきています。

シリコンサイクルを超えて伸びるスーパーサイクルが到来と言われていましたが、どうもそうはなっていない模様。

 

 

ディスコ(DISCO)のダイサの用途別売上は以下。

長く見ると、半導体向けだけでなく、電子部品など半導体以外の売上が増えていることがわかります。

 

 

 

こちらはグラインダの用途別売上です。

こちらはどちらかというと、半導体産業にドップリな感じです。

 

 

 

こちらはディスコ(DISCO)の販売した装置で利用するための消耗品(精密加工ツール)の売上推移です。

ここもと停滞してきています。

爆発的な増加には至っていませんので、ディスコ(DISCO)の機器を導入した客先の生産ラインがやや浮いていると言えると思います。

 

ディスコ(DISCO)の株価

 

 

ディスコ(DISCO)の株価は上記のようになっています。

 

他の半導体関連株と同様に、ディスコ(DISCO)の株価も昨年末あたりから下落傾向にありました。

約一年たち、そろそろ買い場か?とみた投資家が買っているようです。(チャイナショック前のときは、半導体株の株価底入れは一年かかりませんでしたので、今回もそろそろと見た人が多いようです。)

 

ただ、今回も同じ動きになるとは限らないことには注意が必要です。

また、ディスコ(DISCO)は順調に利益を出していてもPER20倍を超える水準に今ある・・・と自分は試算しています。

ディスコ(DISCO)株はややバリュエーション的には割高。10000~12000くらいがフェアなところかな、と思っております。

まだ半導体株は最悪を織り込んでいません。

こういう銘柄は、皆が総弱気になるまで触りたくないのが個人的な感想です。

 

とりあえず、以上で短評おわります。

 

なお、上記はあくまでも中卒くん個人の見解であり、特定のスタンスをおすすめするものではありません。投資にあたっては自己責任で行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。