イタリア国債価格下落でモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(モンテ・パスキ銀行 / Banca Monte dei Paschi di Siena / MPS )の株価が下落
イタリア国債利回り急上昇(国債価格下落)しています。
直近、やや債券利回りは低下していますが、それでもイタリア10年もの国債利回りは3.346%もあります。(2018年11月2日時点)
ECBがほぼゼロ金利に近い金融緩和状態にあるなかで非常に高い水準となっています。
これは、イタリアで今春成立したジュゼッペ・コンテ政権の方針が影響しています。
イタリア債務危機ふたたび~ジュゼッペ・コンテ内閣の放漫財政を受けイタリア国債価格急落
放漫な財政政策を嫌気しイタリア国債が売られています。
これにより、イタリア国債を大量に保有しているイタリア国内の銀行の財務健全性にふたたび注目が集まっています。
とくに、2016年に信用不安の広がったモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(モンテ・パスキ銀行 / Banca Monte dei Paschi di Siena / MPS )にふたたび注目が集まっています。
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(モンテ・パスキ銀行)ですが、やれ米中貿易戦争だ、やれ中東問題だとか騒いでいるうちにジリジリ下げ続けてチャートがよくわからないことになっています。
あまりにもチャートが壊れすぎていてわかりにくいので、直近だけアップしてみてみましょう。
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行、シレッと安値更新しています。
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(モンテ・パスキ銀行)は世界最古の銀行
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(モンテ・パスキ銀行/ Banca Monte dei Paschi di Siena SpA / BMPS /MPS )は現存する世界最古の銀行といわれています。
1472年にシエナ市に設立されたモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行は2000年代以降の放漫な融資と、それを隠すためのデリバティブ損失で経営悪化。
2016年のECBによるストレステストでモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行はCET1比率がマイナスと評価され、不良債権額280億ユーロを抱えて公的管理入り。
現在はイタリア財務省が筆頭株主となっています。
今回はモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行じゃない可能性
株価が暴落気味なのでモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行には注目が再度集まってきていますが、さすがにイタリア財務省が保有比率トップの銀行が破綻というのも考えにくい。
昨日出てきたEBA(欧州銀行監督機構)のストレステスト結果では、むしろバンコBPM、UBIあたりのリスクの方が高そうです。
なんかこう・・・日本の90年代末期を思い出させる銀行業のチャートですが・・・
とりあえず、これだけ株価は下落していてセンチメントはグダグダですが、ストレステストの結果は合格。
「なにも粉飾などがなければ」大丈夫だということだと思います。
逆に言うと、そういった不祥事があれば吹っ飛ぶ可能性があるということ。
個人的には、それらはある、とみています。
日本が昔そうでしたから。
そこら辺に注意して、見ていく必要があるだろうな、と思います。
以上。