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2018年04月鉱工業生産速報3

2018年04月鉱工業生産速報3

前回につづき個別の財についてみていきます。

以下は直近12カ月と前年度の同じ月を出荷に関して%で比較したものです。

 

医用X線装置が二カ月連続前年割れ。基調が転換したのかまだわかりません。関連銘柄・・・日立、東芝メディカル(キヤノン)など

電子顕微鏡がすこぶる好調。関連銘柄・・・日本電子、日立ハイテクノロジーズなど

電気計器がかなり悪い。関連銘柄・・・非上場企業が中心だが、横河電機もやっている

半導体・IC測定器は好調。関連銘柄・・・日立ハイテク、アジレントなど

リチウムイオン蓄電池が不調。関連銘柄・・・Panasonicなど

デジタル伝送装置が不調。関連銘柄・・・NECなど?

携帯電話も不調。関連銘柄・・・ソニーなど

薄型テレビ、ビデオカメラ不調。関連銘柄・・・ソニーなど

デジタルカメラは二極化が進んでいるというが、それにしても今年に入ってからの減少はおかしい。関連銘柄・・・ソニー、キヤノン、ニコンなど

カーナビ、カーオーディオも減少傾向が続く。パイオニア、ケンウッドなど

ミッドレンジコンピュータが凄い伸び方をしている。なぜ?仮想通貨のマイニング?

デスクトップ型パソコン、ノート型パソコンは国内生産まだやってることの方が驚き。ヒューレットパッカードとか富士通とか。

プロジェクタのウェイトが5.5もあることが意外。ずっと大幅減少。ソニーなど

産業用テレビは大幅増で推移。EIZO、三菱電機など

自動車は総じてまちまち。大型バスが微妙に推移。日野自動車、いすゞなど。

特別用途車ボデーが意外と堅調。昨年秋の排ガス基準強化前の駆け込み反動で減少するとみていたが、持続している。特別用途車は幅が広いので何が好調なのかわからないのが辛いところ。他の統計と突き合わせる必要がある。

機関部品の回復が顕著、また駆動伝導、操縦装置、懸架制動装置部品など自動車部品が好調。日本で作って海外に輸出している模様。デンソー、アイシン、ジェイテクトなど

フォークリフトがそこそこ好調、豊田自動織機、ニチユ三菱など

複層ガラス、ガラス長繊維、ガラス短繊維が微妙な推移。住宅などの建設に下押し圧力がかかっていることが影響

無アルカリガラス基板が回復ぎみ。日本電気硝子

遠心力鉄筋コンクリートポール、いわゆる電柱が減少トレンド。電線地中化の流れでますます売れなくなりそう。

遠心力鉄筋コンクリートパイルが増加。これは大規模な高層ビルや土木建設の時に地中に埋め込むもの。大型プロジェクトが好調。

プレストレストコンクリート製品が不振。道路床版工事が滞っているか。ピーエス三菱、PS富士など

水洗式便器が前年比割れ継続。TOTO、LIXILなど

耐火レンガが好調。新日鉄住金系なら黒崎播磨、JFE系なら品川白煉瓦こと品川リフラクトリーズ。

不定形耐火物は日本ガイシ、ニチアス、旭硝子子会社なども展開していて、どこが儲かっているのかわかりにくい。

電極も好調。電炉での生産が好調なことを背景に。東海カーボン、日本カーボン、昭和電工など

アンモニア出荷が激減している。どこか定修に入ったか。昭和電工、三井化学、宇部興産など。カプロラクタムやアクリロニトリルなどの価格にも影響することになるはず。

苛性ソーダ、塩素ガス、液体塩素の塩素三兄弟は順調に推移。昭和電工、トクヤマなど。

酸化チタンの出荷が減少。チタン工業

カーボンブラックの出荷が微増ベース、東海カーボン、三菱化学など

311行目の酸素から344行目のポリアセタール(POM樹脂)まで化学品が並ぶが、上流は好調持続だが下流が若干出荷減少してきているのが気がかり。市況自体は崩れていないので、下流製品の最終需給は安定しているとするなら、中国での環境規制の影響により上流部分が逼迫、逆に下流で生産調整が起きている可能性がある。

そのなかでも特徴的なのはカプロラクタムと二塩化エチレン(1,2-ジクロロエタンDCE)の急増。前者はナイロン、後者は塩化ビニルの生産に多く使われる。本来であればこういった汎用製品は日本企業より中国が強かったが、中国でかなり厳しい環境基準が設定されている模様で、日本にもお鉢が回ってきている。

 

つづきます。