【9661】歌舞伎座の業績と株価~株主優待が魅力的で万年割高株
今回は歌舞伎座の大家さんである、株式会社歌舞伎座の業績と株価についてみていきます。
まずは株式会社歌舞伎座の会社説明から始めます。
株式会社歌舞伎座とは?
株式会社歌舞伎座は、歌舞伎公演で使われる東京中央区の歌舞伎座の大家さんです。
演劇場を貸し出すほか、その上部のオフィスビル、演劇場内での物販なども行っています。
しかし、セグメント利益でみると圧倒的に不動産賃貸事業が主になっております。
株式会社歌舞伎座の事業内容
株式会社歌舞伎座の事業は、オフィス賃貸、劇場賃貸、演劇場内での物販が中心です。
劇場部分の不動産賃貸は、歌舞伎公演を行う松竹とその関係先への賃貸がメインとなっており、不動産事業全体で見ても約4割程度がこれら関係先への賃貸となっています。
(2018年3月期決算有価証券報告書より)
相手先
|
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
売上高(千円) | 割合(%) | 売上高(千円) | 割合(%) | |
松竹㈱ | 940,354 | 22.9 | 945,933 | 23.7 |
KSビルキャピタル特定目的会社 | 719,331 | 17.5 | 719,331 | 18 |
株式会社歌舞伎座の飲食事業
歌舞伎座の飲食事業は近年低迷しています。
これは歌舞伎の特徴でもあるのですが、今でこそ歌舞伎はインテリが観るもののような扱いですが、かつては大衆娯楽の一つでした。
みな、自分の家で煮炊きした弁当などを持ち寄って演劇を見ながらワイワイやって楽しむ、そういう娯楽でした。
今でこそ演劇中の食事はしないのがマナーですが、こういった経緯を踏まえ、歌舞伎座は飲食物の持ち込みを現在でも認めています。(休憩時間に食べるのが一般的です。)
映画館などでは飲食物持ち込み禁止の場所が多いですが、歌舞伎座はここら辺のルールが緩いのです。
というわけで、飲食事業がなかなか冴えません。
不動産事業の20分の1、30分の1程度の営業利益でしかないのが現状です。
個人的にも、弁松の弁当とかデパ地下で買って行くことが多いです。
歌舞伎座株は株主優待目当ての買いで常時割高
株式会社歌舞伎座の株価は常にPER200倍、300倍で取引されています。
これは株式会社歌舞伎座の株主に配られる株主優待の影響です。
株式会社歌舞伎座の株式を持っている株主には、年に2回、歌舞伎座招待券が贈られます。
株式会社歌舞伎座の業績
ここからは株式会社歌舞伎座の業績についてみていきます。
(この記事は2019年1月11日に書きました)
株式会社歌舞伎座の2018年Q3決算の業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1083409015466471424
株式会社歌舞伎座の業績は完全に不動産事業頼みです。
それも、劇場の松竹への貸し出しよりもオフィス棟の賃貸で稼ぐビジネスです。
売上の約半分、営業利益の6/7は不動産賃貸業です。
なお、東京都心はオフィス賃料が右肩上がりですが、同社の場合は特殊な賃貸先なため、この状況でもセグメント売上高が減っています。
なお、不動産貸付先である松竹とは株式を持ち合っているため、どうしても家賃交渉ではなぁなぁになりがちな部分はありそうです。
ガバナンス上の問題に対してどう考えているのか気になるところです。
株式会社歌舞伎座の株価
ぶっちゃけ、株式会社歌舞伎座の株価は高すぎです。
バリュエーション無視で買われているのは、歌舞伎鑑賞の優待券目当てでしょうか。
とりあえず、興味のない人が買う銘柄ではないと思います。
以上です。