【5290】ベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)の業績・決算と株価~電線地中化で注目されるが・・・
今回は電線地中化で注目されるベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)についてみていきます。
国土交通省は重要道路の電線地中化を推し進めるため、10年以内に電線の撤去を電力会社に求めていくことに決めたとのことです。
これにより、電線地中化の進展が期待される展開となり、電線地中化向けC・C・BOXなどを製造するベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)にも買いが集まりました。
しかし、これはやや期待先行かな、と思われます。
ベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)の事業内容
ベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)の事業内容については、同社のIR資料が非常によく纏まっているのでご覧になってみてください。
ベルテクスはコンクリート関連製品を作る企業が集合してできた会社です。
連結子会社・持分法適用会社には
ゼニス羽田、ホクコン、ゼニス建設、ホクコンプロダクト、北関コンクリート工業、ユニバーサルビジネス企画、東北羽田コンクリート、大東ハネダ、鶴見コンクリートがぶら下がっています。
そしてゼニス羽田自体も、もともとはハネックス、日本ゼニスパイプ、羽田コンクリート工業の3社が集まったものです。
これらの企業は主に、マンホール、ヒューム管、ボックスカルバートなど下水道関連のコンクリート製品を作ってきました。
また、地下雨水貯留施設などの防災関連製品、コンクリートパイル(支持杭)、落石防護ネットなども製造、施工しています。
これらの製品業界は非常に過当競争に陥っていたため、利益率を高める目的で業界の統合を行った結果が、現在のベルテクスになります。
ベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)に対し電線地中化を期待する向きもあるが・・・
ベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)に関して、電線地中化関連銘柄として囃す声もあります。
しかし、同社の稼ぎのほとんどは、基本的にはヒューム管や雨水関連です。
これらの事業は、ほぼほぼ官公需頼みとなっており、政府の方針次第で事業が回っている状態です。
震災復興や大規模都市開発(オリンピックや万博なども含む)などで需要が一時的に追加されることはありますが、
基本的には政府は需要が平準化するように発注を行うことが多く、大きく稼ぎが増えるようなことはあまり期待できません・・・
もちろん、電線地中化関連でもC・C・BOXなどの商品を同社は扱っていますので、受注はいくつか行われると思われます。
しかし、C・C・BOXは他の企業も作っています。
同社だけが差別化商品で高値受注するということは考えにくいです。
また、積水化学のエスロンパイプを並べて設置するスペースがあるところは、共同溝自体の設置が行われないでしょう。
個人的には、電線地中化はそこそこ収益に貢献するのかもしれないけれど、今のところは同社への恩恵は大きくはないのではないか、とみています。
⇒【5287】重要道路の無電柱化(電柱地中化)でイトーヨーギョーを買うのはおかしい気がする件
ベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)の2018年Q4決算内容
ベルテクスコーポレーションは今期からの決算となっており、前年比較ができません。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1132998959499112448
とりあえず、ライザップでも話題になった「負ののれん」によって前期の利益は随分と嵩上げされています。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1132998996027269127
ただ、このかさ上げ分がなくても、業績はさほど悪くはありません。
セグメント別にみると、パイル事業が足を引っ張っています。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1132999031557246977
個人的に、建設工事の動向から見て、このパイル事業は今後赤字を出すんじゃないかとみています。
それと雨水関連事業は、同社は伸びるとみていますが、震災復興需要減とオリンピック関連需要減でどうなるかはやや微妙です。
とりあえず、現時点では好調にみえますが。
ベルテクスコーポレーション(旧:ゼニス羽田)の株価
業績は悪くないです。
事業見通しも、悪くない。
株主還元姿勢も示しており、その点で好感されます。
ただ、今後の需要動向にはやや注意が必要です。
個人的には同社のような銘柄は嫌いじゃありませんが、人気が離散したときの同社の株価は、とにかく右肩下がりです。
同社には個人の短期目線の資金が多く入っており、基本的にこれらの方達は我慢ができません。
ちょっと株価の動向、業績の動向に不安を持つと損切りを繰り返すため、株価が下がりやすい傾向があります。
とりあえず、そこら辺を理解した上で触る銘柄、と思います。
なお、上記はあくまでも個人的見解です。
特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。
投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。
以上。