【7269】スズキの業績と株価

【7269】スズキの業績と株価

 

今回は自動車、バイク、船外機などの中堅企業、スズキについてみていきます。

ここもとインド事業が急激に失速しつつあります。

 

スズキ2018年Q3業績・決算

二輪車・四輪車大手スズキの2018年Q3決算は、インド事業の急激な失速が表れています。

スズキの2018年Q3までの累計決算は売上4.2%増、営業利益1.3%減でした。

しかしこれはあくまでも累計です。

Q3単独で見てみると、前年に比べて大きく業績を落としています。

 

 

 

 

スズキ2018年Q3単独業績・決算

スズキの決算をQ3単独で前年と今年を比較すると

売上8938億円⇒9094億円

営業利益869億円⇒580億円

と大きく営業利益を減少させています。

 

 

スズキ2018年Q3業績・決算~インド・東南アジアの悪化

この背景がインド・東南アジア事業の急速な悪化です。

四輪車の生産はQ3のインドが41.9万台⇒39.4万台と減少

アジア地域も10.9万台⇒8.3万台に減少しています。

 

販売面で見ても、Q3単月ではインド事業がほぼ横ばい

東南アジアは2.5万台減らしており、これまでスズキの業績を牽引してきた地域が足を引っ張る動きとなっています。

 

 

 

 

スズキ2018年Q3業績・決算~事業セグメント別

スズキの決算を事業別にみると、二輪事業が利益を削られれていることに気づきます。

2018年Q2の二輪事業のセグメント利益は40.17億円でしたので、スズキはQ3だけで38.77億円の営業損失、赤字を出したことになります。

これは、インドでストが起きているという報道があったためでしょうか?よくわかりません。

 

なお、主力の四輪事業は

  • 前年Q3が858.92億円
  • 今年Q3が586.72億円

と激減しています。

 

 

スズキ2018年Q3業績・決算~地域別セグメント

インド・ASEANなどスズキが得意としてきた地域で営業利益を大きく減らしています。

Q3での比較で言うと、ほぼ半減しています。

 

インド・ASEAN地域は比較的経済活動が好調と言われてきましたし、スズキはインドで大きなシェアを持っているマルチスズキの親会社ですが、そのメリットを活かせていません。

むしろ全体の足を引っ張っている状況です。

 

スズキ2018年Q3業績・決算~業績見通しを下方修正

スズキはこれら決算を踏まえ、アジアの四輪販売見通しを前回から2万9千台引き下げ。

日本の四輪売上は2万1千台上方修正しましたが、その他地域を含む差し引きで1万1000台の引き下げとなっています。

インドの成長率は、前回見通し+8%から6%に引き下げています。

 

スズキ 株価

 

スズキの株価はこの決算を受けて下落しています。

 

5分足

 

なお、週足では以下のようです。

 

 

スズキの業績短評

とりあえず、会社側はQ4の回復を予想していますが、その根拠がいまいちよくわかりません。

株価はアジアの高成長と、それに伴うスズキの業績拡大を織り込んだ株価でした。

マルチ・スズキ・インディア(MRTI)の株価が急落している件

この期待がいま崩れている最中です。

個人的には、いろいろと危険な動きにみえます。

 

以上。