【CRM】セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の業績・決算と株価

【CRM】セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の業績・決算と株価

 

今回はCRM(顧客関係管理)サービスなどをクラウドコンピューティングで提供するセールスフォース・ドットコム(salesforce.com)についてみていきます。

CRMというのは、簡単にいってしまえば「客を逃さず、利益につなげる管理」ということ。

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)はこのCRM業界でトップ。

営業支援サービス「Sales Cloud」の他、デジタルマーケティングプラットフォーム「Marketing Cloud」などを顧客企業に提供することで、顧客企業がその顧客との良好な関係を構築し、売上を極大化させるための方策を提示しています。




 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)は革新的企業として人気

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)はフォーブス誌における「World’s Most Innovative Company(世界で最も革新的な企業)」ランキングで長年にわたり高い順位をとるなど、非常に高評価な企業です。

(2017年度は1位)

株式市場の評価も非常に高く、長年にわたり高いバリュエーションで評価され続けてきました。

 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)は高株価を利用して周辺企業を買収

同社はその高い株価を利用して周辺サービスを提供する企業を買収。

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)にサービスを統合していくことで成長するビジネスモデルを作り上げました。

よって、後述しますが、売上規模は驚くべき成長を示しています。

しかし、利益はさほど伸びていません。

細かい開示はされていませんが、統合した周辺サービスの黒字化がされていない部分もあるのではないか?と個人的にはみています。




 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の業績推移

ここでセールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の業績推移を簡単に振り返ってみます。

売上と営業利益に関しては、以下のようになっています。

(なお、2017、2018の数字は会計変更した後の数字を示しています。Adjustedベースで大きく会計上の利益は伸びてみえるようになっています。)

ちょっと見にくいかもしれませんがご容赦ください。

売上が棒グラフで左軸、利益が折れ線で右軸です。

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)ですが、当初こそ営業黒字(それでも6%台程度)でしたが、その後は赤字に転落。

最近になってようやく黒字になってきましたが、利益はまだ微々たるものです。

希薄化後一株利益(EPS) でみると上記の通りになっています。

なお、10年前よりも営業利益がたっぷり出ているのに、10年前からEPSの伸びがあまり大きくないのは、単純に株式を大量に発行したからです。

買収のため、従業員や経営陣への株式による報酬のために、セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の株式発行数は

2006年の118737000 から 2018年の734598000まで急増しています。

こういった自社株による買収や報酬は、IT系企業ではよくあることですが、まさにセールスフォース・ドットコム(salesforce.com)はこの手法で大きくなった企業と言えます。

いまも同様の手段を、たとえばアリババ集団(BABA)だとかオクタ(OKTA)、Zscaler(ZS)などの会社はどんどん使っています。

将来的に、どれだけ希薄化するでしょうか?

長期投資をする場合には、そういった視点も必要になってくるでしょう。

 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の2018年Q4業績

直近三期の業績推移です。

以前の数字から2018、2017の数字が上方修正されています。

会計上の問題であり、実質的なキャッシュの出入りはありません。たぶん。




 

 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com) セグメント別業績

こちらは地域別、セグメント別にみたもの。

全ての地域、セグメントで高い成長力を維持していることがわかります。

世の中はクラウドブームですから、見事にその流れに乗っています。

 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の業績~バランスシート

資産内容は買収中心の成長をしてきたこともあり、のれん代が非常に多いです。

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の業績~キャッシュフロー

キャッシュフローは問題なし。

現金保有なども増えてきていますが、また買収に使われると思われます。

 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の直近4四半期業績

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の2018年の各四半期ごと業績です。

良好なパフォーマンスを示していることがわかります。




 

 

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の株価

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)の株価は非常に好調に推移してきました。

EPSは0.5程度ですからPER300倍程度でしょうか。

こういった銘柄をバリュエーションでみるのは野暮ってものです。

仮に年率2倍のEPS成長を果たしたとしても、2019年通期でPER150

2020年で75

2021年で37.5

2022年で18.75です。

つまり2022年までEPS2倍で成長することを期待された株価と言えると思います。

 

このあたりを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれでしょう。

とりあえず、以上です。