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【AMD】AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)の業績・決算と株価~Zen、Ryzen、Vega、Navi、Radeon~

【AMD】AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)の業績・決算と株価~Zen、Ryzen、Vega、Navi、Radeon~

今回はAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)についてみていきます。

AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)はいわずと知れた半導体大手企業です。

もともとx86互換(インテル互換)のPC用CPUを作っている企業でしたが、近年はそれ以外の用途にもターゲットを広げてきています。

まずはAMDの事業内容からみていきましょう。

 

 

AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)の事業内容~Ryzen、Navi、Vega、EPYC

AMDはパソコン用のCPUやGPU、データセンター用のCPU、ゲーム機向けの半導体を設計・開発する企業です。

AMDは自社では生産しないファブレス企業であり、生産はTSMCなどのファウンドリに丸投げしています。

同社はグラフィックス半導体のATIを買収、サーバー向けのシーマイクロを買収したほか、非効率な生産部門をグローバルファウンドリーズとしてスピンオフ。

近年ではインテルが微細化プロセスに手間取っているなか、TSMCに生産を丸投げしたことが奏功していち早く7nmプロセスのGPU、CPUを市場に投入するなど、競争上の優位に立っています。

(インテルが自滅しているという声も・・・)




 

 

AMDによるATI買収とVega、Navi

AMDは2006年にグラフィックス半導体のATIを買収してのちは、GPU分野やAI分野を強化。

ATIのRADEONシリーズを継承しているほか、ATIが担ってきたゲーム機向けの半導体供給(もともとはArtXが担っていた)も引き継ぎ、これを強化。

もともとATIは動画再生支援に強みをもち、競合するNvidiaよりも安いことも売りにされてきましたが、近年はNvidiaに対抗する形でゲーム分野も強化。

AMDは世界初の7nmGPU となるRadeon VIIを販売。

これに搭載されたVega以降、2019年にはNaviが販売されていく方向であり、本格的にゲーミング分野を強化することが表明されています。

また、AMDのゲーム用チップはプレステ4などにも搭載。

Googleの展開するゲーミングクラウド、STADIAにもAMDのチップが採用されると噂されており、こうした点も注目です。

 

 

AMDのZen、RyzenがIntelに勝っている?

AMDは2015年にコンシューマCPU分野のアーキテクチャとしてZenを発表。

このZenを搭載したRyzenを2016年に発売開始しました。

これがインテルのCPUの性能を上回るとしてゲーム用途分野で特に好感される展開になり、同社の株価は大きく上昇しました。

さらに、2019年半ばからはTSMCの7nmプロセスルールによる製造Zen2を搭載したRyzen 3000シリーズが発売されることになっており、これにも注目が集まる展開となっています。

AMDが第三世代Ryzenプロセッサを発表~Intel製CPUよりワット性能、1コアあたり性能で上回るとアピール

AMDが7nmを採用する中、インテルはいまだに14nmの製造でとどまっており、年後半には10nmでの生産が開始すると発表されてはいますが、その動向には暗雲が漂っています。

【INTC】インテル(Intel)の業績と株価~2019Q1決算~プロセス技術が致命的すぎる~

 

市場ではインテルが躓いているなかで、AMDが圧勝するのではないか?との見方があります。

しかし、個人的にはこれはやや期待先行すぎではないか、と思っています。

そもそもにおいてTSMCとインテルでは、これまで同じ線幅で集積度が1.3~1.4倍程度違っていました。

それがインテルとAMDの性能差の主要因でした。

TSMCの7nmは確かに凄いのですが、集積度の面からいくとインテルの10nmとあまり違いがない可能性があります。

あとは設計次第で性能に差が出ますが、とりあえず、2019年にAMDが出してくる(はずの)ハイエンドと、インテルが出してくる(はずの)ハイエンドCPUを比較すれば、さほど大きな性能差は出ないのではないか、と思われます。

現在は確かにAMDの方がコスパもいいし、性能も悪くなく人気ですが、インテルの最新作次第で大きく変わる可能性があることは注意が必要です。

 

 

 

AMDの業績~2019Q1

 

AMDの業績はここもとの景気悪化懸念を受け大きく落ちています。

前年同期比で販管費・研究費が増加する一方、売上は減で粗利も落ちています。

結果、営業利益は圧迫されている。

 

なお、同社の業績が落ちたのはコンシューマ向け。

データセンター向けでは前期比で逆に伸びています。

 

この点、同期間にインテルはデータセンターが弱く、コンシューマがやや強かったので対照的です。

 

AMDの業績推移~売上・EPS

 

AMDの売り上げ推移とEPS(一株当たり利益)推移です。

 

EPSの推移は緩慢ですね。

なお、以下に財務を載せておきます。

AMDは在庫が伸びて債務を減らしています。

 

 

 

 

AMDの株価

週足

日足

 

AMDの株価はインテルに比べて非常に強く推移してきました。

バリュエーションも非常に高くなっています。

 

個人的には、株価の動きの違いほどに両社の競争優位性変化があるかどうかは疑問ですが・・・

兎にも角にも、インテルが自滅するか自滅しないか、そこには注目だと思います。

インテルが復活してきたら、AMDは正直厳しいように思います。

 

 

なお、上記はあくまでも個人的見解です。

特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。