【MELI】南米のアマゾンことメルカドリブレ(mercado libre)~メルカドパーゴ期待で株価押し上げ?
今回はメルカドリブレ(mercado libre)についてみていきます。
メルカドリブレ(mercado libre)は南米最大のEC企業であり、南米のアマゾンとも呼ばれています。
同社の株価は以前から2010年代前半頃からPER50倍程度と割高でしたが、
近年ではPER500倍もの高さになっており、経済紙などで
「バブルなのではないか」
との声も上がってきています。
今回はそのあたりもふくめて見ていきます。
メルカドリブレ(mercado libre)について軽く解説
メルカドリブレ(mercado libre)は南米アルゼンチン発祥の電子商取引、イーコマース企業です。
事業内容としてはアマゾンドットコムのようなオンライン販売プラットフォーム経営のほか、オンラインオークション経営も行っています。
近年ではメルカドパーゴ(後述)というオンライン決済が注目を浴びており、南米のフィンテック事業者、としての注目も浴びつつあります。
同社は1999年の創業から南米ラテンアメリカ地域でのビジネス展開に集中して取り組んでおり、
現在ではアルゼンチンのほか、ブラジル、チリ、コロンビア、ボリビア、コスタリカ、メキシコ、ドミニカ、エクアドルホンジュラス、グァテマラ、ペルー、ウルグアイ、パナマ、ベネズエラ(非連結化)で事業を行っています。
ブラジル市場で大きく稼ぐメルカドリブレ(mercado libre)
メルカドリブレ(mercado libre)の創業はアルゼンチンですが、現在、一番売上が多い地域はブラジルとなっています。
利益に関してはブラジルとアルゼンチンで大きく稼ぎ、それ以外の地域はまだ投資段階と言ったところ。
とくに近年はメキシコ市場の開拓を急いでおり、2018年の売上の伸びは全体で18.3%増だったところ、
メキシコ市場の売上高伸び率は年率112.5%増と二倍を超す伸びとなっています。
メルカドリブレ(mercado libre)の最大市場であるブラジルでも売上25.4%という高い伸びを続けており、こういった南米の巨大国での稼ぎが、同社の収益の柱となっています。
メルカドリブレ(mercado libre)、ベネズエラから撤退
なお、メルカドリブレ(mercado libre)は以前はベネズエラに注力していました。
ベネズエラはかつて南米でも有数の金持ち国家でしたので、そこに投資をしていくのは同社にとっては当然でした。
しかし現在、ベネズエラは対米関係の悪化から経済制裁を受けており、ハイパーインフレが起きてしまうなど経済的に大混乱となっています。
メルカドリブレ(mercado libre)はこうした状況を受け、ベネズエラ資産を2017年に減損処理、および非連結化処理
これに伴う損失を発生させました。
よって、2017年の決算はやや特殊要因から下押しがされています。
メルカドリブレ(mercado libre)、送料無料サービス導入で売上急拡大
メルカドリブレ(mercado libre)は2017年にブラジル、メキシコで送料無料サービスを導入したのち、本国アルゼンチンでも2018年に送料無料を導入。
その後、他の国々でも導入を急いでおり、これが近年では収益の押し上げに寄与するとともに、利益の押し下げ効果となっています。
メルカドリブレ(mercado libre)としては、こうして市場掌握をしっかりすることで、アマゾンなどが参入する余地をなくしておこうという判断なのでしょう。
作戦は成功しているようにみえます。
為替で大きく業績がブレるメルカドリブレ(mercado libre)
メルカドリブレ(mercado libre)の業績は、とにかくよく為替でブレます。
為替は南米諸国における最大の問題点であり、現在はベネズエラがその状況にありますが、ちょっと前はアルゼンチンの債務危機と通貨危機も記憶に新しい所であり、その前にもブラジルやチリなど、各国で通貨危機が起きました。
メルカドリブレ(mercado libre)はそうした地域を中心に展開しているため、どうしても為替による悪影響を受けます。
それは売上にも影響が及びますし、投資先の減損リスク、金融費用計上など投資損失リスクも抱えます。
この点は新興市場の伸びを得るためのコストといった感じになっています。
メルカドリブレ(mercado libre) 2019年1Q決算概況
メルカドリブレ(mercado libre)の2019年1Qは以下のようになりました。
あいかわらずの高い伸びを示しています。
前年は送料無料を導入したばかりでコストが先行しましたが、
今年は売上の増加で各種コストを吸収して黒字化を達成しています。
また、送料無料に関するコストも低減しています。
あいかわらずメキシコ市場の伸びが非常に高いことがわかります。
また、為替変動によりドルベースの利益上昇は妨げられているものの、現地通貨ベースでは非常に高い伸びを示していることもわかります。
メルカドリブレ(mercado libre)のメルカドパーゴ(MercadoPago)
メルカドリブレ(mercado libre)で目下注目を浴びているのが、メルカドパーゴという決済手法、フィンテックビジネスです。
簡単に言ってしまえば、ペイパルとかアリペイとかウィーチャットペイとかペイペイとか、ああいった類のもの。
このメルカドパーゴの伸びが、現地通貨ベースで194.2%の伸び、
米ドルベースでみても前年比118.8%の伸びとなっています。
また、MPOS(スマートフォンアプリと専用カードリーダーを使うシステム)の伸びが、現地通貨ベースで前年比260.4%上昇
全体のオフライン決済の43.9%を占めるまでになってきています。
つまり、急速に消費が拡大する南米市場で非常に大きな決済ビジネスの地盤を握っており、この点に注目する見方も市場にはあるようです。
メルカドリブレ(mercado libre)の株価
メルカドリブレ(mercado libre)の株価はすさまじいことになっています。
2018年には送料無料サービスのコスト上昇を嫌気して停滞した株価でしたが、2019年からは急激に上昇開始
現在の株価はPER500倍を超えています。
まぁ過去にはPER1000倍を超えていたこともあるので、この銘柄を触る人にとってはPERなんてどうでもいいのでしょう。
とりあえず、急速に拡大する市場に賭ける、そんな感じのところがあります。
とりあえず、同社は南米のAmazonといわれています。
ほかに、アフリカにはアフリカのAmazonと言われるJumiaという会社があります。
それについてはまたそのうち書いていこうと思います。
今回は以上です。