中国の生鮮食品ECサイトMiss FreshにテンセントなどがシリーズD出資

テンセントが支援する生鮮食品ECプラットフォームMissFreshがシリーズDの資金調達を完了

 

テンセントがシリーズAから出資している中国生鮮商取引サイトMissFresh(ミスフレッシュ)がシリーズDの資金調達を完了したとのことです。

 

2014年に設立されたMissFresh ( ミスフレッシュ )は生鮮食品をネット上で取引するためのプラットフォームを提供。

現在、MissFresh ( ミスフレッシュ )は中国国内20の都市で野菜、果物、水産物、乳製品、肉などありとあらゆる生鮮食品を1時間以内に配送しています。

 

生鮮品のECプラットフォームにおいてMissFresh ( ミスフレッシュ )は中国国内シェアが50%以上とのこと。

中国国内における生鮮品流通は年率二けたの急激な伸びを成長しており、MissFresh ( ミスフレッシュ )はその好調な環境の中で事業を急激に成長させています。

 

なお、今回の増資では、テンセントとゴールドマン(Goldman Sachs Investment Partners/GSIP)が4億5000万ドルでリードし、既存投資家であるTiger Global ManagementやSofinaのほか、Jeneration Capital、Davis Selected Advisers、Poly Capital Holdingsなども参加したとのことです。

今回の資金調達で得た資金について、Miss FreshのCFOであるWang Jun氏はコールドチェーンロジスティクス、上流のサプライチェーン、ITを使った小売技術などに投資をしていきたいとのことです。

また、Miss FreshのCEOである徐晶(Xu Zheng)は、中国国内100年に配達用倉庫を建設し、一億人の家庭に一時間以内に配送する計画と発表しました。

Fresh Produce E-Commerce Unicorn MissFresh Raises $450 Million in Series D Funding


以下個人的見解

中国の食生活が一段と先進国レベルに進化してきています。

現在の中国は全体でみると一人当たり名目GDPが8800ドルとかそのあたり、つまり日本の1970年代後半と同じですが、都市部に限っては11000程度にまで上がってきており、これは1980年代前半くらいにあたります。

日本でもちょうどそのくらいの時期から、食卓に都市部の小売店にも遠隔地の生鮮品が並ぶようになってきました。

当時はまだ魚屋や八百屋が都市部でもあった時代です。

それがだんだんと、小型のスーパーに置き換わり、大店法の改正によって90年代後半あたりから一気に大型スーパーが日本中に展開されるようになります。

 

いま中国はこの過渡期にあります。先進国が過ごした道筋をあっという間に飛び越えて、一気に生鮮品の流通が拡大しています。

この環境の変化をとらえて、テンセントとアリババは流通市場で戦おうとしています。

 

これが吉と出るのか凶と出るのかはわかりません。

というか、個人的にはこの方針には微妙に納得できません。

日本に限らず先進国はどこも、流通小売りは低い利益率と資本効率に陥っています。わざわざテンセントやアリババがやる必要性がわかりません。

これらへの投資拡大は、守りの姿勢への転換であると個人的には思います。

水物のゲームビジネスから安定的にCFを稼げる事業に移りたいという思いがあるのではないかと・・・。

 

とりあえず、今後もテンセントはMissFreshのような小売・流通媒体への投資を拡大するはずです。

同社の動向には注目していきたいと思います。