トランプ関税の行方1 中国がもし輸入関税をかけるなら・・・

米トランプ大統領がアルミ・鉄鋼製品に追加輸入関税を課す方針を表明しました。

市場の一部には、「これはブラフであり、選挙戦対策のもの。実際には実行されない」との見方もあるようです。

が、あながちそうとも言い切れません。貿易不均衡是正はトランプ大統領の一番の関心ごとです。

とりあえず、このトランプ関税が実効に至ったとした場合に、それに伴いなにが起きるかを予想してみます。

 

 

 

まず、米中の貿易関係についてみてみます。

これは中国がどんな商品を米国から輸入しているかを表示させたものです。

中国が米国から輸入した額、米国が世界に輸出した額、中国が世界から輸入した額・・・の順で並んでいます。

12黄色で示した大豆など搾油用種子などは、米国の輸出額の50%以上を中国が輸入しています。中国側からみると、37%前後を米国からの輸入に頼っています。

88赤で示した航空機・航空部品などは、米国の輸出額の約1割程度を中国が輸入しています。中国側からみると、60%前後を米国からの輸入に頼っています。

47水色で示した紙・再生紙などは、米国の輸出額の約40%を中国が輸入しています。中国側からみると、22%前後を米国からの輸入に頼っています。

44水色で示した木材、木炭などは、米国の輸出額の約30%弱を中国が輸入しています。中国側からみると、13%前後を米国からの輸入に頼っています。

 

 

 

 

もしも中国がアメリカに対して報復関税をかける場合には、

  • 自国の経済に影響が少ないこと
  • 相手国の経済に影響が大きいこと

を基準に選ぶと思われます。

市場では、大豆に関税をかけるのではないか、航空機にかけるのではないか、と言われています。

ですが、個人的には・・・

大豆への関税は国内食品価格への影響が恐ろしくて実行できない

 

と思います。

むしろありうるとしたら

 

水色の二品目が報復関税の対象に一番なりやすいのではないか

 

と、思っています。

この二品目は、米国への影響が大きく、それでいて中国側の影響が小さいのです。

 

 

もちろん、航空機の調達先をボーイングからエアバスに替えることはあるかもしれません。

ただ、その際にはパイロットの養成、バックエンドの作業など全般的に見直していく必要が出てきます。これはかなりの労力です。いっきにできることではないと思います。やるとしたら徐々に、でしょう。

 

 

とりあえず、中国がもし報復関税をかけるなら・・・

という点からは、おいらは以上のような予想をしています。

 

しかし、中国側は報復関税うんぬんを語る前に、もっと凄いことを言い出したみたいです。

それについては次回の記事で・・・

 

 

 

by中卒くん