IVVは経費率最安水準のS&P500指数連動ETF

【IVV】iシェアーズ・コアS&P500は経費率が業界最安水準の指数連動型ETF

 

 

今回はS&P500指数連動型の上場型インデックス投信であるIVV、i shares core S&P 500 ETFについて紹介します。

 

指数連動型ETFにはいろいろな種類がありますが、IVVは米国の代表的な株価指標であるS&P500指数に連動するように組成されている上場型インデックス投信となっています。

IVVは正式名を「i shares core S&P 500 ETF」といい、世界最大の資産運用会社であるブラックロック(Blackrock)が運用している指数連動型商品となります。

IVVは経費率が業界で最低水準となる0.04%となっており、100万円の投資をしても400円の経費しかかからない指数連動型インデックスファンドとなっています。

経費率が低い投資信託ですから、それだけ長期間持っていても不利にならないということです。

経費率が低いことは、投資信託を選ぶ際には非常に重要です。

 

 

 

なお、指数連動型インデックス投信には、上場型と店頭販売型のファンドがありますが、IVVは上場型の指数連動型インデックスファンドとなります。

IVVは上場型の投資信託ETFですから、売買手数料が非常に安くてすみます。

大手証券会社や銀行の窓販で売られる投資信託は手数料だけで数パーセント持っていかれるものも多いですが、上場型投資信託ETFであれば、ネット証券などから注文することで非常に安い手数料で売買することが可能です。

こういった手軽さ、コストの安さが、IVVなど上場型投資信託ETFが非常に人気となっている理由のひとつです。

 

 

 

IVVは米国の代表的株価指標であるS&P500種指数に連動しますから、ETFの組み入れ銘柄もS&P500に基本的には則した銘柄が並びます。

 

以下がIVVの組み入れ上位銘柄のリストです。

(2018年10月5日時点)

AAPL APPLE INC 4.27 7,066,514,939.54 情報技術
MSFT MICROSOFT CORP 3.53 5,842,381,125.29 情報技術
AMZN AMAZON COM INC 3.19 5,284,451,599.98 一般消費財・サービス
BRKB BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B 1.74 2,883,474,694.35 金融
JPM JPMORGAN CHASE & CO 1.58 2,616,949,565.87 金融
FB FACEBOOK CLASS A INC 1.56 2,587,804,858.35 通信
JNJ JOHNSON & JOHNSON 1.52 2,525,250,673.35 ヘルスケア
XOM EXXON MOBIL CORP 1.48 2,447,457,490.50 エネルギー
GOOG ALPHABET INC CLASS C 1.47 2,429,565,348.11 通信
GOOGL ALPHABET INC CLASS A 1.44 2,376,622,037.00 通信
BAC BANK OF AMERICA CORP 1.15 1,908,967,046.23 金融
PFE PFIZER INC 1.07 1,769,497,731.30 ヘルスケア
V VISA INC CLASS A 1.06 1,760,879,020.08 情報技術
UNH UNITEDHEALTH GROUP INC 1.05 1,743,909,348.48 ヘルスケア
T AT&T INC 1.01 1,673,131,623.96 通信
CVX CHEVRON CORP 0.98 1,616,641,084.80 エネルギー
WFC WELLS FARGO 0.95 1,566,098,681.02 金融
HD HOME DEPOT INC 0.93 1,536,239,934.70 一般消費財・サービス
VZ VERIZON COMMUNICATIONS INC 0.93 1,534,948,180.08 通信
INTC INTEL CORPORATION 0.9 1,498,340,131.78 情報技術
CSCO CISCO SYSTEMS INC 0.9 1,493,247,732.40 情報技術
BA BOEING 0.85 1,406,683,010.28 資本財・サービス
PG PROCTER & GAMBLE 0.83 1,376,677,724.16 生活必需品
MA MASTERCARD INC CLASS A 0.8 1,330,167,672.40 情報技術
MRK MERCK & CO INC 0.77 1,278,621,704.94 ヘルスケア
C CITIGROUP INC 0.74 1,233,651,857.40 金融
KO COCA-COLA 0.72 1,184,589,173.95 生活必需品
DIS WALT DISNEY 0.7 1,167,428,412.36 通信
NVDA NVIDIA CORP 0.69 1,147,793,923.65 情報技術
CMCSA COMCAST CORP CLASS A 0.66 1,088,235,681.26 通信
NFLX NETFLIX INC 0.65 1,070,367,046.35 通信
PEP PEPSICO INC 0.62 1,019,182,324.93 生活必需品
DWDP DOWDUPONT INC 0.6 998,321,595.38 素材
ABBV ABBVIE INC 0.58 960,496,317.12 ヘルスケア
ORCL ORACLE CORP 0.57 945,177,876.54 情報技術
IBM INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CO 0.56 933,537,155.69 情報技術
WMT WALMART INC 0.55 913,854,805.69 生活必需品
AMGN AMGEN INC 0.54 890,205,259.46 ヘルスケア
MDT MEDTRONIC PLC 0.53 885,290,561.22 ヘルスケア
PM PHILIP MORRIS INTERNATIONAL INC 0.53 880,732,782.60 生活必需品
ADBE ADOBE SYSTEM INC 0.53 872,817,600.73 情報技術
MCD MCDONALDS CORP 0.53 869,441,604.40 一般消費財・サービス
ABT ABBOTT LABORATORIES 0.51 851,644,289.16 ヘルスケア
MMM 3M 0.51 847,899,763.92 資本財・サービス
HON HONEYWELL INTERNATIONAL INC 0.5 825,888,717.29 資本財・サービス
UNP UNION PACIFIC CORP 0.5 821,951,860.04 資本財・サービス
CRM SALESFORCE.COM INC 0.48 792,277,563.20 情報技術
MO ALTRIA GROUP INC 0.48 787,234,862.56 生活必需品
ACN ACCENTURE PLC CLASS A 0.45 744,327,034.88 情報技術
GE GENERAL ELECTRIC 0.45 743,723,840.94 資本財・サービス
LLY ELI LILLY 0.44 730,019,350.80 ヘルスケア
AVGO BROADCOM INC 0.44 724,133,505.81 情報技術
UTX UNITED TECHNOLOGIES CORP 0.43 713,693,342.72 資本財・サービス
TXN TEXAS INSTRUMENT INC 0.42 695,717,611.71 情報技術
NKE NIKE INC CLASS B 0.42 693,978,185.54 一般消費財・サービス
QCOM QUALCOMM INC 0.42 688,076,923.38 情報技術
BMY BRISTOL MYERS SQUIBB 0.42 687,855,494.56 ヘルスケア
COST COSTCO WHOLESALE CORP 0.41 686,759,988.48 生活必需品
PYPL PAYPAL HOLDINGS INC 0.41 674,789,074.46 情報技術
GILD GILEAD SCIENCES INC 0.41 670,847,506.56 ヘルスケア
TMO THERMO FISHER SCIENTIFIC INC 0.4 662,638,800.38 ヘルスケア
CAT CATERPILLAR INC 0.38 629,706,288.75 資本財・サービス
BKNG BOOKING HOLDINGS INC 0.37 620,341,057.00 一般消費財・サービス
COP CONOCOPHILLIPS 0.37 614,891,904.96 エネルギー
LOW LOWES COMPANIES INC 0.37 607,279,564.56 一般消費財・サービス
SLB SCHLUMBERGER NV 0.36 588,009,390.30 エネルギー
LMT LOCKHEED MARTIN CORP 0.35 585,222,839.54 資本財・サービス
USB US BANCORP 0.34 555,618,168.16 金融
UPS UNITED PARCEL SERVICE INC CLASS B 0.33 549,817,658.18 資本財・サービス
CVS CVS HEALTH CORP 0.33 545,831,257.85 ヘルスケア
GS GOLDMAN SACHS GROUP INC 0.33 539,899,894.60 金融
NEE NEXTERA ENERGY INC 0.33 539,528,549.25 公益事業
AXP AMERICAN EXPRESS 0.31 514,190,981.58 金融
EOG EOG RESOURCES INC 0.31 509,855,138.28 エネルギー
SBUX STARBUCKS CORP 0.31 509,662,922.04 一般消費財・サービス
ANTM ANTHEM INC 0.29 482,818,092.34 ヘルスケア
TJX TJX INC 0.28 467,430,712.68 一般消費財・サービス
BIIB BIOGEN INC INC 0.28 467,177,311.60 ヘルスケア
BDX BECTON DICKINSON 0.28 458,246,851.68 ヘルスケア
AET AETNA INC 0.27 451,707,300.00 ヘルスケア
DHR DANAHER CORP 0.27 445,361,392.00 ヘルスケア
ADP AUTOMATIC DATA PROCESSING INC 0.27 444,826,807.18 情報技術
PNC PNC FINANCIAL SERVICES GROUP INC 0.26 436,764,030.33 金融
AMT AMERICAN TOWER REIT CORP 0.26 430,391,334.56 不動産
ISRG INTUITIVE SURGICAL INC 0.26 426,305,034.92 ヘルスケア
OXY OCCIDENTAL PETROLEUM CORP 0.26 424,789,077.44 エネルギー
MS MORGAN STANLEY 0.26 423,687,627.80 金融
CB CHUBB LTD 0.25 420,782,851.65 金融
CELG CELGENE CORP 0.25 420,561,252.60 ヘルスケア
SCHW CHARLES SCHWAB CORP 0.25 420,043,567.04 金融
MDLZ MONDELEZ INTERNATIONAL INC CLASS A 0.25 419,655,571.65 生活必需品
WBA WALGREEN BOOTS ALLIANCE INC 0.25 418,173,752.34 生活必需品
CME CME GROUP INC CLASS A 0.25 415,550,265.90 金融
ATVI ACTIVISION BLIZZARD INC 0.25 414,127,304.36 通信
AGN ALLERGAN 0.25 413,797,316.62 ヘルスケア
CSX CSX CORP 0.25 411,782,723.67 資本財・サービス
RTN RAYTHEON 0.24 401,469,689.16 資本財・サービス
BLK BLACKROCK INC 0.24 393,561,569.40 金融
FDX FEDEX CORP 0.24 393,124,795.44 資本財・サービス
INTU INTUIT INC 0.24 392,704,063.05 情報技術

 

IVVの組み入れ銘柄最上位はApple、二番目がMicrosoft、三番目がAmazonですから、上位みっつともIT株ということになります。

IVVが参照しているS&P500指数の組み入れ上位銘柄の推移は、時代をうつす鏡です。

一昔前は、S&P500指数の組み入れ上位を石油株や金融株が占めていました。

しかしその後、原油価格の下落でエネルギー株は下がり、サブプライムローン問題の破綻などを契機に金融株は下落します。

今では50位になっているゼネラルエレクトリックGEも、昔は上位銘柄だったんです。

ゴールドマンサックスGSなんて今は71位ですが、昔は若い学生が就職を希望しまくるようなギラギラした金融機関だったんです。(けっしてキラキラではありませんw)

とりあえず、そういった栄枯盛衰の歴史をまったく無視して、米国企業全体の発展に賭けられるところが、S&P500種指数連動型ETFであるIVVのいいところ・・・なのだと思います。

 

 

 

 

IVVの組み入れ銘柄をセクターべつにみると以下のようになります。

(2018年10月5日現在、四捨五入)

S&P500種株価指数に連動するように作られたIVVは、やはりS&P500と同様のセクター比重となっています。

IVVの組み入れ銘柄は、時代を映して情報技術、ヘルスケアなどが上位にきています。(つい数年前までは金融が二位にありました。)

 

 

IVVのファンド詳細

 

名称 iシェアーズ・コア S&P 500 ETF
ティッカー IVV
ベンチマーク S&P500指数
指数構成銘柄数 505銘柄
設定日  2000/5/15
取引所 NYSE アーカ
発行済口数 567,950,000
20日間平均出来高 576,853
分配金利回り 1.76%
株価純資産倍率(PBR) 3.46
株価収益率(PER) 24.9
経費率 0.04%

なお、IVVの売買回転率は4.0%となっているようですが、これはS&P500の定期銘柄入れ替えにあわせるためのもので、積極的な売買が行われているわけではありません。

IVVのエクイティ・ベータ値は当然1.00。しっかりベンチマークについていくことがIVVの特徴です。

 

 

 

 

IVVは非常に低い経費率であることと、米国株の代表的な株価指数であるS&P500に連動する公平性、明快さのため世界中で人気です。

IVVの一日の売買代金は非常に多く(流動性が高い)、個別銘柄投資のような「ストップ安で売りたくても売れない」みたいなリスクはほとんどありえません。

そのためIVVなどのような指数連動型ETF投資は外国株初心者の人にも人気となっており、ボーナスのたびにS&P500指数連動型のETFを闇雲に買い増していくような投資法をとる人もいます。

また、ドルコスト平均法を利用した投資法や、「下がったら多く買い、上がったら少しだけ買う」みたいな投資法をIVVなどの指数連動型ETFを用いて行う人たちもいます。

とくに忙しいサラリーマンの方や、コンプライアンス上、個別株に投資できないような職業の方でも投資できることから、IVVのような指数連動型ETFは万人受けした商品となっています。

 

 

S&P500指数連動型投信IVV、VOO、SPY

 

なお、ブラックロックが運用するIVVと同じようなS&P500連動型の米国株ETFとしては、ステートストリート(State Street Global Advisor)が運用するSPYや、ヴァンガード(Vanguard)が運用するVOOなどがあります。

歴史的にみると、S&P500連動型の米国株ETFで一番古いのはSPY、次がIVV、そのつぎがVOOとなります。

SPYは古くからあるため運用資産残高が多く、そのため急激な変動時にも厚みがあることが強みになります。そのぶんSPYは経費率がやや高くなっています。

(しかし、実際にはマーケットメイクが行われるため指数が大きく変動しても値付けはどこも大差なく行われると思われます。)

ちなみにIVVはS&P500指数連動型投信のなかでは二番手で、2000年に始まったS&P500連動型ETFとなります。

VOOは三番手で、2010年に始まったS&P500連動型ETFとなります。このVOOが手数料勝負をかけてくれたおかげで、IVVの経費率も引き下げられました。

投資家としては経費率は低ければ低いほど好ましいですから、この点ではVOOに感謝する投資家も多いでしょう。

 

 

IVVの価格推移

 

最後に、IVVの価格推移についてのせておきます。

IVVの設定来の価格は以下のように推移しています。

IVVの価格推移はS&P500指数とほぼ同じように動いています。

指数から大きく乖離してもマーケットメイクされますから、IVVは指数を売買する気持ちで取引できます。

かの有名な投資家ウォーレン・バフェットは、自分の妻にはS&P指数連動型投信を勧めているそうです。

アメリカは企業統治がしっかりしており、株主重視の経営が行われます。

またアメリカという国自体がひとつの資本主義社会のブランドです。

つまりバフェットに言わせると、そのアメリカに上場している株式をまんべんなく買うことが、資産形成において有効である。そのためにIVVやSPY、VOOのようなS&P500指数連動型投信は有効なツールである・・・ということのようです。

(個人的にもそれは一理あると思いますし、時間軸さえ間違えなければ正解だと思います。しかし、社会全体において非常に危険な考えだとも思います。それについてはいずれ・・・)

バフェットが言うのだから間違いない、としてIVVなどのS&P連動型ETFを買いつづける人たちがいます。

現在のアメリカ株の株高は、こうしたIVVなどのインデックス投信の買いが支えている部分も間違いなくあると思います。(それぷらす、自社株買いなどでしょうか)

こうした盲目的な投資手法が、企業統治をゆがめ、市場統治をゆがめるのではないかと、個人的には危惧しています。

 


あとがき

とりあえず、個人的にはIVVなどのようなインデックス投信というのは好きではありませんw

とりあえず、なんかズボラで怠惰な感じがしてきらいです。

IVVなどのインデックス投信を買うという行為は、不動産で言えば、個別の不動産を買わずに、街ごと丸ごと買うような行為と同じだと思います。

不動産の持つ特性をまったく無視して、その街の持つブランド価値に投資する行為が街の発展のためになるでしょうか。

ある程度はそういったものがあってもいいでしょうが、あまりに度が過ぎると街の発展に悪影響があるのではないかなぁという気がしています。

好き嫌いにかかわらず、世の中にはそういった仕組みもある、という割り切りで、自分は指数連動型ETF人気を眺めていくようにしています。

個人的には、毎月分配型ファンドを眺めていた時も同じ気分でした。

ETFの問題に多くの人が気づき、騒ぐ時がくるのではないか、と感じています。

とりあえず、以上です。