2018年9月中国貿易統計 人民元安、追加関税前の駆け込み輸出で対米輸出が堅調も、その他の国には貿易赤字
2018年10月12日、中国税関総署発表
中国の貿易収支がめちゃくちゃ堅調です。
輸出はドルベースで前年同月比14.5%増加
輸入はドルベースで前年同月比14.3%増加
貿易収支は320億ドル
この好調な貿易統計の原因は対米貿易が非常に好調だったこと。
その理由は
1.米国が導入する追加関税を前にして、輸出企業が輸出を前倒ししたこと。
2.人民元が対ドルで安くなっているため、輸出競争力が強まっていること。
の二点だと思われます。
対米輸出はドルベースで前年同月比14%増、前月13.2%増から加速
米国からの輸入はドルベースで前年同月比1.2%減。2月以来のマイナス
対米貿易黒字は最高額を更新かな?とにかく、かなり伸びてます。
輸出が好調でしたが、物品別にみると以下のようになります。
とりあえず、ハイテク製品から繊維製品まで幅広く輸出が好調。
近年力を入れている集積回路も輸出が伸び始めてきている。
中国の貿易構造は徐々に進化しつつあり、米国との通商摩擦を上手く切り抜けている印象です。
ただし、問題もあります。
輸出に関していうと、対米輸出46693.5 対米輸入12562.8 差し引き34130.7
全体に対する輸出は 226,688.4 全体に対する輸入は194,995.4 差し引き31693です。
つまり、米国が中国に対して追加関税をかけているなか、
中国はより一層、米国への貿易黒字依存度を上げている
ということが、9月の中国貿易統計からはみえるのです。
このことは、米国が中国に対して関税措置を強化していくなかで対米以外の貿易相手国への黒字を稼ごうとしている中国にとっては誤算じゃあないのかと思います。
中国の貿易収支の黒字は米国依存です。
ぶっちゃけ、米国以外に対しては貿易赤字です。
今回、貿易黒字が膨らんだ理由は米国への駆け込み輸出増加の影響が大きいでしょう。
今後はその効果がはげ落ちてきます。
そういった意味で、中国の製造業はこれからが正念場ということになろうかと思われます。
以上。