【世界最長】港珠澳大橋が開通~珠江デルタにおける粤港澳大湾区構想~

世界最長55㎞の海上橋、港珠澳大橋が開通~珠江デルタの三都市をむすぶ総工費1兆8千億円の巨大プロジェクト~珠江デルタ(パールリバーデルタ)における粤港澳大湾区構想が進展へ~

 

世界最長の海上橋、港珠澳大橋が24日開通しました。

 

港珠澳大橋は、香港、珠海、マカオ(澳門)の珠江デルタ(パールリバーデルタ)の三都市を結ぶ全長55㎞(トンネル部含む)の世界最長の海上橋です。

港珠澳大橋により、香港とマカオは今までのフェリー移動に比べ移動時間が半分(1時間→30分)、香港と珠海は陸路4時間かかっていたものが45分で移動できるようになります。

 

 

 

港珠澳大橋と広深港高速鉄道

この港珠澳大橋の完成に先んじて、9月には中国本土広州と香港市街地を結ぶ高速鉄道「広深港高速鉄道」が完全開通しました。

この広深港高速鉄道の開通で、西九龍駅~広州南駅間は約47分で結ばれることになり、これは今まで約2時間かかっていた香港ホンハム(紅磡)駅~広州東駅間より半分以下の時間での移動になります。(実際には広州市街地から広州南駅まで離れているため、その移動も考慮する必要がありますが。)

 

 

 

広州白雲国際空港のターミナル拡張と港珠澳大橋

なお、港珠澳大橋の開通に先立ち、広州白雲国際空港のターミナル拡張も行われました。

広州白雲国際空港はやや珠江デルタ(Pearl River Delta)からは離れていますが、FedExの中国・アジア太平洋地域全体をカバーするハブ空港が設置されており、構想では5つの滑走路を用意した非常に巨大な空港となる予定になっています。

広州白雲国際空港は昨年の旅客数が6600万人、伸び率が10.3%に上り、この調子でいくとターミナル、滑走路ともにキャパシティを超える可能性があるといわれています。

新ターミナルの完成でこの改善をすることになります。

 

 

 

香港国際空港、深セン宝安国際空港と港珠澳大橋

広深港高速鉄道と港珠澳大橋の双方が結ぶ香港国際空港、および深圳宝安国際空港は、物流大手のUPS利用するハブ空港となっています。(注:いまは深圳宝安国際空港だけかも?)

港珠澳大橋の完成により珠海方面とのアクセスが向上し、これらの空港における利便性が一気に向上することが期待されます。

 

 

港珠澳大橋の完成で粤港澳大湾区構想はまだまだ続く

港珠澳大橋が完成したことでパールリバーデルタ(珠江デルタ)の都市を結ぶ粤港澳大湾区構想には一定のめどが立ちました。

今後は、深圳宝安国際空港の滑走路拡張、広州白雲国際空港の滑走路拡張などが予定されています。

また、広州にもう一つ、空港を造る計画もあるようです。

米中貿易戦争は激化の一途をたどっていますが、中国は粛々とやることをやり、効率化、競争力向上に邁進しています。

 

なお、今後もパールリバーデルタ(珠江デルタ)におけるプロジェクトに新しい動向があり次第、このページに纏めていきたいと思います。

今回は以上になります。(この記事は2018年10月27日に書きました)