【統計】ルクセンブルク大公国の一人当たりGDP【グラフ】
ルクセンブルク大公国の一人当たりGDP
ベルギー、オランダと合わせてベネルクス三国と言われるルクセンブルクですが、この国の経済はベルギーやオランダよりも、リヒテンシュタインなどの経済に似ています。
ルクセンブルクの一人当たりGDPは昔から非常に高く、現在でも10万ドルを超えています。
ルクセンブルクとクリアストリームと資金洗浄
これは、同国に拠点を置く国際決済機関クリアストリーム(セデル)が匿名口座の開設を容認していたことに起因します。
アンドレ・リュシがクリアストリーム代表取締役を務めていた時代には、この匿名口座が特に大量に乱発されたことで、銀行だけでなく軍需産業、重工業、プラントメーカーなど、大型の商談を発展途上国向けに行う企業が多数口座を開設。
また、世界の政財界の要人も口座を持ち、不透明な資金のやりとりを繰り返します。
これが表に出てきたのがクリアストリーム事件です。
この事件によりフランスの政界の要人が外国(具体的には台湾)からの裏金、賄賂を受け取っていたことが発覚。
ルクセンブルクはこの件で非常に強い批判を受けました。
タックスヘイブンとしてのルクセンブルク
ルクセンブルクは非常に低い税率で有名で、欧州連合EUで活動したい外国企業の足掛かりの場ともなっています。
このため、ルクセンブルクに対してはEU内部からも批判が強く、その不透明な金融決済機能とあわせ、強い批判の対象になってきました。
しかし同時に、欧州の政治家の裏金口座を握っていることから政治家側も強く出られず、アンタッチャブルな存在として君臨しているのがルクセンブルクの特徴です。
ルクセンブルクの一人当たりGDPがやや低下中
しかしさすがに近年になってこの状況に変化が見られます。
欧州債務危機後は特に、匿名口座やその資金の出入りについてルクセンブルクへの締め付けが厳しくなっています。
欧州の金融機関も総じて元気がなく、そのことがルクセンブルクの一人当たりGDPの推移からもなんとなくみえてきます。