サムスン電子の2018年Q4決算は前年同期比28.7%営業減益
韓国のサムスン電子が2018年Q4決算ガイダンスを発表、前年同期比28.7%営業減益前期比38.5%営業減益となりました。
この発表のなかでサムスン電子はDRAM、NANDのどちらも価格が低迷したことを報告しています。
DRAM価格は9月の8.19ドル(DDR4 8Gb)をピークに下落中、11月には7.19ドルにまで下落しています。
先んじて低下傾向を示していたNANDにあわせてDRAMも落ち始めたことでサムスン電子の業績は低迷。
ここに昨年から続くスマートフォン事業の苦戦も相まって、大幅な減益となりました。
この数字はアナリスト予想も大きく下回っており、同社の苦戦ぶりを表しています。
なお、細かいセグメント別の数字などは本決算をみないとわかりませんので何とも言えません。
今回はあくまでも決算先取りみたいな位置づけですから、大まかな数字しかわかりません。
(in trillion won) | 2018.4Q est | 2018.3Q | 2017.4Q | 前期比 | 前年比 |
Sales | 59 | 65.46 | 65.98 | -9.868622059 | -10.57896332 |
Operating profit | 10.8 | 17.57 | 15.15 | -38.53158793 | -28.71287129 |
サムスン電子のDRAM事業低迷の背景にインテルのサーバー向けプロセッサの歩留まり悪化が影響か?
細かい数字がみえないのでなんともいえない部分はあるのですが、サムスン電子の2018年Q4の業績悪化は、DRAM事業の悪化による部分が大きいと思われます。
インテルのCPUは14nmから10nmプロセスルールへの変更に手間取っており、歩留まりが悪化中です。
これにより、自作PC市場のCPUが足りなくなっているのはパソコン好きなら気づいている方がほとんどだと思われますが、実のところサーバー向けも足りていないとのことです。
インテル製CPUが足りない?~マイクロンテクノロジーCEOコメント~
というわけで、業界団体のデータやデータセンター事業各社の設備投資などの資料をみても、ここもと投資がギザギザのノコギリ型になっています。
これは、プロセッサが足りないことに起因すると見ていましたが、見事にDRAM価格に影響してきたな、という感じがします。
サムスン電子のDRAM事業低迷は来年夏ころまで続く?
さて、このようにQ3あたりからデータセンター向けDRAM出荷に足かせが嵌った状態におかれた半導体各社ですが、果たしてこれはずっと続くのでしょうか?
個人的にはそうは思いません。
たぶん、今年夏あたりまでにはインテルの生産は軌道に乗ると思われますし、そうなればサーバー需要も回復するのでは、と見ています。
もちろん、その時の経済環境が深刻なレベルに落ち込んでいればまた別ですが、今の経済環境をみるかぎり、単純なシクリカルな循環で済むとみています。
サムスン電子の株価推移
サムスン電子の株価はこの業績発表を受けて大きく上昇しましたが、引けにかけては伸び悩み、下落で終わりました。
出来高はさほどできていません。
市場はもう一段の下落を見ている節があると思います。
長期的に見れば割安感の漂う水準ですが、できればもう一段下げたところで仕込みたい、循環の底をみたい、という感じでしょうか。
以上、あくまでも個人的な見解であり、投資を勧誘するものではありません。
投資にあたっては自己責任でお願いいたします。