エボラブルアジアの業績を見てみよう~エアトリステイにAirbnb(エアビー)が出資~
吉村 英毅社長ひきいるオンライン旅行事業OTA(Online Travel Agent)の中堅・エアトリ(旧DeNAトラベル)を展開するエボラブルアジアの業績をみてみましょう。
とりあえず、その業績をみる前に、エボラブルアジアの企業紹介をいたします。
エボラブルアジア(旅キャピタル)の会社説明は書きかけです。
ここからは、エボラブルアジアの業績をみていきます。
なお、以下の記事は2018年11時ころに書きました。株価や決算数字などはその時点で得られる数字の範囲で書いています。投資に当たってはご自分で最新のデータをご確認の上されるようお願いいたします。
まずは以下をごらんください。
エボラブルアジアの2018年9月期第3四半期の業績は、売上が59.2%増、営業利益は赤字転落、経常利益は赤字転落、親会社株主に帰属する四半期純利益も赤字転落、1株当たり四半期純利益は26.92円の赤字、自己資本比率17.8%
数字だけみると、非常に業績が悪い。
なにがあったのでしょうか。個別セグメントでみてみましょう。
エボラブルアジアの業績を報告セグメント別にみたものが上記となります。
オンライン旅行事業の赤字転落が目を引きます。
これは、DeNAから買収したOTA事業エアトリのブランディングコスト(テレビCM等広告など)に多額をかけているからだと思われます。
これは、同社が以前から展開していた旅proや空旅のブランドをエアトリのブランドに統合していく中でどうしても避けられないコストなのだと思います。
自分はテレビはニュースなど以外あまり見ないのですが、エアトリのCMをよくやっているそうで、Googleトレンドなどをみてもアクセスが増えているのだとか。
なお、DeNAトラベル買収によりエボラブルアジアの資産、負債はともに大幅増加。とくに有利子負債が急増しており、自己資本比率も17.8%まで低下しています。
DeNAトラベルは2018年3月期に営業損益が19億円の赤字だったそうなので、OTA事業エアトリはエボラブルアジアの業績をしばらく下押しする可能性があります。
なお、DeNAトラベル買収により、エボラブルアジアはOTA(Online Travel Agent)だけでなく、BTM(ビジネス・トラベル・マネジメント/Business Travel Management)事業も拡充。エアトリBTMはBTMクライアントを大幅に獲得し、これをてこに経費精算システム世界最大手のコンカー・テクノロジーズの日本子会社と提携しています。
また、エアトリの民泊仲介ビジネスエアトリステイはAirbnbと提携、資本出資を受け入れることを表明しています。
市場の評価は芳しくありませんが、同社の経営はそれほど的を外したことをしているわけではないと、個人的にはみています。
エボラブルアジアの旅行業以外の業績も見ていきましょう。
ITオフショア開発は順調に推移しているように見えます。
投資事業は、なにをやっているのかサッパリわかりません。
ぶっちゃけた話、投資事業は今がピーク近辺ではないかと感じます。
これは自論になりますが、現在の未公開株市場は超絶金融緩和が生み出したあだ花だと思っています。
プラザ合意後の土地神話とウォーターフロント銘柄の活況、財テクブームに似たものを感じます。市場で取引されない、価値がよくわからないものを投げ合って、価値を吊り上げているだけにみえます。これは永続性がない、と思います。
永続性がないものを基準に価値を推し量ることは不可能です。不確実性が高すぎて、現在価値に置き換える計算ができません。
個人的には、そういった意味から投資ビジネスに傾斜する企業が嫌いです。同社もそのたぐい。ですので、自分はエボラブルアジア株への投資は現時点においていっさい考えておりません。
とりあえず、エボラブルアジアの株価チャートもみてみましょう。
株価はこの決算を受けて大幅に下落しています。
個人的には、この決算の数字には納得できます。
ただ、エボラブルアジアに投資したいとは感じていません。先ほども申しました通り、投資事業でババ抜きしあっているように感じるからです。
そういう会社経営は好きではありません。
例外としてテンセントやアリババなどのようなプラットフォームを握っている企業ならまだわかります。彼らは自社に取り込んだゴミに金箔をほどこして世に送り出すためのプラットフォームを持っています。そういったシステムを持ち合わせていないのなら、多くの企業にとって投資事業は危険極まりないものです。本業から離れたことをするなら、投資家にカネを返したらいいと思います。
なお、べつに吉村英毅社長をdisりたいわけではありませんのであしからず。彼はとても急いでらっしゃる。やりたいことがいっぱいあって、早く大きくなりたくて、ちょっと急ぎ過ぎているように思います。それはそれでいいと思います。あとは信者がちゃんとついていけるかどうか、です。大きな循環的な下降局面にあっても、ちゃんと信者がついていけるか・・・太い金づるがあるかどうか。そこだけが、個人的には不安に感じるわけです。
とりあえず、以上になります。
なお上記はあくまでも中卒くん個人の見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資に当たっては自己責任でされるようお願いいたします。