【7408】ジャムコ(JAMCO)の業績・決算と株価~航空機内装品の検査不正で揺れるメーカー

【7408】ジャムコ(JAMCO)の業績・決算と株価~航空機内装品の検査不正

今回は、航空機内装品の大手メーカー、ジャムコ(JAMCO)についてみていきます。

ジャムコ(JAMCO)は目下、製品の検査不正問題に揺れています。

国土交通省の立ち入りにより、無資格者による不正検査で製品を出荷していたことが発覚。

今後、不正検査が他の部署でも広がる可能性も広がっており、業績への下押し圧力も懸念される状況となっています。

そんなジャムコ(JAMCO)について、まずは事業内容から見ていきましょう。




 

 

ジャムコ(JAMCO)の事業内容

ジャムコ(JAMCO)の事業内容は、航空機内装品、航空機シート、航空機器製造、航空機整備となっています。

それぞれ以下のような製品を作っています。

  • 航空機内装品・・・ギャレー(厨房)、ラバトリー(便所・化粧室)など作ってます。
  • 航空機シート・・・シートです。エアバスやボーイング向けにスタンダードからプレミアムまで幅広くシート作ってます。
  • 航空機器製造・・・エンジン部品、熱交換器、炭素繊維部材、構造部材などを作っています。
  • 航空機整備・・・そのまんま、機体整備やってます。

 

 

ジャムコ(JAMCO)で検査不正発覚

なお、ジャムコ(JAMCO)は先ほども書いた通り、目下、不正検査疑惑に揺れています。

これは国土交通省が抜き打ちで査察に入った宮崎ジャムコで発覚したもの。

必要な検査資格をもった人員を配置しておらず、検査資格のない人が勝手にハンコを押して検査合格として処理していたとのことです。

こうした検査不正の手口は日本車メーカーで大量に発覚してきましたが、もはや自動車だけでなく日本の製造業企業の隅々まで浸透している悪弊のようです。

とりあえず、今回問題が発覚したのは宮崎ジャムコでしたが、今後は国土交通省がすべての事業所に立ち入りを行うとみられ、ジャムコでの検査不正の発覚が相次ぐ可能性が出ています。

 

 

 

検査不正発覚の宮崎ジャムコは赤字体質

https://twitter.com/chu_sotu/status/1110580184078376960

なお、こちらにジャムコの拠点図を載せておきます。

今回不正行為が発覚したのは宮崎ジャムコですが、シートの組み立てと部品の製造をしている100%出資先の子会社だそうです。

ここもとの業績はあまり芳しくなく、赤字体質となっています。

検査不正を行って生産性をあげているにもかかわらず赤字体質なのだとしたら、真面目に検査をやったらもっと赤字が出るということでしょうか。

色々オツカレって感じですね。

 

 

ジャムコ(JAMCO)の2018年Q3業績・決算

ここからはジャムコ(JAMCO)の業績を見ていきます。

https://twitter.com/chu_sotu/status/1110582271109554176

ジャムコ(JAMCO)の2018年Q3業績は、売上は大きく伸びましたが、営業利益は8.7%減と低迷しました。

工事損失の引当金の影響が871百万円の押し下げ要因となっているため、この影響を除けば好調に推移したとみて良いと思います。

特殊要因を除けば、だいたい20%弱の営業利益の伸びだったのではないでしょうか。

 

ジャムコ(JAMCO)のセグメント業績

 

前年

https://twitter.com/chu_sotu/status/1110582438772633600

 

今年

https://twitter.com/chu_sotu/status/1110582539490459648

 

ジャムコ(JAMCO)のセグメント業績、前年と今年の比較です。

ご覧の通り、シート事業部門や航空機器等製造部門は赤字体質です。

自動車にしても航空機にしても、シートは儲からない事業になりつつあるように思います。

参入障壁の問題でしょうか。

営業赤字がセグメント売上の20%近くに達しており、抜本的な止血が必要なのではないか、と思われます。

なお、ラバトリーやギャレーなどの製造部門は好調のようですが、先に書いたように工事引当金を積んだことで業績が一時的に落ち込んでいます。

 

 

ジャムコ(JAMCO)の株価

 

週足

 

日足

 

んー・・・ジャムコ(JAMCO)の株価には、特別な割安感はないと感じます。

とりあえず、バリュエーション的に見ればそこそこ成長株ですね。

短期的にみるとPER32倍程度

中長期的な成長力に期待を込めてPER23倍くらいでしょうか。

ただ、今回の検査不正問題が全社的な問題に発展するとなるとコストが大きくふえることになるので色々と厄介です。

注意が必要かと思われます。

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資は自己責任で行うようお願いいたします。

以上。