【4343】イオンファンタジーの業績・決算と株価~イオンのなかのゲームセンター運営

【4343】イオンファンタジーの業績・決算と株価~イオンのなかのゲームセンター運営

 

今回は、イオンの店舗内でゲームセンターやクレーンゲーム機などを運営しているイオンファンタジーについてみていきます。

イオンファンタジーはここもと店舗を急拡大していますが、その多くが日本ではなくアジアです。

これは、親会社イオンの店舗展開に合わせて子会社の同社も展開しているからなのでしょうが、

しかし、アジアでは日本国内でのビジネスモデルが上手く導入できず、利益が安定して出せない地域が多いようです。

とりあえず、そこら辺の事情もふまえながら、イオンファンタジーの事業内容からみていきましょう。




 


イオンファンタジーの事業内容

イオンファンタジーの事業内容は、おもにイオンの店舗内におけるゲームセンター運営です。

また海外ではフランチャイズ方式でゲームセンターの運営を行っています。

同社は現在、国内売上比率が81%と国内市場に大きく依存した経営を行っていますが、

今後は国内市場が少子高齢化するなか、海外市場の開拓を急いでおり、

2025年には国内と海外の売上を半々、それぞれ1250億円ずつの売上とする目標を持っているとのことです。(2017年海外売上137億円)

 

イオンファンタジーの海外展開

 

イオンファンタジーは上でも書いた通り、海外事業の拡大に積極的です。

同社のここもとの出店ペースの速さには目を見張るものがあります。

 

この積極的な出店攻勢を受け、同社の店舗数は急拡大しています。




 

いっきに店舗数を増やしたので、およそ店舗数の半分が海外事業となっています。

 

しかし、実際にはさほど儲かっていない、というのが現実です。

 

つまり、イオンファンタジーは現在、投資フェーズにあるということ。

将来大きく儲けるために、現在は種をばら撒いている状態。

ただ現在は明らかにこの投資は資本コストに見合っておらず、上記の数字をもとにするなら、投資としては現時点では失敗と言えると思います。

 

 

イオンファンタジーの2018年Q3決算・業績

店舗数増加によって売り上げは伸びています。

が、利益は大きく減少しています。




 

 

イオンファンタジー セグメント別業績

セグメント別にみると、中国事業の赤字が急拡大しているのがわかります。

これは季節要因によるものだと会社側は説明していますが、たぶん違うでしょう。

中国の個人消費の減退と、もう一つは経営ミスじゃないかと思います。

販管費の管理がうまくできていないようにみえます。

 

なお、国内事業が急激に稼げなくなっていますが、これは商品構成比でみても明らかです。

プライズマシン部門(クレーンゲーム)以外すべてマイナスです。

とくに粗利の大きいカードゲームの減退が痛いところ。

この傾向は長引いており、次のブームまで待つしかない状況にあります。

 

イオンファンタジーの株価

日足

週足

 

イオンファンタジーの株価は、ひと相場おわったチャートの形を示しています。

幾らか戻ることはあっても、高値をトライしていくような相場にはなりえないんじゃないかなぁと感じます。

そもそもこの2018年の高値は、同社の経営に対する過度の信頼があったように思います。

所詮親会社がイオンで、その利害のために振り回される子会社でしかないイオンファンタジーなのに、アセアン展開で大きく成長するように勘違いされてきたのが2016年からの相場だったように思います。

今はその夢はほとんど消えていますし、いろいろ厳しそうだなぁと感じます。

 

なお、今こういったチャートパターンはアメリカの小型株には多く散見されます。

いろいろ比較してみてみるといいです。

 

以上、短評おわります。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解です。

特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任でされるようお願いいたします。

以上です。