【4577】ダイトの業績・決算と株価~富山県の原薬・製剤メーカー

【4577】ダイトの業績・決算と株価~富山県の原薬・製剤メーカー

 

今回は原薬製造販売のダイトについてみていきます。

ダイトはお薬の原料になる原薬をジェネリック薬メーカーなどに販売するほか、製造の委託を受けて販売している企業です。

富山県地盤の企業らしく、非常に堅実な財務と業績推移をしています。

とりあえず、まずはダイトの事業内容からみていきましょう。




 

 

ダイトの事業内容

ダイトの事業内容は主に二つ

「原薬の製造」と、「製剤の販売」です。

化学物質を反応工程、精製工程、粉砕工程などを経て原薬を製造しジェネリック薬メーカーなどへ販売するほか

さらにその原薬から製材工程(打錠工程、造粒工程)、包装工程などを経て製剤化まで請け負い、相手先ブランドで卸すのがダイトのビジネスです。

半導体などでいえば、受託生産みたいなものでしょうか。

 

ダイトは富山県地盤の企業らしく、非常に堅実な経営を指向している企業です。

同社の取引先最大手はジェネリック薬の日医工ですが、それでも売上の10%程度でしかありません。

他のメーカーとも幅広く取引することで、一つの事業者に影響されないビジネスを展開しています。

近年では国内だけでなく海外、とくに今後急速に高齢化が進むとみられる中国への投資を拡大しており、原料の調達から製造販売に至るまで、中国シフトを進めていこうとしているようにみえます。

また、ジェネリック薬品メーカーがバイオシミラーなどに積極的に投資して既存のラインへの投資を減らしていくなかで、ダイトはどちらかというと古臭い、枯れた技術を中心に製造効率を引き上げる方向にあるようにみられます。

こうした戦略の違いが、今のところ上手く機能しているようにみられます。

 

ダイトの事業リスク

ダイトに関して事業リスクを上げるとするなら、薬価引き下げが一番影響が大きいと思われます。

日本政府は医療費の抑制のため、薬剤費を低減させるようにジェネリック医薬品メーカーに圧力をかけています。

以前は二年に一度だった薬価改定も現在は1年に1度に修正。

かつてよりもジェネリック医薬品メーカーは稼げなくなっており、ジェネリック医薬品メーカーを顧客にしているダイトにとっても、これは死活問題です。

 

 

ダイトの企業統治上の問題~持ち合い株・政策保有株が多すぎる

ダイトは、各医薬品メーカーと株式の持ち合いを行っています。

こういったやり方は企業統治上好ましいことではないはずです。

そもそもにおいて、資本関係にあるから取引上有利になるというのであれば、当該株主を優遇する分、他の株主の利益極大化を阻害する行為になりがちです。

保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式が貸借対照表上に28.74億円も載っている状態というのは、明らかに企業統治上問題があると思われます。

この点は改善の余地があるはずです。

 

 

 

 

ダイトの業績推移

ダイトの業績推移は以下の通り堅調です。

この間、薬価改定の影響などもありましたが、売上、利益ともに右肩上がりで成長させています。

 

 

 

ダイトの2018年Q3決算・業績

ダイトのQ3決算は上記の通りポジティブです。

Q2までは増益率が一桁前半でしたから、Q3でいっきに上昇したのが好感されています。

売上高が増加している一方で、売上原価は抑制されています。

売上総利益はしっかり伸びています。

営業費用に関しては、販管費を昨年よりも絞っています。

営業利益は大きく伸びています。

非常にまじめなコスト管理をしている企業だと思います。

 

 

ダイトの株価

ダイトの株価はQ3決算発表後、ストップ高となっています。

業績は悪くないのですが、株価的には目先ボリュームゾーンにかかっており、戻り待ちの売り物も出やすい展開かと思われます。

以上です。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。

以上です。