【6572】RPAホールディングスの決算・業績と株価
今回はRPAホールディングスについてみていきます。
RPAホールディングスは、いま話題のRPAを利用した経営改善を提案するコンサルティングビジネス企業です。
とりあえず、今回はRPAとはなんぞや?といったところから解説していきたいと思います。
まずは事業内容から見ていきましょう。
RPAホールディングスの事業内容
RPAホールディングスはRPAを利用した顧客企業の経営改善と、事務作業の受託、アフィリエイト広告の運営などをしている企業です。
会社側が決算時に報告するセグメント別にみると以下のような分類になります。
- ロボットアウトソーシング事業・・・主力のRPA事業
- ロボットトランスフォーメーション事業・・・アフィリエイト広告、人材サービス事業
- その他・・・コンサルティングなど
ここで注意が必要なのはロボットトランスフォーメーション事業ですね。
名前は仰々しいですが、やってることは医療関係アフィリエイトサービスです。
子会社の「セグメント」が提供する「PRESCO」がメインとなっています。
主要顧客には医療情報系のエムスリーなどがあります。
とりあえず、たんなる人材紹介アフィリエイトであって、ロボットとかあんま関係ないと思います。
紛らわしい分類をするあたりに、やや香ばしさを感じますね。
なお、その他セグメントではマーケティング、コンサルティングなどを行っています。
ここにはオープンアソシエイツなどの子会社が含まれると思われます。
RPAホールディングスの展開するRPAとは?
RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーション/Robotic Process Automationの略
単純に言ってしまえば「事務作業を効率化するための高度なマクロ処理」みたいなもんです。
これまでのマクロ処理と違うところは、スキャナやCCDなどで文書を読み込んで、AIを利用したOCRで解析したり、自動応答サービスを組み込んだりしたところでしょうか。
ある意味、昔から使い古された技術の寄せ集め的なものなんですが、これが2010年代に欧米でヒット。
海外で広く利用され始めたRPAを日本語環境にスムーズに導入するのが、RPAホールディングスのお仕事となっています。
RPAホールディングスにおいてロボットアウトソーシング事業を行っているのは、主にRPAテクノロジーズとRPAエンジニアリングです。
RPAテクノロジーズが顧客との折衝し、企画開発を担当。
RPAエンジニアリングがそれをもとに導入支援の実務を行うというプロセスを行っています。
この導入支援の際には、同社が開発しているBizRobo!やScanRoboのほか、Blue PrismやNICEなどの他社製RPAソフトウェアも利用。
いうなれば、多様なメーカーの工作機械やロボット、搬送機械を利用して工場のライン設計を担当している企業の事務バージョンがRPAホールディングスと言えると思います。
RPAホールディングスの2018年Q4決算と業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1120162615404056577
RPAホールディングスの2018年Q4決算は上記の通りとなっています。
売上、利益ともに非常に伸びています。
損益計算書をみると以下のようになっています。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1120162679878897665
売上はほぼ2倍、売上原価もほぼ2倍、売上総利益もほぼ2倍、販管費もほぼ2倍、営業利益もほぼ2倍・・・となっているのがわかります。
つまりスケールメリットのようなものは働いておらず、あくまでも投入した労働力に応じて利益が比例して伸びる…みたいな感じでしょうか。
同社の置かれたポジションは悪くないのですが、ビジネスモデルとしては、この点にはやや難点を感じます。
各セグメントの業績は以下のようになっています。
RPAホールディングスのセグメント業績
前年
https://twitter.com/chu_sotu/status/1120162826419494912
今年
https://twitter.com/chu_sotu/status/1120162777513873408
主力のRPA事業が属するロボットアウトソーシング事業も、アフィリエイト広告が主体のロボットトランスフォーメーション事業も、同じように伸びています。
RPAホールディングスの株価
日足
RPAホールディングスの株価は決算の上方修正予想などを受けて大きく上昇。
高値でもみ合っていますが、いぜんとして人気を保っています。
現在の株価はバリュエーションでみればPERは260倍超と決して安くはありませんが、同社の高い成長力を期待した株価ということになるでしょう。
将来的にどの程度のバリュエーションが妥当なのか?という点で行くと、毎年2倍のEPS成長をしていったとしてみると、丸4年先のEPSがだいたい一株320円程度になります。
現在の株価は5330円あたりですから、だいたいPERで16.65倍程度。
このあたりならまぁ、一般的な株価といえるでしょう。
つまり、現在のRPAホールディングスの株価は、EPS2倍を4年安定して継続することが前提となっているように思います。
同社の収益構造は、先ほども書いたように、投入した労働力に比例して利益が伸びるようになっています。
スケールメリットが活きるような事業構造になっていません。
つまり、RPAホールディングスは、事業をここから4年で16倍にできるなら、今の株価は妥当だと言えますが、そのためには労働力も顧客の規模も16倍にする必要があるでしょう。
あとはそれが実現可能かどうか、そこへの認識で高いか安いか、考えたらいいと思います。
個人的な意見としては、事業の構造からして非常に大変だろうなとは思いますが、まぁ、頑張ってください。
以上です。
とりあえず、上記はあくまでも個人的な見解です。
特定の投資スタンスをおすすめするものではありません。
投資する際には自己責任で行うよう、お願いいたします。
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