【倒産】ブリティッシュ・スチール経営破綻で潤う企業は？

ブリティッシュ・スチールが倒産

ちょっと前のニュースになりますが、

英国のブリティッシュ・スチールが経営破綻しました。

ブリティッシュ・スチールは数年前、タタスチールから分離して放り出された企業です。

もとより非常に弱い企業でしたが、ここまでどうにか耐えてきた企業でした。

ブリティッシュ・スチール経営破綻の直接の原因はカーボンオフセットをめぐるクレジットの問題だと言われています。

鉄鋼メーカーや発電所などは、鉄鋼製品だけでなく、排出権の取引も行っています。

ブリティッシュ・スチールは期初に割り当てのクレジットを売却し、

それを安いところで買い戻しする取引を行っていたとのことです。

ところが2018年はこの排出権のクレジット価格が期初に比べて急騰

およそ期初の5倍に跳ね上がったということ

そして、さらに悪いことに、英国のブレグジット問題によって、EUからクレジットの付与がされなくなってしまいました。

つまり次の期初に売却してキャッシュを手当てすることができなくなったということ。

これで買い戻しして返済することが困難になり破綻したといわれています。

しかし、本質的な問題としては、これまでの過少投資が祟ったことと、欧州市場の競争の厳しさが一番の問題だと思われます。

質問箱に以下のような質問が来ていました。

https://twitter.com/chu_sotu/status/1132636958092488704

ブリティッシュ・スチール破綻で日本メーカーで恩恵あるとこあるか？

って質問です。

いつも質問箱のご利用ありがとうございます。

結論から言わせていただければ、たぶんブリティッシュスチールの破綻で大きく潤う企業は無いと思われます。

理由は、鉄鋼メーカーの多さ。

ブリティッシュスチールは世界的にみれば極端に規模が小さいです。

ぶっちゃけ、欧州市場でも競合他社で潤う企業はほとんどないでしょう。

ブリティッシュ・スチールの製品は特殊用途じゃありませんし。

日本市場まで流れてくる製品もほぼないでしょう。

とりあえず、この業界は過当競争すぎます。

日本の高炉は技術の高さを売りにしていますが・・・

結局シクリカルな動きからは逃れられないように思います。

以上です。