ボトックス注射のアラガンを製薬大手アッヴィが買収

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ボトックス注射のアラガンを製薬大手アッヴィが買収

 

アッヴィ、630億ドルでボトックス注射のアラガンを買収へ

米バイオ医薬品大手のアッヴィが、ボトックス注射で有名なアラガンを買収すると報じられています。

買収価格は約630億ドル。

現金と株式交換をあわせた買収スキームとなっており、

アラガン1株につき現金120.3ドルとアッヴィ株0.8660株が割り当てられるということです。

これはプレミアム45%載せの水準とのこと。

AbbVie to buy Allergan in a $63 billion drug deal

 

アッヴィ株は15%安、アラガン株は27%弱上昇

この報道を受け、6月25日の相場ではアッヴィ株が下げる一方、アラガン株は上昇しています。

現在日本時間1時過ぎですが、今の株価は以下のようになっています。

 

(みぎのほう、ABBVとAGNというのがアッヴィとアラガンです)

素直に、買収で負担となる買い手側を売り、得なディールを受け入れた売り手側アラガンを買う動きとなっています。

 

 

 

ボトックス注射のアラガン、ファイザーによる買収がとん挫し株価長期下落中だった

 

今回買収されるアラガンですが、ここもと大きく株価が下落していました。

この一番の理由はファイザーによる2016年の買収断念によるものと思われます。

アラガンはアイルランドに拠点をおく企業で、税率が12.5%?という非常に低い水準にある企業です。

一方でファイザーは世界有数の高税率国であるアメリカの企業です。

ファイザーはアラガンを買収し、拠点をアイルランドに移すことで節税をしようと試みます。

これに対して、アメリカ政府と議会はこうした節税策を妨げる法案を成立させ、節税目的の買収には懲罰的態度をとる方針を導入しました。

これによりファイザーはアラガンを買収するメリットがなくなり、買収プレミアムを期待して上がっていたアラガン株も長期低落傾向を示しました。

 

今回、アッヴィは買収にともない本社移転はしないと明言していますが、こうした背景には、政府に目を付けられたくないという意図が働いているものと思われます。

 

 

ボトックス注射で有名なアラガン

ここでアラガンについて簡単に説明しておきます。

アラガンの主力製品はボトックスです。

美容整形にもちいるとシワが消える、というものです。

 

細菌兵器としてもつかわれるボツリヌス菌の毒素を取り出し、それを薄めてシワの部分に使うと、筋肉が弛緩してシワができにくいそうです。

プチ整形の流行などによって、このボトックスを利用する人も増加。

しかも半年に一度程度は継続して利用しなければ意味がないとも言われ、アラガンの収益の下支えとなってきました。

 

近年ではボトックスによる抗うつ治療や過活動膀胱治療、ED治療、顔面痙攣や眼瞼痙攣などの治療も試みられており、一定程度の効果をみせているそうです。

 

 

 

 

アラガンの乳房インプラントに血液ガン発症リスク

なお、アラガンはボトックス注射以外にも、ゲル充填人工乳房の開発なども行っています。

これは乳がんなどで乳房の全摘手術が行われた患者さんのために行われる乳房再建術などに使われるもので、

日本では「ナトレル ブレスト・インプラント」「ナトレル 410 ブレスト・インプラント」が薬事承認されているそうです。

ですが、この人工乳房に悪性リンパ腫の可能性が指摘されており、実際に実例も複数みつかっているのだとか。

 

 

 

アラガンが得意とするボトックス市場にライバル

なお、近年ではアラガンが得意とするボトックス市場にも、エボラスの「ジュボー」などのライバルが登場してきています。

価格もアラガン製品よりかなり安いそうで、プチ整形を期待する人々の選択肢は広がっているようです。

また韓国などでもボトックスと同じようなものが出ているそうで、こういったこともアラガン株の下押し圧力となってきました。

 

 

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アラガン株の買収はEV/EBITDAでみて10倍ちょっとの水準。

アッヴィは再度アラガンを成長軌道にのせることができるか、そこが試されています。

以上。