2018年04月鉱工業生産速報1
前年比で出荷、在庫ともに上昇。
在庫循環でみると第一象限です。
先月は出荷が前年比ゼロでしたので、そこから大幅に回復することになりました。
中国の春節が攪乱要因になっている可能性があります。
とりあえず、いつものように個別の財についてみていきましょう。
以下は直近12カ月と前年度の同じ月を出荷に関して%で比較したものです。
なお、先月分はこちらです。
まず鉄鋼からみていきましょう。
鉄鋼分野はまちまち。
主力製品である普通鋼冷延広幅帯鋼や普通鋼鋼帯が四か月連続のマイナス継続。自動車生産に翳りがみえているからか。一方で普通鋼鋼板増加なので、全産業ベースではさほど落ち込みはないはず。
普通鋼熱間鋼管、特殊鋼熱間鋼管などは増加
H形鋼は順調。建設需要は今のところ大丈夫。
特殊鋼冷間仕上鋼材、鍛鋼品など増加していることから、精度を求められる産業は好調といえそう。
鋼矢板は長く不振なことから、大型の土木事業はこれ以上行われない模様。レンタル各社にも影響。ジェコスなど。
鋳鋼品、銑鉄鋳物などが好調なことから、産機分野などはまだ伸びそう。
アルミニウム板製品が4か月マイナス継続。工作機械や半導体製造装置などは好調、輸送用機器もそこそこ悪くないはずなのにアルミが売れない理由は、建材用途がダメってこと?
機器用絶縁電線(輸送機器用を除く)が好調。工作機械や半導体製造装置向け需要好調。
逆に、輸送機器用絶縁電線は6か月連続のマイナス。自動車産業などが振るわない。
アルミ鋳物、アルミダイキャストがそこそこ好調を維持しているので、自動車部品の製造は好調かも。海外での組み立てを前提にしているか。
鉄骨は5か月連続の上昇だが、軽量鉄骨は6か月連続の下落。ある程度おおきな建築物は需要があるが、小さな事務所や集合住宅向けは落ちてきている可能性あり。
木造住宅用アルミサッシ、ビル用アルミサッシともに出荷はプラスに転換したが、トレンドが底を打ったようにはみえない。
アルミ、スチールともにエクステリアやドア、シャッターなどがここもと弱い動き。
ガス湯沸かし器が相変わらずの好調。高効率なハイブリッド給湯器が売れているからだと思われる。リンナイ、ノーリツなど。
溶接金網がずっとマイナス基調。鉄筋コンクリが流行らない。工期短縮のため鉄骨増が増えている。
超硬チップは相変わらず好調。工作機械の使用時間が増えているということ。製造業が好調ということ。
油圧ポンプ、油圧モータ、油圧シリンダ、油圧バルブが好調持続。建機や重機の出荷が好調ということ。コマツ、日立建機など。
次につづきます。