2018年03月鉱工業生産速報
前年比で在庫が伸びる一方、出荷が変わらずとなりました。
在庫循環的にみると、「意図せぬ在庫増局面」ということになります。
これは、短期的には景気のピークを意味します。
とりあえず、いつものように個別の財についてみていきましょう。
以下は直近4か月と前年度の同じ月を%で比較したものです。
まず1枚目
鉄・アルミなど基礎的金属素材は総じて曇り空です。
粗鋼は横ばい圏、銑鉄は回復しました。
鋼矢板はリース向け需要がほぼ消え、大型土木の積み増しがこれ以上ないことを示しています。
鋳物系が強い動きなのは、大型のプラントや建機、重機などが強く推移することを示しています。
機器用絶縁電線が強めなのは、オリンピックなどに絡む再開発需要が大きいからだと思われます。
軽量鉄骨が弱く推移する一方、鉄骨の動きは良好です。中小型の商業用建設ではなく、物流倉庫なども含めて大型の建物が良好に推移していると思われます。
アルミニウムサッシ、ドア、エクステリアなどの動きをみると、建設需要はピークを打ったように思われます。
ガス湯沸し器の需要が堅調なのは、エコジョーズなど高効率タイプや、ハイブリッド給湯器などが国内外で良く売れているからだと思われます。
石油ストーブの出荷が堅調なのは、昨年よりも今年が寒かったからでしょう。
溶接金網(ワイヤメッシュ)が弱い動きをしています。建設需要の伸び鈍化を示しています。
超硬チップが堅調です。金属加工が好調に推移していることを示しています。
水管ボイラが好調なのがよくわからない・・・造船向け?それとも一般産業用途?
油圧ポンプ、油圧モータ、油圧シリンダ、油圧バルブなど油圧製品が絶好調。大型重機、建機の生産が好調ということ。
空気圧バルブ、空気圧シリンダが若干減速感あり。自動車産業の設備投資に一巡感?特に中国?企業としてはSMCなどに影響。
コンベヤの出荷がすごい。数年前から予想はしていたが、リニア工事の影響かもしれない。NCホールディングス(旧日本コンベヤ)に影響か。
一般冷凍空調用冷凍機が出荷減。低温物流用トラック需要が一巡?東プレに影響。
固定比減速機にピーク感。ロボットや工作機械の生産上限がネックになっている可能性。
クレーンに減速感。自動車など大型生産設備を必要とする工場の投資に勢いがない可能性。
建設用クレーンも減速。建設需要の鈍化を受けたもの。北川鉄工所などに影響。
軸受(ベアリング)の出荷もピーク感。設備投資などに減速感。
整地機械、ショベルトラックなどが高い伸び。重機、建機は相変わらず好調。海外需要の可能性大。
熱交換器(ラジエーター)も好調。これも同様に建機、重機向け。海外のインフラ整備、鉱山機械向けに好調なのだと思われ。
とりあえず端的にまとめると
- 重機、建機など大型機械が絶好調(たぶん海外インフラと鉱山向け)
- ロボット、工作機械などの分野にピーク感
- 国内建設需要にピーク感
2枚目に続きます。