中国政府系投資ファンドCICが中国国内への投資を開始へ

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中国投資有限責任公司(CIC)が中国国内への投資を検討しているようです

 

中国の政府系投資ファンドCICですが、国内の株式と債券への投資承認を求めているそうです。

China Sovereign Fund Said to Prepare Request to Invest at Home

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CIC(中国投資有限責任公司)は2007年に設立されて以降、主に海外の資源権益、不動産、金融システム大手、そして技術系企業に積極的に投資してきました。

投資総額は9410億ドルとSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド/Sovereign Wealth Fund)としては世界有数の規模です。

どこまでをSWFと捉えるかは定義にもよりますが、Wikipediaのデータによれば中国CICの運用規模はノルウェーのGPF(Government Pension Fund)、アラブ首長国連邦アブダビのADIA(Abu Dhabi Investment Authority)についで3位となっています。

https://en.wikipedia.org/wiki/Sovereign_wealth_fund

(なお、日本の公的年金GPIFやアメリカのSocial Security Trust Fund などを含めると、そちらの方が5位に後退します。)

 

 

とまぁ、中国投資有限責任公司はとても巨大なSWFなのですが、先ほども書いたように今までは国内への投資は実質的に制限されており、一部の香港上場株式への投資を行ったことがある以外には行われてきませんでした。

 

 

これには、

CICの前に設立されたCHICL(中央匯金投資有限責任公司/Central Huijin Investment Company Limited)の反省があった

ものと、個人的には思っています。

2003年に設立されたCHICL(匯金公司)は中国国務院の直下で中国の金融機関(おもに国有商業銀行)への戦略的投資を膨らませたのですが、それが実際にはあまり効率的でなく、国内から批判を浴びることになりました。

そこで2007年にCICを作るときには国務院の指導からは外し、国内への投資を制限し、純粋に儲けるために、海外への投資に注力させるようにした・・・のだと、個人的にはみています。

また、そもそも外貨準備残高をもとにしたCICは、おのずと海外への投資に回すことが求められるのは当然でした。実際、その方針は的中し、CICは急拡大することになります。

一方のCHICL(匯金公司)ですが、こちらは過去の反省から商務省直下を離れ、CIC(中投公司)の傘下におくとされました。中国系企業への投資に関しては、既存の投資分以外には2015年の中国株暴落時にETFを買ったくらいしか匯金公司が表舞台に出てくることはなかったと思います。また、海外へのCHICLによる投資に関しても、2007年の当時は走出去の真っただ中ということもあり戦略的投資家として資源、技術への投資をCHICLが行っていましたが、CICのシビアな方針と反していたからか、徐々にその勢いは落ちていきました。

 

 

今回、注目すべきは戦略投資家として行動してきたCHICL(匯金公司)によるETF買い支えではなく、純粋な利益至上主義運用がメインのCIC(中投公司)が中国本土株への投資の許可を求めている点です。

CICは世間的にはたんなる国策ファンド、戦略投資家と思われがちです。世界の権益を先兵として買い漁り、それを中国企業や政府に渡すことが目的・・・と思われがちです。

しかし、実際にはその運用部隊の顔ぶれからして、シビアな運用機関であると個人的には思っています(戦略的な運用はCHICLの仕事)。このあたりのことは以下の記事にもあります。(日経BP)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101206/217424/

また、

中国投資有限責任公司はLinaburg Maduell Transparency Index で見ても8をつけているなど、そんなにヘンテコな投資方針のファンドではありません。

実際、リーマンショック後に金融業に積極的に投資をしたり、2010年頃に不動産に投資を拡大したのは大当たりでしたし、その後のインフラやオルタナティブ投資も悪くないと思います。

そういう投資方針のCICが中国株投資に積極的になっているという事実は大きいと思います。とくに、彼らは何といっても中国のことに一番詳しいはずですし。

個人的には、CICによるこの判断が成功するかどうかは断言できませんが、確かに中国株は今回の下落で魅力的なバリュエーションになったものも多いように思います。製造業はまだまだ高いですし、不動産業には下振れリスクがありますが、インフラなどにはEV/EBITDAで5倍台のものも出ています。

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今後どういった銘柄に投資していくのかはわかりませんが、CICの動向には十分に注目していく価値があると思います。