ミャンマー・チャオピュー深海港開発を縮小?CITICはどうする?

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ミャンマー政府ソー・ウィン計画・財務相が中国主導で開発が進むチャオピュー港開発の縮小に言及

 

日本経済新聞は最近、ミャンマーのソー・ウィン計画・財務相に単独取材をしたとのことです。

そのなかで、中国企業CITICがミャンマー国内で開発を進めているSEZのひとつチャオピュー港の開発縮小に、ソーウィン計画・財務相が言及したとのことです。

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ミャンマー、港湾開発の縮小要求へ 日本経済新聞 2018/07/04

これ、日経新聞ですから、欧米系メディア寄りのインタビューをしたのだと思います。また、ソー・ウィン計画・財務相はもともとデロイト出身とのことですので、かなり欧米系のバイアスがかかっているのかもしれません。

とりあえず、チャオピューは(そこから雲南省までの石油・ガスパイプラインも含めて)、中国にとっては江沢民時代から多額をつぎ込んできたプロジェクトです。額にして一兆円を超えるのでは?とも言われます。そう簡単に引き下がるはずがありません。というか、いまさら反故にしたら中国の逆鱗に触れるでしょう。

この記事でソー・ウィン氏が発言したことが仮に本当だとしても、たぶんそれは単なるネゴシエーションの一環、実際にはしっかりと開発されると思います。(欧米は邪魔したがるでしょうが。)

それ以前に、「一帯一路に芽吹く懸念」というサブタイトルを導くために、日経が勝手に捻じ曲げて記事を書いただけなのかもしれませんが・・・。

 

とりあえず、個人的な意見を先に書いてしまいましたが、「チャオピューとはなんぞや?」というところからちょっと書いていきたいと思います。

とても大事なプロジェクトです。そのうち地理の教科書に載るかもしれないくらいに。


チャウピュ港/チャオピュ港は中国企業CITICが開発するミャンマー経済特区(SEZ)のひとつ

 

チャオピュ(Kyaukphyu)は、ミャンマーが改正経済特区法(SEZ法/The Special Economic Zone Law)経済特区(SEZ)に定めた三つの拠点(ティラワ・ダウェイ・チャオピュ)のひとつです。

Special economic zone – Wikipedia

このうち、ヤンゴン郊外の比較的小規模なティラワが日本政府、JICA、日本企業主導で最初に開発されており、2015年9月に開所してから二年以上経ち、土地予約企業は日本国内外78社、うち着工済み企業が52社(2016年11月20日現在)という好調ぶりを示しているそうです。

このティラワの成功をみて色気を出したミャンマーのアウンサン・スー・チーの取り巻き連中が、実質的に休止中となっていた他のSEZ案件も開始しようとし始めました。

とりあえず、ダウェー/ダウェイは規模がティラワの10倍以上と極端に大きいのと、地の利があまりにもなさすぎるのでパス。

選ばれたのが、ミャンマー軍政時代から中国がツバをつけてきたインド洋に面したチャオピューでした。(当時はまだ江沢民の時代です。)

 

ミャンマー政府としては、「軍政時代と違って公平性を担保してますよ」というアピールなのでしょう。形式的にはシンガポールのコンサルティング会社を雇って、開発を主導する企業を募りました。

結果、開発権を取得したのは中国系の国有企業群です。中国中信集団(CITIC)を中心にしたコンソーシアムが選ばれました。※1

まぁ当然です。中国は先ほども書いたとおり、江沢民時代から数千億円規模・・・もしかしたらそれ以上かもしれない資金をこのプロジェクトにつぎ込んできたのですから。

※1他参加企業・・・中国港湾工程(CHEC)、CMHI、TEDA、YNJG、タイのチャロン・ポカパン(CP)など

Myanmar negotiating with Chinese consortium on deep-sea port project in western state

チャオピュー/チャウピューはマラッカ海峡を通らずに中国が石油・ガスを調達するために必要?

よくベンガル湾に面したチャオピュ港を解説する記事では

「チャオピューは中東の石油をマラッカ海峡を通らずに中国に運ぶために中国が開発してきた」

と書かれることが多いです。確かにそれもあるでしょう。

実際、中国は2000年代初め頃からチャウピュの開発を開始しますが、当初からそういうふうな論調を政府系メディアが流していたと思います。

でも、個人的にはこれ、かなりコストに見合わないと思うんですよ。

中国石油(CNPC)はチャオピューから中国国境沿いのシャン州ムセを経由して、雲南省昆明まで800キロのパイプラインを引いたんですが、それで運べる石油は年間2200万トンと言われています。今後も別のパイプラインを引くのかもしれませんが、密林を切り開き、高山を無理やり通して、多額の費用をかけた割には輸送量は少ないです。しかも、維持管理にはかなりのコストがかかりそうですし、ミャンマー側に払う金額がかなり高いと言われています。(具体的な数字はよくわかりませんが)

2200万トンは中国の原油輸入量の6%程度だそうです。このためだけにチャオピュを開発するとは考えられません。しかも、そんな大規模な深海港を作る必要もない。

個人的には、中国がチャオピューに着目したのは、たぶん次の理由だと思っています。

 

チャオピュ深海港は自然の良港・・・?

チャオピュ深海港は、航空写真を見てみればわかるでしょうが、とてもいい自然の良港です。

周りの深度がすぐに深くなるので、護岸工事、浚渫工事をしっかりしてやれば、超大型船・・・そう、空母や戦艦も入泊できるでしょう。

周りには多くの入り江があり、燃料や弾薬を隠して置けるところもいっぱいあります。もちろんドライドック(乾ドック)も簡単に作れそうです。そういうところです。

なお、中国側はチャオピューまで鉄道、道路の整備もしたいそうです。

もう、意図は見えていると思います。

インド洋における軍事拠点としての利用を考えているとしか思えません。

 

 

 

とりあえず結論は先にも書きました。

これは日経の捻じ曲げ記事か、もしくはミャンマー側の交渉の材料だと思います。

もしかすると、アメリカがミャンマーに横やり入れているのかもしれません。

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とりあえず、ここで中国のメンツを潰すようなことをしたら、あとあと怖いことくらいミャンマーの連中だってわかっているでしょう。適当なところで手を打つと思います。

以上です。