TikTok(ティックトック/抖音短視頻)やJinri Toutiao(ジンリートウティアオ/今日頭条)を傘下に擁するByteDance(バイトダンス/北京字節跳動科技)が資金調達完了~評価額780億ドルで世界最高額のスタートアップ企業に~
TikTok(抖音短視頻/ティックトック)やJinri Toutiao(今日頭条/ジンリートウティアオ)を抱えるByteDance(バイトダンス/北京字節跳動科技)が30億ドルの資金調達ラウンドを完了。評価額は総額780億ドルとなり、スタートアップ/ユニコーン界隈ではUberを抜いて世界一になったとのこと。
日本の中高生にも人気の口パク動画SNSアプリTikTok(抖音短視頻/ティックトック)や、ニュースキュレーションアプリJinri Toutiao(今日頭条/ジンリートウティアオ)を抱える中国企業のByteDance(バイトダンス/北京字節跳動科技)が、30億ドルの資金調達ラウンドを実施。
今回の資金調達でBytedanceの企業評価価値は総額780億ドル規模にのぼり、いっきに配車大手Uberの評価額720億ドルを抜いて世界一のユニコーン(時価総額10億ドル以上のスタートアップ企業)になったとBloombergが伝えています。
Bytedance Is Said to Secure Funding at Record $75 Billion Value
ByteDanceの資金調達にKKR、General Atlantic、ソフトバンク、Primavera Capitalが応じる
ByteDanceの資金調達にはKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)、米国系PEファンドのGeneral Atlantic、ソフトバンク、中国系ファンドのPrimavera Capitalなどが応じたとのこと。
この資金を利用してByteDanceは国内外でTikTokの普及に励むほか、最近はじめたソーシャルプラットフォーム事業XincaoやショッピングサイトZhidianなどの普及を目指す方針。
TikTok開発者の張一鳴(Zhang Yiming)が立ち上げたペキン・バイトダンス・テクノロジーズ/北京字節跳動科技/ByteDance Technologies
起業家の張一鳴(Zhang Yiming)氏が立ち上げたByteDance Technologies(ペキン・バイトダンス・テクノロジーズ/北京字節跳動科技)は、ニュースキュレーションサイトの今日頭条や、短編動画編集アプリTikTokの開発元として市場の注目を浴びています。
すでに今日頭条の広告収入だけで25億ドル以上を稼ぐとされ、TikTokをあわせた利益創出力の高さから超大型スタートアップ、ユニコーンの本命といわれてきました。
張一鳴(Zhang Yiming)氏はテンセントやバイドゥ、アリババなどの既存の中国テクノロジー企業、いわゆるBATから超高額で人材を引き抜くことで有名とされ(2017年10月26日産経)、こうした企業との提携はほとんどありません。
むしろByteDanceのサービスはテンセントのキュレーションサイト、バイドゥの検索サイト、アリババの動画サイトなどと競合関係にあり、後追いで入りながらここまでシェアを拡大させてきたのは張一鳴(Zhang Yiming)氏の才覚の凄さかもしれません。
また、張一鳴(Zhang Yiming)氏のByteDanceが手掛けるニュースキュレーションサイト今日頭条(Jinri Toutiao)は政府とも摩擦を生んでいます。
昨年だったか?ちょっと記憶が曖昧でおぼえていないのですが、中国政府系の記事で、「今日頭条(Jinri Toutiao)は読みたいものだけをみせる。国民の見識の幅が狭くなる」みたいな批判コラムを載せていました。
中国ではこういう記事が出ると、共産党政府に目をつけられているぞ、ということになります。
これは、テンセントのMOBAゲームを政府系機関紙が批判したことと、現在進行形で進むゲーム規制との関係を見てもわかります。
こうした中国共産党政府との摩擦を経験しつつも張一鳴(Zhang Yiming)氏はByteDanceをここまで育ててきました。すごいことです。
※なお、今日頭条の読み方ですが、一応ジンリートウティアオと書いていますが、中国人の発音を聞くとトゥーチャオ、ツーシャオといろいろ聞こえます。このあたりは方言によって違うようです。
ByteDanceの短編動画アプリTikTok(ティックトック)
ByteDanceを一躍有名にしたのは、やはり短編動画編集機能の充実したソーシャルアプリTikTokだと思います。
張一鳴(Zhang Yiming)が開発したTikTokはその動画編集能力の高さがアジアの若者に受けています。
TikTokは2016年9月にサービス開始されましたが、2018年6月には月間アクティブユーザー(MAU)が5億人を達成。
なかでもTikTokはアジア圏で非常に受けており、2018年第1四半期には世界で最もダウンロードされたアプリとなり、推定ダウンロード数4580万回にものぼったそうです。(Wikipedia)
ByteDanceが開発したTikTokは編集機能の充実した動画SNSアプリ
ByteDanceが開発したTikTokを一言でいってしまうなら、動画編集機能が充実したどうがSNSアプリだと思います。
TikTokは気軽に動画編集がおこなえ、強調したい部分、隠したい部分、盛りたい部分などを自動で簡単に行うことができます。
提携している音楽を利用させてもらうことで、口パク動画を簡単に作れることも若者にウケており、それを投稿することで気軽に人々つ繋がれることがTikTokの売りになっています。
ようするに、文字情報の時代にTwitterが流行ったように、画像の時代にはInstagramが流行り、動画の時代にはTikTokが流行っている・・・という感じでしょうか。
VineやSnowの次に流行っている、といった感じだと思います。
SNSならではの問題も孕むTikTok。再生数稼ぎのためにパンチラやヌードなど自撮りエロ動画を投稿するjkjcjsなどの未成年
TikTokは動画時代のSNS、twitterやインスタなどでも問題になった自撮りエロ問題がネックになっているようです。
SNSでは、なるべく再生数を稼ぎたい、注目を浴びたいという欲望が密接にかかわってくるようで。(ここらへんの心理学は詳しくありませんが・・・)
特に向こう見ずな若者にこうした傾向が強いようで、女子小中高生などの未成年の女の子たちが、パンツを見せる、スケブラをみせる、乳首透け動画をうpするなどの行為をしているとのこと。
こうした動画についてはTikTokも削除しているようですが、なかなか「みせたがり」な少女たちの欲望はなくならないようです。
なお、こうした少女たちの動画を集めたまとめサイトなども作られていて、いろいろとカオスだなぁと思います。
若い子のパンツ、透け乳首、裸が見えるとして、一部オジサン達にも人気のByteDanceのTikTok(ティックトック)
こうした若い女の子のパンツがみえる、という情報はすでに世の中高年のおじさん達にも広まっていて、TikTokを使って集めた動画を利用する人も多いのだとか。
ちまたではこうした中高年のことをティックトックオジサン(TikTokオジサン)と呼ぶのだそうです。
まんまなネーミングなのでもう少し捻って欲しい所ですが、とりあえず、ここらへんの闇っぷりはこれまでのSNSと大差ないようです。
LIVEコンサート動画が無断でアップロードされるなど著作権の問題を抱えるByteDanceのTikTok
なお、jcjkの乳首透け動画やパンチラ自撮り動画の問題以外にも、BytedanceのTikTokは問題を抱えているといわれています。
その一つがライブ、コンサートなどの動画が勝手にアップロードされてしまう問題。
こうした傾向がここにきて出てきているようで、運営側はこうしたものも削除しています。
問題は、エロ動画にせよライブ動画にせよ、削除には人手が必要で、それはコストがかかっているということです。
TikTok(ティックトック)によるmusical.lyの買収
なおTikTokは2018年8月に同業のmusical.lyを買収、統合しさらに規模を拡大。
中国、日本、ASEANなどアジア圏に強いTikTok(ティックトック)と米国市場に強いmusical.lyが統合されたことで、この業界でのシェアトップとなり、現在では世界中で利用者を伸ばしています。
なお、このTikTokとmusical.lyの統合で、TikTokには新たに
- コミュニティのハイライトフィード機能
- ユーザーの好みをもとにオススメリストを提案するFor you機能
- スマホからダイレクトにリアクションできるリアクション機能
- 身体全体を対象にしたインタラクティブジェスチャーフィルターなどの機能強化、ファンハウスミラーカメラ機能
- 瞬きにより有効化するVRタイプフィルター
- グリーンスクリーンを利用したかのようなバックグラウンド効果
- 二時間以上の接続時にアラートを表示するデジタルウィービング機能
などが追加されたとのこと(Wikipediaより)
TikTok(ティックトック)と今日頭条(Jinri Toutiao/ジンリートウティアオ)だけで1000億ドル以上の価値?
とりあえず、市場ではTikTokと今日頭条だけで1000億ドル以上の評価価値があるとみられているようです。
ここらへんは市場環境によって変動するでしょうが、ともかく、かなり巨大なスタートアップ企業であることは間違いありません。
次から次へと新しいスターの生まれる中国スタートアップ市場。
これからも注目だと思います。
以上。