米中貿易戦争は持続可能か?~ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」

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ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」の提言は間違っていない。しかし米国が常に厭戦気分と隣り合わせなことには注意が必要・・・という件

 

 

 

 

トランプ政権の重要人物のひとりピーター・ナヴァロが書いた「米中もし戦わば」(原題:Crouching Tiger: What China’s Militarism Means for the World)という本があります。

 

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米中もし戦わば

 

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」という本は、トランプ政権による対中貿易戦争の意味と方向性がわかりやすく書かれている本です。

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」は、原題を「Crouching Tiger: What China’s Militarism Means for the World」と言います。

ようするに中国をCrouching Tiger(飛びかかるために)かがんでいる虎と表現し、その中国の軍国主義が世界においてどういう意味を持つか、という題名です。

 

 

 

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」をざっくり要約

 

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」を簡単に要約すると

  • 中国を世界経済の仕組みに組み込んだのは間違いだった
  • 中国は経済発展で得たカネを軍事力増強に使ってきた
  • 過去においてもそうだが、経済力一位の国に二位の国が近づいてくるときには何度も戦争が起きてきた
  • 現代世界で世界大戦になれば悲惨なことになってしまう
  • 今後、米国が軍事的に戦わずして中国に勝つ方法は、中国の経済力を落とすしかない。
  • 米国企業が海外にばら撒いた知財やカネを米国に取り戻す必要がある。
  • 中国の脅威を直視しよう

みたいな内容です。

中国との経済戦争をやろう。

その結果、米国民も経済的に苦しくなるかもだけど、挙国一致して頑張ろう。

それが平和を維持するために必要なんだ。

そんなかんじです。

 

 

 

「米中もし戦わば」を書いたピーター・ナヴァロは、トランプ政権の国家通商会議(National Trade Council, NTC)、その後改組された通商製造業政策局(Office of Trade and Manufacturing Policy , OTMP)のトップを務める方です。

ピーター・ナヴァロはトランプ政権の対中貿易政策、産業政策を決定し、実現するための重要なポジションにいるとされています。

ピーター・ナヴァロのおかげで、おもに米中貿易戦争(対中関税増、通商法201条によるセーフガードの多発、ZTE問題、通商拡大法232条)が加速しているといわれています。

もともとは、カリフォルニア大学アーヴァイン校ポール・メレージ・ビジネススクールで公共政策と経済学などを教える教授さんだったらしいのですが、トランプ大統領の選挙戦キャンペーンの政策アドバイザーを務めたことから、トランプ大統領の政権入りを果たしました。

ピーターナヴァロは、現在ではその持ち前の中国嫌い思想を発揮して、対中貿易戦争の計画立案をし、それをトランプ大統領に助言をする中枢のにいるとされています。

つまり、トランプ政権のなかでも極右的な政策ブレインということになります。

 

 

国家通商会議(NTC)と通商製造業政策局(OTMP)

国家通商会議(National Trade Council, NTC)およびそれが改組された通商製造業政策局(Office of Trade and Manufacturing Policy , OTMP)の目的は、米国の製造業と防衛産業の強化を図り、それによって貿易赤字縮小と経済成長促進を図ることにあるとされています。

このため通商製造業政策局OMTPは、米国大統領に助言を行い、大統領の設定した目標に従った貿易政策実現に向け推進すること。

貿易関係における大統領側からの特別な計画に関し、商務省と大統領の連携を深めるために尽くすこと。

などが求められています。

 


ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」の提言は実行可能か?

で、ここからは私見になりますが、このピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」の提言ですが、果たして実行可能でしょうか。

 

個人的には、それは無理じゃないかなぁと思います。

アメリカは基本的に、戦争の初めには勇ましいのですが、戦争を続けるのは無理な国です。

イラク戦争でもアフガン戦争でもそうですが、基本的にすぐに厭戦気分が高まる傾向にあります。

今回の米中貿易戦争は軍事衝突ではありませんが、もし続ければ経済的にアメリカに跳ね返るのは当然です。

比較優位論をまったく無視した経済システムに持ち込むなら、米国内の生産性は必ず落ち込むことになるでしょう。

そもそもにおいて、これだけ世界経済の組み込まれた中国を切り離すことなんて無理です。

中国のGDPはすでに世界の15%以上。

中国のガン細胞を取り除こうと抗がん剤を投与しながら手術しようとしているのでしょうが、人体の15%がガン細胞に侵された状態で、これを除去しようとしたら大変なことになります。

しかも中国は資金の流れの中枢にはいませんが、モノの流れの中枢にはいる。

身体に例えれば消化器系全般がガン細胞に侵されている状態です。

これが排除できるでしょうか?

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」では、ここらへんの疑問には答えてくれていません。

 

 

 

 

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」は米国人の厭戦気分を舐めている。

米国は基本的に厭戦気分の高まりやすい国です。

ベトナム戦争でもイラクでもアフガンでもそうですが、戦争の最初はよくても、長引くとだめなんです。

それは、アメリカが民主主義国で、言論の自由がある国だからというのもあるでしょう

また、世俗的で自己中心的な価値観の人が多く、消費社会の陶酔感から抜けられない人たちだらけだからというのもあるでしょう。

そしてそれを体現しているのは、誰でもなくトランプ大統領自身なんです。

トランプ大統領ほど世俗的で辛抱のできない人物はいないんじゃないかと思います。

欲望に負けやすい性格は、顔面から滲み出ています。

 

 

 

 

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」の理想は実現不可能か

個人的に、今回の米中貿易戦争は景気後退とともに路線変更を迫られると思います。

痛みに耐えて挙国一致体制がとれるのは、実はロシアや中国やトルコ、イラン、北朝鮮です。

彼らはなんだかんだで耐えることができます。

経済封鎖をいくらやったって、上から押さえつける重石が軽くならないかぎり、耐えるしかないんです。


米中もし戦わば

その点、アメリカの政治システムは重石がない。

それは国民にとっては良いことですが、政策実現の可能性を著しく阻害することでしょう。

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とりあえず、もしも株安、景気後退が深刻化すれば、ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」が提唱するような米中貿易戦争なんて、すっかり忘れ去られてしまうはずです。

米国民はそんなに辛抱強くありません。

今のうちにこのことを記しておきます。

以上です。