【8803】平和不動産の業績と株価~東証の大家さん~東証の大家さん
今回は東証の大家さんこと平和不動産の業績と株価をみていきます。
まずは平和不動産の会社紹介から始めます。
平和不動産とは?
平和不動産とは不動産開発および、不動産賃貸業をしている不動産会社です。
平和不動産は東証の大家さん
平和不動産は日本各地の証券取引所に土地と建物を貸す証券取引業向け大家さんでした。
その後、各地の地方証券取引所が東証に吸収されるようになったことで、今では東京証券取引所にたいする売上がやたら多い不動産会社になりました。
平和不動産の主な所有施設
東京(兜町地区)
- 東京証券取引所ビル
- 日証館
- 兜町平和ビル
東京(その他)・横浜
- 茅場町一丁目平和ビル(東京都中央区)
- 三田平和ビル(東京都港区)
- 内幸町平和ビル(東京都千代田区)
- 代官山アドレス・ディセ(東京都渋谷区)
- イオン昭島ショッピングセンター(東京都昭島市)
- 横浜平和ビル(横浜市中区)
京阪神
- 大阪証券取引所ビル(大阪市中央区)
- 大阪平和ビル(大阪市中央区)
- 京都証券ビル(京都市中京区 旧京都証券取引所跡地)
- 大丸京都店西館共同ビル(京都市中京区)
- 大丸京都店北館共同ビル(京都市中京区)
- 神戸旧居留地平和ビル(神戸市中央区)
- 東大阪花園ショッピングセンター(大阪府東大阪市)
名古屋
- 名古屋証券取引所ビル(名古屋市中区)
- 名古屋証券会館(名古屋市中区 2007年9月閉鎖)
- 名古屋平和ビル(名古屋市中区 旧名古屋証券取引所市場館跡地南半部)
- 伊勢町平和ビル(名古屋市中区)
- 栄ミナミ平和ビル(名古屋市中区)
- セントライズ栄(名古屋市中区) – 旧名古屋証券ビルと名古屋証券会館の跡地に建設。
福岡
- 福岡証券ビル(福岡市中央区)
- 福岡平和ビル(福岡市中央区)
- 天神三丁目平和ビル(福岡市中央区)
- 天神平和ビル(福岡市中央区)
札幌
- 道銀ビルディング(札幌市中央区)
- 札幌駅前合同ビル(札幌市中央区)
- 新大通ビルディング(札幌市中央区)
その他
- 一番町平和ビル(仙台市青葉区、旧佐々重ビル) – 旧ビルを現称に改称後、同地で建て替え。
- 平和不動産新潟ビル(新潟市中央区、旧新潟証券取引所)
- 平和不動産広島ビル(広島市中区、旧広島証券取引所)
(Wikipediaより)
平和不動産の地域別、用途別収益
(平和不動産2018年Q2 IR資料より)
平和不動産は事業の多くを東京と大阪が占めており、またオフィス向けがほとんどであることがわかります。
平和不動産の業績推移
平和不動産の賃料は、ここ数年、ほかの東京都心オフィスよりもかなり低い家賃で推移してきていることがわかります。
良い物件が多いのに、なぜでしょうか?
平和不動産の取締役は東証出身者だらけ
平和不動産の取締役には、東証出身者がずらりとならびます。
代表取締役社長の岩熊博之、専務執行役員(取締役)の土本清幸、常務執行役員(取締役)の岩崎範郎、常勤監査役の広瀬雅行が東京証券取引所出身者です。
社内取締役5人のうち3人、常勤監査2人のうち1人が、平和不動産から土地建物を借りている東京証券取引所の出身者なわけです。
これでは、強気の交渉ができようはずもありません。
店子である東証側の意見が通りやすいのは、同社の取締役構成に原因があると疑われても不思議ではないと思います。
この件に関しては、今朝の日経朝刊にも書かれています
なぜ、平和不は東証の言い分に従ってきたのか。東証と平和不に資本関係はないが、単なる大家と店子(たなこ)の関係でない。平和不の社内取締役5人のうち3人を東証出身者が占め、常勤監査役2人のうち1人が東証出身だ。歴代の社長も東証の役員経験者から迎えており、岩熊社長も13年に東証社長を退任して平和不の社長に就いた。
平和不動産は一般株主を餌付けするためか?株主優待を用意
こういった不平等な取引慣行から株主の目をそらせるためなのかしりませんが、平和不動産は株主優待制度を用意しています。
100株持っていると1000円分のクオカードがくるそうです。
雀の涙みたいな金額ですが、それでも乞食株主たちは喜んで餌付けされています。
平和なものですね。
平和不動産の業績
ここからは平和不動産の業績を決算資料などから見ていきます。
(この記事は2018年11月29日に書きました)
平和不動産の2018年Q2決算の業績
平和不動産の2018年中間期決算は売上大幅増、営業利益11.1%増、一株当たり利益89.16円、BPS2751.20円となりました。
売上高が急増していますが、これはは新宿フロントタワー(東京都新宿区)持分の一部、イトーピア日本橋SAビル(東京都
中央区)及び新宿フジビル2(東京都新宿区)などを売却したことによるものです。
平和不動産の2018年Q2決算 セグメント業績
上記のとおり、平和不動産の2018年Q2は不動産ソリューション事業が大幅に伸びたことで売上増加となっています。
一方で、賃貸は新規取得案件があったものの、修繕費が嵩んだことで減益となっています。
平和不動産の株価 2018年11月29日
平和不動産の株価はここもと停滞気味です。
今後、大きく上昇するためには、東証との家賃値上げ交渉進展などのほか、根本的な部分でガバナンスの改善などが必要になってくると思われます。
とりあえず、上記はあくまでも個人的見解です。特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任でお願いいたします。