【0656】復星国際~復星集団(フォースン・グループ/Fosun group)の中核企業
今回は、日本のトマムリゾートやハウステンボスなどへ出資をしている中国のコングロマリット企業、復星国際(フォースン・インターナショナル/Fosun International)についてみていきます。
まずは復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)について軽く説明します。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)とは?
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)は中国上海に拠点をおく複合企業(コングロマリット企業)です。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)は傘下に多数の子会社、投資先を抱えており、日本でもトマムリゾートやハウステンボスに出資をしています。
復星国際(フォースン・インターナショナル・リミテッド)と復星集団(フォースン・グループ)と復星控股有限公司(フォースン・インターナショナル・ホールディングス・リミテッド)???
復星国際(フォースン・インターナショナル)と復星集団(フォースン・グループ)の資本関係はよくわかりません。
調べてみているのですが、どちらが親会社なのかすら、よくわかりません。
さらに復星控股有限公司という会社が同社の株式70%超を所有しているようですが、こちらは英語登記がFosun International Holdings Ltd.となっています。
いやはや紛らわしい。
往々にして、こういう紛らわしいことをしている企業はろくなことがない・・・と思います。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の沿革
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)は1992年に上海で郭広昌、梁信軍など復旦大学のOBによって設立されました。
当初は薬品の販売会社などをしていたそうですが、その後は不動産などに事業を展開し、2007年に復星国際を上場させます。
その後、薬品、保険、アパレル、リゾート関連などを中心に投資先を拡大してきました。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)傘下の復星地産(Fosun Property)
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)傘下で不動産開発を担ってきたのが復星地産(Fosun Property)です。
復星地産(Fosun Property)は世界中の都市開発、リゾート開発に積極的に乗りだし、同社の発展の基礎を固めてきました。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の郭広昌CEO
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)を率いているのが郭広昌CEOです。
この方は哲学が好きとのことで、短期的な売買ではなく、長期的なインカムゲインをもとにした投資を好むことから、中国のバフェットとも呼ばれるそうです。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の傘下企業
- 復星医薬
- 復星地産
- 復星保徳信人寿
- 豫園商城(不動産)
- 招金矿业股份有限公司
- 国药控股股份有限公司
- 上海复地
- 南京鋼鐵聯合有限公司
- 中国民生銀行
- 完美世界(スマホゲーム)
- クラブメッド(地中海クラブ)
- フォリフォリ(宝飾品)
- セント・ジョン
- トム・テイラー
- メドウブルック・インシュアランス・グループ
- 28 リバティ・ストリート(旧ワン・チェース・マンハッタン・プラザ)
- シーフォートスクエア シティグループセンター(東京・天王洲アイル)
- イデラキャピタルマネジメント
- 星野リゾート トマム
- パラッツォ・ブロッジ
- フィデリダーデ
- デレク
- アルマレーザーズ
- シルク・ドゥ・ソレイユ(20%)
- ハウステンボス(マイナー出資)
Wikipediaより参照
これをみると、全体的に保険、アパレル、不動産、リゾート関連が多いようにみえますね。
地中海クラブ(クラブメッド)と復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)
上記のリストのなかで非常に目立つのが、フランスのリゾート運営会社クラブメッド(地中海クラブ)だと思います。
クラブメッドは2015年1月に復星国際(復星集団)が買収したのですが、イタリアの実業家アンドレア・ボノミ氏が率いるグローバル・リゾーツと争った上、最終的には10億7000万ドルに達した案件です。
この頃から復星国際(復星集団)はリゾート開発に積極的に乗り出していきます。
復星国際(復星集団)の日本事業は、イデラキャピタルマネジメントを核に投資~トマムリゾート、ハウステンボス
復星国際(復星集団)は2014年、ユニゾンキャピタルから日本の不動産投資会社イデラキャピタルマネジメントを約70億円で買収。
日本の事業はこのイデラキャピタルマネジメントを中心に行っているようです。
具体的な出資関係は入り組んでいてよくわかりませんが、これまでも子会社の豫園商城を通じてトマムリゾートへ投資を行ってきたほか、2018年12月にはハウステンボスへの投資も決定、復星国際(復星集団)は日本事業も手広く展開しはじめています。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の業績
ここからは復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の会社資料や決算資料をもとに業績をみていきます。
(この記事は2018年12月4日に書きました。)
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の2017年通期業績
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の業績は、これをみると非常に良いようにみえます。
ただし、この手のコングロマリット企業はいろいろゴマカシされている可能性があるので要注意です。けっして同社がそうしていると言いたいわけではありませんが。
資本構成などにおいてわかりにくいことをしている企業は、そういったインセンティブが働きやすいということです。
基本的には中国からのアガリが大きいのですが、ポルトガルの保険会社を保有していますので、同国からのアガリも大きいことがわかります。
長期資産の投資先は圧倒的に中国国内へのものが多いようです。
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の株価 2018年12月4日
復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)の株価は中国株崩壊の流れを受けて大幅に安くなっています。
ただ、同様のビジネス展開をしていた海航集団とことなり、大きな下落にはなっていません。
市場からの信頼もそれなりにあるということでしょうか。
とりあえず、今回は復星国際(復星集団/Fosun group/フォースン・グループ)についてみてきました。
なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任でおねがいいたします。