三井物産が液化天然ガス事業アークティック2に参加か?~ノバテク(Novatek)と交渉
三井物産がアークティック2プロジェクトへの参画をめざしロシア・ノバテク(Novatek)と交渉
三井物産が北極圏LNGプロジェクトに出資を検討しており、ロシアのノバテク社と交渉を進めていると日経新聞が伝えています。
ノバテク(Novatek)とは?
ノバテクはロシアの独立系石油会社で、天然ガス生産量ではガスプロムに次いで二番目に多い企業です。
チュメニ油田という名前を昔聞いたことのある方もいると思いますが、本拠地はチュメニ州ヤマロネネツ自治管区にあります。
近年、ヤマル半島における天然ガス田の開発権を保有していたヴォルガ・リソーシズを買収。
またタンベイネフチガスも買収し、この二社を含めた北極圏のプロジェクトを推進しています。
ノバテク(Novatek)とプーチン大統領
ノバテク(Novatek)はプーチン大統領に近いとされるゲンナジー・チムチェンコ氏が間接的に出資しているとされています。
また、ガスプロムが10%程度の株式を保有、ガスプロムバンクがそれに続きますが、ここら辺は資本関係が入り組んでいてよくわかりません。
意図的に、利益を誘導するために資本関係がごちゃごちゃしているようにみえます。
(政治マターなんでしょう。)
ノバテク社が主導する液化天然ガス(LNG)事業~ヤマルプロジェクトとアークティック2プロジェクト
ノバテク(Novatek)はアークティック2の他にも、北極圏でヤマルプロジェクトを運営しています。
こちらには日本企業も多く参画しており、日揮がプロジェクトの管理を行っているほか、商船三井が輸送業務を担っています。
商船三井の砕氷LNG船が中国入港 ヤマルLNGプロジェクト本格稼働へ
こちらのヤマルプロジェクトの方はすでに2017年から産出しており、アークティック2と同様にガスプロムがガスパイプラインを用いて多くを輸送することになっています。
ノバテク社のアークティック2プロジェクト
ノバテク社のアークティック2プロジェクトは2022年頃からのLNG輸送開始となる予定です。
開発費は2兆8000億円とされ、この負担を三井物産が一部担う可能性があるとのことです。
すでにフランスのトタルは10%の出資を決め、さらにサウジアラビアのサウジアラムコ、他に数社の政府系ファンドの投資が予定されている模様です。
ヤマルと異なり、今回はノバテク社の事業に中国企業の名前がない?
今回、噂されている出資主体には、なぜか中国企業がありません。
マジョリティがノバテクなのは当然として、次いでサウジの可能性、次にフランスのトタルで、日本のどこかという感じになっています。
もし日本が参加しないなら、中国もありかもしれませんが、他の政府系ファンドの名前も挙がっており、中国になるかどうかは定かではありません。
とりあえず、ここら辺にロシアの対中国への警戒感が出ているのか、それともロシアに依存しきることへの警戒感が中国側にあるのかはわかりませんが、なんらかの思惑があるようです。
とりあえず、今後も伸びが期待できるLNG市場、開発が進んで安く供給されるようになればいいですね。
以上です。