グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)が身売りか?~7nm開発競争は実質TSMCの勝利へ~
世界第二位のファウンドリー企業グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)に身売りの噂が流れる
アラブ首長国連邦アブダビ首長国政府傘下の投資会社ATIC(Advanced Technology Investment)が投資している世界第二位のファウンドリー企業、グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)に身売りの噂が持ち上がっています。
GlobalFoundries Chip Fab Reportedly Being Shopped Around To …
Globalfoundries may be bought by Samsung or SK hynix
中国成都工場は閉鎖、本体はATICがSKハイニックスやサムスンに売却されるのではないか、という情報が駆け巡っています。
もしこれが実現するのなら、目先完全にTSMCの天下になります。
7nmプロセスルールの開発競争に勝ったTSMCと負けたグローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)
グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)ですが、昨年夏あたりでしたでしょうか、7nmプロセスルールから撤退するのではないか?という噂が流れました。
その後、この噂は事実で、グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)は7nmの開発は諦め、既存の14nmなどをメインに稼いでいくと発表しました。
これは事実上、白旗をあげた行為です。
この結果、世界で7nmプロセスルールで安定して量産できるのはTSMCただ一社だけとなっており、このことが半導体価格の高止まりのひとつの理由になっています。
すでに昨年から傾いていたグローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)
報道によると、すでにグローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)の経営は昨年から傾いていたとのこと。
技術者は他社に移ってしまっており、新規の開発を進めるだけの余裕はなくなっていたのだそうです。
もともとAMDから分社化したグローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)
グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)はもともと、AMDから分社化する形で外に出た、AMDと非常に密接な企業です。
その後、アブダビ投資庁のATICもグローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)に出資。
現在、AMDとATICの共同所有というかたちになっています。
ただし近年、AMDはライバルであるTSMCへの発注を拡大。
この最大の理由はグローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)の技術が停滞していたことと、ASMLと提携したTSMCの技術力向上によるものだと思われます。
アメリカ企業は、系列取引などに縛られません。
技術的、コスト的に優れた取引先をドライに選んでいきます。
グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)もその影響を受けて業績が低迷していた模様です。(非上場なので現実が見えませんが。)
米企業であるグローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)の売却はまとまるのか?
さて、ここで問題なのですが、グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)の売却が各国の独禁法担当の当局に認められるか。
もちろん、まだ売却されると決まったわけではありませんので何とも言えませんが、もし売却されるとして、どこに売られるのか。
中国は同意をするのか、という点も含めて、非常に難しい展開になりそうです。
とりあえず、今回の件でいえることは、TSMCすごいなぁということでしょうか。
以上。