中国戦闘機「殲11」2機が台湾海峡中間線をこえて侵入
「殲11」2機が台湾海峡の中間線をこえて侵入
3月31日午前11時、中国の戦闘機「殲11」2機が台湾海峡の中間線をこえて台湾側に侵入したとのこと。
台湾から見て南西空域に侵入した「殲11」に対して中華民国空軍は即座にスクランブル発進
「殲11」2機はすぐに西側に引き返したとのことですが、当時は台湾本土へ185キロメートルの位置まで侵入してきていたとのこと。
十分に射程距離内ですし、危険な行為といえます。
台湾国防部は当然、猛抗議をしました。
スホーイ社Su-27SKのライセンス生産機「殲11/J-11」
なお、「殲11/J-11」はロシアのスホーイ社からライセンスを受けて生産している機種になります。
もともとはSu-27SK
レーダーをN001 Zhuk-VEにした標準品の他
アクティブレーダー誘導ミサイルを利用可能にしたJ-11A
中国製ミサイル、中国製レーダーで再構成したJ-11B
J-11Bの復座型機種となるJ-11BSなどがこれに当てはまります。
なお、Su-27SKはSu-27の輸出型ということになります。
「殲11」の台湾海峡中間線侵入を中国メディアは当初報じず
しかし中国本土側のメディアは、新華社などが当初これを報じず
共産党直結メディアの環球時報が台湾側メディアの報道を引用するかたちで取り上げたのが最初とのことです。
論調としても
「中国政府が主導して行ったのかどうかわからない」
みたいな論調に徹していたとのこと。(自分は中国語をちゃんと読めないので間違っているかもしれません。)
つまり、政府主導ではなく、軍が勝手にやっているのかも、と言いたいもようですが・・・。
「殲11」の中間線侵入は習近平指導部近くの命令である可能性
ただ、個人的にはこれは中国上層部がガッツリ命令していると思っています。
米中貿易協議が進む中でアメリカを刺激したくない。
かといって米海軍艦船による台湾海峡の航行や
台湾の蔡英文総統との武器輸出契約問題、台湾旅行法による高官同士の接触などをそのまま放置しておけば、弱腰だと言われています。
つまるところ、習近平の足元は、決して盤石ではない可能性があり、
何か失敗があれば引きずり降ろされる危険性がある、とみて強硬な手段に出たのではないか、というふうにみています。
米国とうまい事いきそうになって、国内の政治問題で引きずり降ろされた共産圏のリーダーというと、フルシチョフがいます。
とりあえず、あぁいうことが起こるのが集団指導体制の恐ろしいところ。
経済対策が上手くいきそうなので習近平もしばらくOKでしょうが、内心びくびくなんじゃないかと思います。
最近、目が泳いでますし。
以上。