【NFLX】ネットフリックス(Netflix)の業績・決算と株価~動画配信大手
今回は動画配信大手ネットフリックス(Netflix)についてみていきます。
ネットフリックス(Netflix)は世界190か国以上で事業を展開しており、全世界で1億4800万人超の有料契約を獲得しています。
そのうち米国は6000万の契約を獲得しており、借金は非常に多いのですが、一応すでに黒字化を実現しています。
ただし、この黒字というのは幾分注意が必要です。
その点についてもふまえ、まずはネットフリックス(Netflix)の事業内容から見ていきましょう
ネットフリックス(Netflix)の事業内容
ネットフリックス(Netflix)の事業内容はもはや言うまでもないでしょう。
動画の有料配信サービスを行っており、契約者は動画を見放題となっています。
ネットフリックス(Netflix)では過去、他社の映画コンテンツなどを購入してきましたが、最近では独自コンテンツの制作に力をいれています。
そうしたコンテンツのなかには非常にヒットする作品も出てきており、コンテンツ目当てに契約する人を獲得することに成功してきています。
そうした順調な流れに気を良くしたネットフリックス(Netflix)は、近年、収穫期がやってきたとばかりに値上げ傾向を鮮明にしています。
値上げして、キャッシュフローを改善させて、稼いだカネでコンテンツを制作する・・・という方向にもっていこうとしています。
そこに横やりをいれてきたのが、ディズニーです。
ネットフリックス(Netflix)とディズニー
こうしたネットフリックス(Netflix)の成功をみて、他社も動画配信サービスに参入してきています。
代表的なのはAmazon、アップル、そしてディズニーです。
これらの企業のうち、Amazonとアップルは他社コンテンツの購入が中心ですのでネットフリックス(Netflix)の昔のビジネスモデルに近いものがあります。
一方で、ディズニーは自社コンテンツを抱えています。
さらにディズニーは最近、FOXニューズから21世紀フォックスの映像事業を買収しており、これらの過去の作品もコンテンツに加えることに成功。
過去にディズニーはネットフリックス(Netflix)に映像コンテンツを提供して稼ぐビジネスをしていましたが、現在ではネットフリックス(Netflix)への映像提供はとりやめ。
すべて自社で囲い込む方針になっています。
最近ディズニーは、「ディズニープラス」という動画配信サービスを始めると発表。
その価格水準がネットフリックス(Netflix)の有料契約価格よりも大きく下回っていたことで、ネットフリックス(Netflix)株はネガティブな動きとなりました。
ネットフリックス(Netflix)の決算と業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119652617037107201
ネットフリックス(Netflix)の2019年Q1決算は順調そうにみえます。
とくに海外部門で大きく契約を伸ばしており、一時期広がっていた「ネットフリックス(Netflix)は米国ウケはするけど海外では未知数」といった見方を一蹴するような状況になっています。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119652972412018688
とりあえず、値上げの影響もあって米国の伸び率は落ちています。
海外伸び率は非常に堅調です。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119653106726256642
ネットフリックス(Netflix)の業績・決算~P/Lは黒字だが、キャッシュフローは赤字
ここで、ネットフリックス(Netflix)の経営実態の根本的な部分について書いておきます。
一言で言ってしまうと、
「ネットフリックス(Netflix)はキャッシュフローは赤字」
ということです。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119653739785154561
ネットフリックス(Netflix)はストリーミングコンテンツの制作のために多大なコストをかけています。
これを資産に計上しており、一見すると経営は順調そうです。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119653518669824001
しかし、キャッシュフローは火の車状態であり、今後のことを考えると、なるべく早くにキャッシュフローの赤字縮小を実現したいところです。
今期、Q1はキャッシュフローが縮小しているようにみえますが、そもそもコンテンツ制作にかけたコストが減っているので当然です。
今後下期に向けてコスト上昇によりCFの悪化が見られると思われます。
なお、話はちょっと外れますが、ネットフリックス(Netflix)のB/Sとキャッシュフロー計算書のストリーミングコンテンツの償却額との比較をみると、アメリカではコンテンツ償却が10年くらいかけて行われる、ということなんでしょうかね?
自分はここらへんの会計は詳しくないのですが、3年前の映画とか、果たしてどれだけの価値があるか・・・
ここら辺の会計のありかたも、ネットフリックス(Netflix)が黒字化していることに一役かっているような気がします。
ネットフリックス(Netflix)の株価
週足
ネットフリックス(Netflix)の株価は上記の通りです。
いったん崩れて、もどして、二番高値でもみ合っている状況。
この状況で下向きになるとH/S完成でいろいろと嫌気される展開かなと思われますが・・・
とりあえず、ネットフリックス(Netflix)はすでに黒字化を実現しています。
このことをポジティブに見る人も多いです。
しかし自分は、この黒字の中身はさほど意味を持っていないように感じています。
むしろネットフリックス(Netflix)の場合は、キャッシュフローの赤字にこそ目を向けるべきではないかと。
ユーザー数の増加と値上げでキャッシュフローの継続的な改善がみられるかどうかこそが重要なように思います。
なお、上記はあくまでも個人的な見解です。
特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。
投資においては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。
以上です。