【7224】新明和工業の業績・決算と株価~US2救難艇など製造するが、主力事業はダンプカーなどの架装

【7224】新明和工業の業績・決算と株価

 

今回は新明和工業についてみていきます。

新明和工業の前身は川西航空機

二式飛行艇や紫電改などの海軍用航空機を製造し、特に水上機や飛行艇に定評のある企業でした。

その影響もあり、US2救難飛行艇や対潜哨戒機の製造を現在も行っています。

しかし、同社の一番の主力事業はダンプカーなどの架装業務。

そのあたりを含め、新明和工業の事業内容からみていきます。




 

 

新明和工業の事業内容

新明和工業の事業内容はセグメント別に以下のようになっています。

  • 航空機・・・飛行艇・水上機の製造。海外航空機メーカーへの部品供給
  • 特装車・・・ダンプトラック、テールゲートリフタ、ごみ収集車(塵芥車)、タンクローリー、粉粒体輸送車などの架装※1
  • 産機・環境システム・・・ゴミ処理システム、水処理装置など
  • パーキングシステム・・・機械式駐車場設備、航空旅客搭乗橋PAXWAYなど
  • その他

 

※1 架装・・・トラックなどの荷台部分に用途別に設備を設置すること。日本の産業車両分野ではキャリー部と架装部は別々の業者が担うことが多い。同業者に極東開発工業などがある。

極東開発工業(日本トレクス親会社)の業績と株価~ダンプトラック、清掃車などの特装車大手~

 

なお、新明和工業は東邦車輛、イワフジなどを買収

これら企業で行われてきたトレーラ、タンクローリ、粉粒体輸送車、バキュームカー、廃油ローリ、汚泥吸排車、飲料水給水車、散水車、ヤードキャリア、林業機械、ダストコンテナなどを統合しています。

 

また同社は産業用モータでもかなり特殊でニッチな分野で有力であり、超精密なエアスピンドル分野では国内シェアトップとなっていて半導体検査装置などに使われるほか、

宇宙空間での使用を前提にした(放熱が期待できない)分野での採用もある企業となっています。

 

 

新明和工業の業績

新明和工業の業績は上記の通りになっています。

 

 

新明和工業の業績~セグメント別

 

 

新明和工業の業績は上記の通りになっています。

航空機事業の営業利益が減少していますが、これはボーイング社「777」向け翼胴フェアリング生産が、新型機への移行に伴い減少とのこと。

また、民需向け設備投資が重荷になったとのことです。

特装車事業、パーキング、産機などはそれぞれ好調に推移しているとのこと。

 

 

 

新明和工業の株価~村上ファンド系レノとの攻防

 

新明和工業の株価の動向には、村上ファンド系レノとの攻防の影響が出ています。

レノは新明和工業が資本を効率よく利用していないとして大規模な自社株買いを含む株主還元を要求。

この対話の中で新明和工業は自社株買いを拡大。

レノはこれに応じる形でExitしました。

現在、過去の新明和工業とは別人になったようなスリムな資本構成の会社構造になりましたが、よく言えば資本効率が高まったけれど悪く言えば財務は劣化したといえます。

それでいて株価は以前よりも高い・・・

これは理屈にあうでしょうか?

 

個人的には、それは場合によると思いますが(今後も同じ規模の資本効率を保てるなど)

今回の場合、そこまでの意識変化を新明和工業にもたらしているようには感じられません。

よって、株価上振れの可能性よりも、下振れる可能性に注意すべきなように感じています。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任でおこなうようおねがいいたします。

以上。