【7226】極東開発工業/日本トレクスの業績と株価
今回はダンプトラックやコンクリートポンプ車、タンクローリやごみ収集車、粉粒体運搬車などの架装を手掛ける極東開発工業(と、その子会社の日本トレクス)の業績と株価についてみていきます。
まずは極東開発工業の会社説明から始めましょう。
極東開発工業/日本トレクスとは?
極東開発工業/日本トレクスとは、ダンプトラックやごみ収集車、タンクローリなどの架装を手掛ける企業です。
また、清掃関連設備などの製造、運営を受託したり、子会社で機械式立体駐車場の設置、運営などを行っています。
極東開発工業/日本トレクスの手掛ける「架装」とは?特装車メーカーとは?
通常、ダンプトラックやごみ収集車などの「はたらくくるま」と言われる車は、トラックメーカーがシャーシを作り、その上に極東開発工業などの会社が「架装」といって装置を設置して製造します。
この架装をするのが極東開発工業などの特装車メーカーです。
極東開発工業(日本トレクス)の手掛ける車種は?
極東開発工業(日本トレクス)はおもに以下の車種・装置を扱います。
ダンプトラック・・・大型ダンプトラックです
ウイングボデー車・・・横開きできるトレーラです。
トレーラ・セミトレーラ
冷凍車・冷蔵車・・・パネクト(PANECT)のブランド名で展開。食品輸送や医療品輸送に温度管理車は利用します。
テールゲートリフタ・・・トラックの後ろにくっつけて、荷下ろしを楽にする設備です。パワーゲートの名称で売っています。
粉粒体運搬車・・・ジェットパックの名前で販売しています。粉や飼料、豆などの輸送に使われます。
一台積み車両運搬車・・・フラトップのブランドで展開しています。自動車を運搬するのに利用する車です。工事現場や引っ越しの時に利用します。
ゴミ収集車・清掃車・・・プレスパックの名前で販売しています。
脱着ボデー車・・・ボディだけ分離しておいておける車です。フックロールやグランデッカーシリーズがあります。
タンクローリ車
散水車
コンクリートポンプ車・・・長いブームを伸ばしてコンクリートを押し出す車です。
極東開発工業(日本トレクス)の業績リスク~設備投資の振れの大きさ~
極東開発工業(日本トレクス)の扱う製品は物流、建設など景気に左右される製品が非常に多いため、景気に業績が大きく振れるところがあります。
(極東開発工業決算説明資料)
国内普通トラック登録台数推移は上記のようになっており、トレンド的に下向きになりつつあります。
落ち込む時はいっきに落ち込むため、そこは大きなリスクです。
極東開発工業(日本トレクス)の業績リスク~原材料(主にアルミ)価格の変動~
極東開発工業(日本トレクス)の使う架装部品の大部分は、アルミでできています。
雨や汚れに強いこと、軽いことが架装に求められるからです。
アルミ価格の上昇は極東開発工業(日本トレクス)のような特装車メーカーの業績を蝕みます。
極東開発工業(日本トレクス)の業績リスク~海外事業のゆくえ~
極東開発工業(日本トレクス)は海外でも事業を行っていますが、海外事業の動向について詳しいプレゼンはしていません。
事業内容として国内市場が中心なのは確かですが、今後国内市場は頭打ちな状況で、国外で伸びなければ成長がないのも事実です。
海外では中国企業を中心にかなり安いコンクリートポンプ車メーカーなども出てきており
極東開発工業(日本トレクス)の業績
ここからは極東開発工業(日本トレクス)の業績を決算資料や会社説明資料などをもとにみていきます。
(この記事は2018年11月10日に書きました)
極東開発工業(日本トレクス)の2019年3月期第2四半期決算の業績は、売上1.6%減、営業利益26.6%減、経常利益24.2%減、1株当たり四半期純利益64.90円、自己資本比率65.3%
になりました。
極東開発工業(日本トレクス)の業績は落ちてきています。
これは、循環的に物流企業、建設企業の設備投資が落ちてきたこととアルミ価格など原料費の上昇によるものです。
また、パワーゲートの生産の自動化を進めたことから減価償却費が1億程度増えていますが、このことも利益を圧迫しています。
極東開発工業(日本トレクス)のセグメント別業績
極東開発工業(日本トレクス)の業績をセグメント別にみると、主力の特装車事業の売上が大きく減少してきていることがわかります。
環境事業などは回復してきていますが、事業比率からみたら小さい事業ですので、それほど大きな影響がありません。
極東開発工業(日本トレクス)の株価
極東開発工業(7226) 日足株価
極東開発工業(7226) 週足株価
ボリュームゾーンを明確に下抜いてきており、目先戻りがあったとしても、長期的に上値の重い展開が予想されます。
全体景気にも大きく左右されますが、2017年あたりにディーゼル車買い替え特需があったため、向こう数年は業績の大きな下支えがなくなっていることも懸念材料です。
バリュエーションには割高感がありませんが、リスク管理の観点からは投資は次の景気回復期を待った方がいいかな、と個人的には思います。
落ち込むときにはいっきに落ち込むのが設備投資業界ですので。
以上、今回は極東開発工業の業績と株価をみてきました。
なお、上記はあくまでも中卒くん個人の見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任、自己判断でされるようお願いいたします。