18/5/30午前 仏ヴェオリアが中国に船舶解体工場建設へ

備忘録がわりにニュース記事をまとめます。

独断で掻い摘んで纏めます。

この記事は日中随時更新します。


昨晩のNY市場短評

昨晩のNY株式市場は、イタリア政局不安定化を受けた売りが広がり大幅安。リスク回避の債券買いが広がり米10年債利回りは一時2.7%台まで低下。金利低下を嫌気した売りが金融株全般に広がり、特に保険のメットライフMET、プルデンシャルPRU、プリンシパルフィナンシャルPFGなどは5%を超す下げ。JPモルガンJPM、バンカメBAC、シティC、ウェルズファーゴWFCなど銀行株がすべて3%を超す下げ。ゴールドマンサックスGS3.40%安、モルガンスタンレーMS5.75%安など投資銀も大幅安。

原油価格下落でこのところ買われていた航空株も、この日は景気リスクの方が嫌気されデルタ航空DAL、ユナイテッドコンチネンタルUAL、アメリカン航空AALがそれぞれ3%近い下げ。エネルギー株は大手準大手まちまち。石油精製・販売のフィリップス66(PSX)、ヴァレロエナジーVLO、マラソンエナジーMPCなどが揃ってプラスなのが特徴的か。キンダーモーガンKMIもカナダ政府の支援が伝わり小幅高。

金利低下の流れから公益、食品、ノンシクリカル消費財銘柄に資金を移す動きあり。電力ガスセクターは全体地合いに比べ底堅い動き。コカコーラKO、ペプシコPEP、コンステレーションSTZ、クロロックスCLX、タイソンフーズTSNなど1%程度上昇。

その他は、半導体・半導体製造装置はまちまち。FAANGなど情報関連もまちまち。ヘルスケア、バイオなどは全体安に連れ安。

目立った上昇銘柄のない一日だったが、しいていうならマイクロンMUが2.07%高、アプライドマテリアルズAMATが2.30%高。

 

SP500 5分足

なかなかスルッといかないのがもどかしい。。。

 


1時28分

China’s ant financial closes funding round; raises US$10bil at US$150 …

アリババ集団傘下でオンライン決済アリペイ(Alipay)を展開するアント・フィナンシャル・サービシズ・グループ(Ant Financial services group)が国内外投資家から100億ドルを調達。シンガポールGICやテマセクなど政府系ファンドが参加したとのことです。

 

 

Home prices rise at a steady pace in March

3月のケースシラー米20都市圏住宅価格指数

前年比+6.8% 季節調整済前月比+0.5% 季節調整前前月比+1.0%

個人的見解:前月比でみると落ち着いてきたが、相変わらず前年比が高すぎる。このペースについてこられる給与所得者はなかなかいない。供給量が絶対的に足りないため、見通しが立てにくい・・・。


3時34分

Netanyahu to discuss Iran with French, German leaders next week

イラン問題について話し合うため、イスラエルのネタニヤフ首相がフランス、ドイツ、英国を歴訪する予定だそうです。

個人的見解:ドイツのメルケル首相は先日、中国の習近平国家主席と会いました。フランスのマクロン大統領は、ロシアのプーチン大統領と会いました。ともに、イラン合意順守を発表しています。こういった流れは、イスラエルとアメリカにとっては誤算だったのだと思います。イラン核合意破棄からの~一気にイランを孤立化させて制裁強化に向かうはずだったのが、いつの間にかアメリカの方が孤立化してしまっています。

 

中国:クアルコムのNXP買収計画、審査再開-関係者

China to clear QualcommNXP once confident of ZTE deal

中国当局は、アメリカがZTEへの制裁を解除するならば、クアルコムとNXPのM&A案件について承認手続きするようです。

個人的見解:安全保障問題であるZTE問題と、通商問題である合併承認の問題を取引に使う中国は非常識ですし、それに応じてしまうトランプ大統領も非常識です。常識的な上院議員たちからは、この裏取引に対してさっそく非難の声があがっています・・・

 

中国が米国からの石炭輸入拡大を検討、対米黒字圧縮狙う-関係者

中国が貿易赤字削減のために米国から石炭を輸入するそうです。

個人的見解:中国では投機マネーの流入により、石炭の価格が急上昇しています。そういった投機家に対する牽制の意味もあるかもしれません。

 

Alibaba and Cainiao Make Strategic Investment in ZTO Express

中国のネット通販大手アリババ(Alibaba)と、物流サービス大手 菜鳥(CaiNiao)は、中国の物流企業 中通快逓(ZTO Express)株の約10%を13億8000万ドルで取得するそうです。

 


11時37分

Momo Earnings, Sales Blow Past Views; Chinese Internet Firm Jumps

中国の出会い系デートアプリMOMO(陌陌)のQ1決算、EPSは前年比55%増の0.69ドル。売上は64%増の4億3500万ドル。

個人的見解:この会社は今年二月、出会い系最大手のTantan(探探)を買収しました。出会い系とライブストリーミングはどこの国でも業績が伸びています。問題は、政府の規制が入るかどうか。入らなければボロ儲け。入れば大暴落です。

 

Canada to Buy Kinder Morgan Pipeline for $3.5 Billion

環境保護団体などの反対で工事が遅延しているブリティッシュコロンビア州の石油パイプラインプロジェクト「トランスマウンテン」ですが、カナダ政府が45億カナダドルでキンダー・モーガンから買い取ることになりそうです。

個人的見解:一旦政府に売って、作ったあとに上場して民営化する・・・みたいな絵を描いているようです。そうすることで、開発を強引に推し進められるそうで・・・うーん・・・

 

米消費者信頼感指数:3カ月ぶり上昇-現況指数01年以来の高水準

個人的見解:現況指数が騰がる一方で、期待が腰折れ。あまり良い兆候ではありません。

 

 

イタリア、7月選挙も-コッタレッリ氏と大統領は人事合意を持ち越し

個人的見解:政治的混乱の広がるイタリアですが、首相に指名されたカルロ・コッタレッリ氏とマッタレッラ大統領が組閣を強行した場合には弾劾請求がほぼ確実な情勢。弾劾が有効か否かが明らかになるまでには相当の時間がかかるため(2014年ナポリターノ大統領への弾劾動議など)それなら最初から組閣を断念して、大統領権限によって議会解散した方がスムーズではあります。この場合、早ければ7月29日にも再選挙が実施されるのではとの見通しが出ています。

ただどうなんでしょう?いま再選挙をすれば、ほぼ確実に五つ星運動と同盟が勝利するのでは?そんな負け戦になることがわかっていて解散するんでしょうか。

 

 

 


コラム

中国・船スクラップ輸入禁止で仏ヴェオリアが船舶解体工場建設へ

France’s Veolia sees opportunity in China’s waste crackdown

フランス廃棄物処理大手ヴェオリア・エンバイロメント(Veolia Environment)が中国事業拡大。中国広東省で船舶解体工場の開設を発表。

個人的見解:ヴェオリアのCEOが「中国の環境規制はたぶん世界最高」と発言しています。

これは先日の環境関連記事でも書きましたが、中国は変わる時は一気に変わります。昨年末に報道されたような、各家庭の石炭コンロを壊して回るなどといった、まるで商鞅や李斯が現代に生まれ変わったかのような極端なこともやります。振り子の振れ方が激しいです。

記事にもありますとおり、中国政府は今年末から廃棄物輸入禁止を強化する方針で、これには解体船舶も含まれることになります。

船舶の解体スクラップが輸入できないということは、つまり鉄スクラップが手に入りにくくなるということです。

中国は粗悪な地条鋼の生産を禁止し、電炉への転換を進めようとしていますが、そのための材料が足りなくなることが想定されるわけです。

ならば中国でも船舶解撤需要が高まるだろう・・・ということで今回のヴェオリアの進出ということになりました。

ちなみに、この件で割を喰らうのは当然、船舶解撤をやってる業者と、その鉄スクラップを運ぶ海運業者です。

まず解撤の方ですが、インドグジャラート州アラン・ソシヤ地区(Alang)やバングラデシュのシタクンダ地区などが有名です。

船の墓場、インド・アランの船舶解体場 – WSJ

インド、バングラデシュなど解体規模上位の国々では、1970年代後半あたりから潮の満ち干を利用して座礁させ、潮間帯に船舶解撤を行うビーチングと言われる手法が始まりました。

その後90年代の海運不況期には、多くの海運会社がタンカーやバルク船、コンテナ船など大型船を解撤するために、船籍を誤魔化してこれら格安解体業者に丸投げ、大いに解撤業が栄えることになります。

しかし、それと同時に現地の人々に多くの健康被害が発生、これらの地を船の墓場として利用してきた海運会社に対して批判の矛先が向かうことになります。

これをうけて国際海事機関(IMO)がガイドラインを発表。

2009年5月15日には「2009 年の安全かつ環境上適正な船舶のリサイクルのための香港条約」(シップリサイクル条約)が 採択されました。

ちなみに中国はさすがにインドやバングラデシュほどに酷くはなく、航空写真などでみてみてもドライドックとクレーンなどを利用した解撤をしているようです。

しかしその分、当然ながら鉄スクラップを得るためのコストは上がることになります。折角まじめに環境保護をしようとしているのに、海外から人権無視・環境無視で作られた鉄スクラップが入ってくるのは困る・・・中国政府としてはそういうふうに考えているのだと思います。

まもなく、海外からの雑品スクラップや船舶スクラップが輸入禁止になるのです。

 

今後、中国の環境規制はますます厳しくなるはずです。環境は、カネになるはずです。まじめに環境対応をやってきた企業が報われるようになるでしょう。また、そういった環境技術を売りこむ企業も潤うはずです。

ちょっと調べれば、恩恵のある企業がいろいろ見つかります。いずれ時間があるときにでも書いていこうと思います。長文になりすぎましたので、今回は一回〆ます。