テネシーウイスキー「ジャックダニエルズ」を製造するブラウンフォーマンの2018Q4決算は増収減益 欧州やメキシコからの報復関税で売上見通し困難と発表
報復関税に身構える「ジャックダニエル」、正確な売上高予想困難
Maker of Jack Daniel’s worried about impact of trade war
Brown–Forman upped Jack Daniel’s shipments as trade war loomed
テネシーウイスキーのジャック・ダニエルズ(Jack Daniel’s)やジェントルマン・ジャック(Gentleman Jack)を展開するブラウン・フォーマン(Brown-Forman)の2018年Q4決算は増収減益。トランプ政権が導入した鉄鋼・アルミに対する関税への報復関税が予想されることから、欧州、メキシコを中心に売上見通しが立てられないとのこと。株価は大きく下落しました。
まずはブラウン・フォーマンの決算数字を確認
売上は6%増の7億3300万ドル
営業利益は販管費および一般管理費、広告費の増加から32%減益
EPSは希薄化後で24%減益の0.23ドル
ブラウンフォーマンの地域別売上をみると
アメリカが売上の約半分の47%で5%成長
20~30%程度を占める欧州が8%成長
シェアは5%と小さいながらも、近年大きく成長しているメキシコは12%成長
問題は、成長をつづける欧州やメキシコ、ブラジルなどが対米報復関税をかけてきそうなこと。
トランプ大統領が導入したアルミ・鉄鋼への追加関税措置に対抗して、これらの国々は、アメリカからの輸入品、とくに共和党議員の強い州からの輸入品に報復関税措置をかけて来る可能性が高いです。(テネシー州は共和党の地盤です。)
これまでの報道をみると、やはりブラウンフォーマンが得意とする蒸留酒には高関税がかかることが予想されます。
報復関税をかけられれば当然売上には負のプレッシャーがかかることになりますが、これを見通すことは困難であると、ブラウンフォーマンは言っています。
また、関税がかかる前に在庫をこれら国々に移動させておこうとしているそうです。
とりあえず、トランプ関税は潤う業種もある一方で、報復に巻き込まれて苦しむ企業もあるということ。
同社の株価は6月6日、6%近く低下しました。