18/6/7午後 WLTPと2021年EU規制で自動車販売はどうなるか

備忘録がわりにニュース記事をまとめます。

独断で掻い摘んで纏めます。

この記事は日中随時更新します。


14時41分

 

ホットストック:非鉄金属株が高い、チリ鉱山労使交渉で銅価格上昇

BHPビリトンとRioTintoが共同で運営するチリのエスコンディーダ銅鉱山の労使交渉が始まっています。労使間の提案に差があるため、うまく期限内に纏まるか予断を許さない状況になっています。このため銅価格が上昇、現在ASXではOZMineralが3%超の上昇、BHPビリトン、リオティント両社も2%程度の上昇となっています。なお、エスコンディーダは三菱商事やJXTGなどもマイナーで参画しています。

 

FB、中国4社とデータ共有 議会質問に回答、違法性への懸念拡大

ニューヨークタイムズがすっぱ抜いたことで明るみになったFacebook社による中国企業との個人情報共有問題。今までロシア問題だけを語り、中国問題について黙っていた同社の姿勢に、民主共和両党の議員たちが非難の声を上げています。

個人的見解:ロシア問題に関しては、共和党のなかには「それで大統領選が有利になったんだし追及やめとこか」みたいな流れもあったように感じます。でも今回は不味いです。今まで黙っていたこともマズいです。まず間違いなく新たな規制が導入されます。また、他の企業も同様の契約をしていなかったか調査が進むと思われます。

 

焦点:米株式市場に「波乱の秋」か、FBなどのセクター変更で

GICS(世界産業分類基準)というものがあります。これはMSCIとS&Pが共同で開発した産業区分方法で、世界の産業をセクターやグループ、サブグループなどに分け、これに従って機関投資家などはセクターごと、グループごとに分析・売買しています。この分類の方法が9月28日から変更されます。具体的にはウォルトディズニーDISやコムキャストCMCSA、ネットフリックスNFLXが一般消費財から通信サービスに組み入れられ、通信サービスセクターは10%のウェイトになるとのことです(現在は2%)。なお、FacebookとGoogleも情報技術から通信サービスに移るそうなので、かなり大規模な分類変更ということになりそうです。

 

Solar giant GCL to sell 51pc of unit for US$1.9 billion as Beijing’s …

太陽光発電用ポリシリコンウェハおよびインゴット製造大手、保利協キン能源(GCLポリーエナジー)が太陽光発電を手掛ける子会社株式51%を上海電気集団に売却するとのことです。売却価格はまだ未決定。売却後の資金の利用先も不明。

個人的見解:同社は借金が多いですから、売れるものを売って財務を改善しようとしているのかもしれません。

 

Global foreign direct investment flows fell sharply in 2017

国連貿易開発会議UNCTADによると、2017年の世界の海外直接投資FDIが23%減の1兆4300万ドルだったそうです。貿易紛争や債務バランスの悪化により、先行きの見通しも暗いとのこと。

個人的見解:FDI流入額のトップである米国への資金流入が細っていることが原因でしょう。米国は中国からの買収などに障壁を作っています。また、そもそも米国資産の価格が上昇しすぎていることもFDI総額減少につながっていると思います。


22時36分

 

環状2号全面開通は平成34年度めど 暫定道は豊洲移転後1カ月以内開通
環状2号線、22年度開通へ 当初予定より2年遅れ

環状二号線がようやく開通するそうです。これにより、臨海部で進むマンション開発がより一層促進されることが期待されます。

 

欧州委、グーグル巨額制裁へ 独禁法違反で

スマホ用OS「android」がEU競争法に違反しているとの理由から、欧州委員会はGoogleに巨額制裁金を科す方向だそうです。また、アドセンスなどの独占的立場の乱用などについても調査が継続されるそうです。

 

総務省、携帯大手3社に2年縛りやMNPで行政指導 (1/2ページ)

携帯契約の更新をしてから二年間、他社にMNPで移動する際に違約金を支払わなければならない契約「二年縛り」ですが、以前から評判のわるいこの制度について、総務省が携帯各社に行政指導をしたそうです。

個人的見解:大手三社だけでなく、格安スマホやWimaxなどの契約についても行政指導してほしいところです。

米求人件数:4月は予想外に増加、過去最高記録を更新

雇用動態調査JOLTSによると、非農業部門の求人数が前月改定値から6万5千件増の669万8000件になり、二カ月連続で過去最高を更新。

個人的見解:さすがにピーク感が漂っていると思います。

4月の名目賃金、前年比0.8%増 増加は9カ月連続 毎月勤労統計

昨日の統計で申し訳ありません。毎月勤労統計です。名目増加よりも実質をみるべきと思います。名目は横ばい。ここもと出てきた統計は個人消費の不振を示すものが多いのですが、実質賃金の伸び率がなかなか上向かないことも理由のひとつだと思います。(高齢化の問題が一番大きいとは思いますが。)


23時22分

トルコ中銀、1.25%利上げ 大統領が引き締め容認か

個人的見解:ついこのあいだ利上げしたばかりなのに、また利上げ。意表を突かれた形でトルコリラ急進です。

 

鉱工業受注、4月は前月比-2.5% 4カ月連続のマイナス

個人的見解:ものすごく弱い数字です。若干弱そうだとは思っていましたが、ここまで弱い数字は予想していませんでした。アメリカを起点にした通商問題の拡大、特に対ロシア制裁によるアルミ問題、RUSAL問題が影響している可能性があります。

 

Remy Cointreau’s profits boosted by China’s thirst for cognac

フランスの酒類大手レミー・コアントローの決算、為替などの影響を含めないオーガニックベースで、売上が前年比7.2%増、営業利益が14.1%増加

中国での高級コニャックの販売が好調(レミーマルタン)。通期利益率は前年度に比べて1.3ポイント上昇の22%。今期も増益を予想。

個人的見解:レミーマルタンうまいっす。。。日本のバブルのころもレミーマルタンめちゃめちゃ流行りましたが、中国でも最近流行っているようです。アジア人の好みに合うんだと思います。

 

4月の仏貿易赤字は49.5億ユーロに小幅縮小、航空機の輸出上向く

4月のフランス貿易収支は49億5000万ユーロの赤字、3月の50億1000万ユーロの赤字から赤字幅縮小。輸出3%増、輸入2.5%増。エアバスが好調な模様。一方で4月経常収支は11億ユーロの赤字。3月6億ユーロの赤字から拡大。

 

飲用シーン拡大狙う「ノンアルビール」、ペットボトルで屋外へ

ノンアルコールでペットボトルが流行りだそうです。幾らか前にクラフトボスの販売好調でコーヒーでペットボトルが流行りましたが、今度はノンアルらしいです。どちらにしてもペットボトルです。石塚硝子に追い風になるでしょうか。

 

China solar firms urge govt to rethink capacity cap, subsidy cut: letter …

中国の太陽光パネルメーカーが連名で、政府に対して「補助金削減はあと数年待ってくれ」と陳情を出したそうです。これを受け、中国国家能源局NEAは太陽光業界の幹部たちと6日に会合を持ったとのこと。

個人的見解:6月1日に発表された太陽光パネル規制はかなり厳しいものです。補助金を削減するのも厳しいですが、それ以上に大規模ソーラー発電所の承認をしない方針が示されたのが厳しい。なぜこういった方針が出てきたのか、背景がみえないことも憶測を呼んでいます。

とりあえず可能性として考えられるのは

  • 中国送電大手である国家電網による送電能力増強が間に合わない
  • 一帯一路計画の実現のため、中国国外でプロジェクトをやってほしい
  • 太陽光や風力との競合で火力発電所が赤字に陥っているから、補助金つけて太陽光だけ優遇するのはよくない

といったところでしょうか?国家発展改革委員会NDRCが規制を出してきたので送電能力不足が一番可能性として考えられますが・・・ほかの可能性もあり、よくわかりません。とりあえず、ソーラー各社は黒字ではありますが借金が多いところだらけ。もしこのまま規制案が通ることになれば、多くが淘汰されることになるでしょう。

 


コラム

WLTPと2021年EU規制で電気自動車EV普及へ

VW will shut down production at main German plant in switch to WLTP

フォルクスワーゲン(VW)がWLTPに対応するためにドイツの生産設備を一時停止するとのことです。

 

WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)がいよいよ18年10月から導入されます。日本語では「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」という長ったらしい名前で呼ばれるそうですが、まったく頭に入らないのでWLTPでいいです。

とりあえずこのWLTP、なにが今までと異なるのかというと、ざっくり言えば

「自動車の排ガス・燃費測定のルールを、国連主導で世界統一技術規則GTRにまとめてWLTPとなづけようね」

ということになります。

今までは各国の交通事情にあわせて二酸化炭素量、粒子状物質PM、窒素酸化物NOxを測定する基準がバラバラだったのですが、これを統一していこうということです。

たとえば日本は、2018年10月からはJC08モードからWLTPに移行しますし、欧州も新欧州ドライビング・サイクル(NEDC/New European Driving Cycle)からWLTPに移行します。

欧州各社で相次いだ排ガス不正への反省も踏まえ、実路走行排気試験(RDE)も実行されます。NEDCよりも実際の運転が反映されることになりますから消費者にとってはわかりやすくなるのですが、試験内容が多くなるため型式認証に時間がかかるそうです。

なお、JATO Dynamics社によると、WLTP基準で再試験を受けたサンプル車両は、NEDC基準に比べてCO2排出量が公式測定値より9~17%も上昇したそうです。

EUの自動車CO2規制、2021年さらに厳格化 2つの「追い打ち」も 生き残るは4グループのみか

これらにより、今まで売っていた車種が2018年10月から売られなくなる可能性があります。特に派生モデルなどはかなり厳しくなります。実路試験をするにはコストもかかります。台数が出ていないモデルに関しては型番ごと廃止してしまおう、といった流れもありうるでしょう。

一応、販売量の少ないメーカーでは単一形式認証を取得して販売を続けるといったこともできるそうですが、大手のメーカーではこれは難しいと思われます。また激変緩和措置として、全体の5~10%をメドにWLTPに準拠していない車種の販売も認められるそうですが、これはたった一年の時限措置ですので、長期にわたって販売を継続するためには型式認証を受けなければならないことに変わりありません。

 

とりあえず自動車販売における問題は、WLTP導入の2018年10月からではなく、2021年ころから導入されるEU規制との絡みで発生すると思われます。

一応、今年10月からも少しは販売が下押し圧力に晒されるとは思います。でも本番はもうちょっと後です。

ただでさえ燃費が悪く測定されるWLTPが始まって、さらにEU基準でメーカーごとに罰則付きの燃費目標が入ったあとに、本当の地獄がやってきます。

これをクリアするためには、

  1. 小型車中心に切り替える
  2. 電気自動車EVの販売を増やす

の二択しかありません。

1はSUVが売れ筋の現状では選択できませんし、じきに行き詰るのが目に見えています。

というわけで、2の路線以外にありえない・・・というのが自動車メーカー、特に欧州系メーカーの結論になります。

EVが普及するか否かは別として、各社はしかたなくEV販売を増やしていきます。

そうしなけば多額の罰金を負担しなければならないからです。

EV関連銘柄は手垢がつきすぎていて、もうしばらく調整に時間がかかると思われます。しかし、次の相場の大調整のあとには大きく跳ねるはずです。それまで手ぐすね引いて待っているのが良いと思います。

EV関連では日本と台湾、韓国、中国におもしろい銘柄が転がっています。まだチャート的にこなれていないので紹介するのはやめておきますが、そのうち落ち着いてきたら記事に纏めようと思います。とりあえず、今は全体の調整を待つのが安全だと思います。

以上です。