備忘録がわりにニュース記事をまとめます。
独断で掻い摘んで纏めます。
この記事は日中随時更新します。
10時50分
昨晩のNY市場はダウ構成銘柄を中心に大幅高。とくに米10年債利回り上昇から金融株が大幅高推移。JPモルガンJPM、ウェルズファーゴWFC、バンカメBAC、シティCなど大手銀を中心に2%超の上昇。フィフスサードFITBやキーコープKEY、リージョンズフィナンシャルRFなど地方銀行も強い。一方、金利上昇に弱い公益株が全面安。ノンシクリカル消費財銘柄はまちまち。
バイオエタノール利用方針に関してトランプ大統領が制度改革しない方針を示したことから、フィリップス66PSX、ヴァレロエナジーVLO、マラソンペトロリアムMPCなど石油精製銘柄が安い。
消費堅調を囃してビザV、マスターカードMAなどクレジットカード関連も2%程度上昇。小売関連も強い。ヘルスケア、保険なども堅調。
個別には、欧州による巨額制裁金の可能性が嫌気されたアルファベットGOOGLが0.35%安。中国企業への個人情報提供を嫌気されたフェイスブックFBが0.83%安。戦略投信の手数料低下方針を表明したブラックロックBLKが3.27%上昇。モデル3の週5,000台生産が可能と表明したテスラモーターTSLAが9.74%上昇。報復関税への恐れからブラウンフォーマンBF-Bが6.09%下落。
総じてリスクオンの流れが継続。
0時25分
ヒースロー空港の第3滑走路承認
2021年に着工、2026年までの運用を目指すそうです。総事業費は185億ドル。
個人的見解:意外でした。ヒースロー空港って第二滑走路までしかなかったんですね。アジアのハブ空港は3本は当たり前、上海などは5本の滑走路なんですが・・・
PDVSA Could Declare Force Majeure On Oil Exports
ベネズエラ国営石油会社PDVSAによると、コノコフィリップスにカリブ海の島々の同社輸出カーゴを差し押さえされているため、輸出するための設備が足りず、タンカーの渋滞が起きてしまっているとのこと。そのため洋上での積み荷受渡に応じない場合は不可抗力条項の発動を検討しているということです。
トランプ米政権、バイオ燃料政策見直しを先送り=関係筋
バイオ燃料制度を見直すことで精製コストを引き下げる目論みでしたが、エタノール原料のコーン生産州の議員が猛反発したそうで、中間選挙を見据えて政策見直しを先送りするそうです。
Switch To Electric Cars Could Put 75000 Germans Out Of Work
ドイツ労組と自動車業界の調査によると、電気自動車EVへ移行することにより、エンジン・変速機製造などで7万5000人分の雇用が失われるリスクがあるとのことです。
3時15分
マレーシア中銀総裁が辞任、前政権の1MDB疑惑巡り新たな離職者
前のナジブ政権時の不適切取引を理由とした引責辞任だそうです。後任人事は決まっていません。
米貿易赤字、4月は2.1%減 輸出が過去最高水準
輸出は0.3%増で過去最高。石油関連の産業用資材・原料が輸出堅調。振れの大きい民間航空機が減少してもこの水準なのはかなり好調ということ。
輸入は0.2%減。内訳は消費財が減、携帯電話や家財なども減、自動車も減。一方で、原油の輸入は10億ドル程度増加。
対中国の輸出は17.1%減。対中国輸入はほぼ横ばい。
Twitter Announces Convertible Notes Offering – Quick Facts
twitter社が、転換社債による調達を目指しているのとことです。これを受けて同社株価が下落しました。
【電子版】エアバス、自慢の超大型機が解体処分に リース終了A380型機
リース契約を結ぶ企業が現れなかったとのこと。需要がないんですからしかたありませんが、非常に勿体なく感じます。せめて貨物輸送用に使えればよかったんでしょうけれどね。
10時32分
【電子版】米クアルコムが新型プロセッサー Windows10向けSnapdragon 850を発表
インテルの牙城、ノートPC向けのプロセッサー市場をクアルコムが取りにいきます。すでにサムスンが顧客となることが決まっているそうです。一方IntelやAMDはPC向けから車載向けなどに展開、各社の境界線が消えて言っています。
【電子版】米フェイスブック、個人情報を中国メーカーと共有 ファーウェイなど4社
Huawei(華為)やTCL、レノボ、OPPOなど中国メーカーがFacebook利用者の個人情報を扱えるように提携していたそうで、議会からは同社の情報管理の意識を問う声が上がっています。
大陽日酸、ヘリウム安定調達 露ガスプロムと契約
昨年、サウジによるカタールへの制裁のため、大陽日酸のヘリウム調達が急減しかねない事態が発生しました。ヘリウムは光ファイバーや半導体の製造に欠かせない他、磁気共鳴装置MRIや各種冷却装置にも多用されます。産業上必要不可欠なものですので調達先の安定化が図られてきましたが、このたび大陽日酸はロシアの天然ガス大手ガスプロムと提携したそうです。
インド準備銀、政策金利6.25%に 4年5カ月ぶり
インドが利上げです。米国の金利が上昇していることから、新興国から米国への資金の流れが発生してしまっています。新興国は、利上げによってこの流れを食い止めたい状況です。
12時22分
Brown-Forman (BF.B) Beats Q4 Earnings, Sales Estimates
報復関税に身構える「ジャックダニエル」、正確な売上高予想困難
ジャックダニエルズブランドのテネシーウイスキーを展開するブラウンフォーマン、Q4決算は売上6%増、EPS24%増。ただし、トランプ政権が導入した鉄鋼、アルミ関税への報復関税が予想されることから売上見通し困難と発表。株価は大きく下落です。
Australia’s trade surplus shrinks more than expected in April
オーストラリアの4月輸出前月比2%減 輸入前月比かわらず。貿易黒字は9億7700万ドルに縮小。
12時22分
コラム
イタリアのコンテ新政権、アドリア海横断パイプライン(TAP)の見直しを表明
Italy’s new government to review TAP gas pipeline
イタリアのコンテ新内閣で就任したセルジオ・コスタ環境相が、アドリア海横断パイプライン(TAP/Trans Adriatic Pipeline)の見直しを表明しました。
このアドリア海横断パイプライン(TAP)は、カスピ海の天然ガスをロシアを経由せずに欧州まで運ぶために、イタリア・プーリア州San FocaとアルバニアFierの間のアドリア海を海底ガスパイプラインで結び、ギリシャとトルコの国境Kipoi(Evros)までを繋ぐものです。
その後、トルコのErzurumまではナブッコガスパイプラインを共用。
さらに南コーカサスパイプラインを利用してジョージア(グルジア)を経由し、アゼルバイジャンやトルクメニスタンなどのカスピ海ガス田に接続します。
総延長3500キロメートル、総工費45億ユーロと言われるこのアドリア海横断パイプラインプロジェクトですが、同様の計画が実は他にありまして、
- たとえばアルバニアを経由せずにギリシャから直接イタリアに運ぶ海底ガスパイプラインプロジェクト(サウスストリーム)や、
- ベラルーシを経由するヤマル-ヨーロッパ・ストリーム(これは千代田化工などが参画する極寒のヤマル半島・ヤマルLNGからの天然ガスが通ります)
- バルト海を通るノルド・ストリームとノルド・ストリーム2
- トルコからブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリアを経由するナブッコパイプラインなどがあります。
また、そもそもこのパイプラインを多重化しようという目論見は、ウクライナを経由しないルートを考えようというところから始まりました。10年以上前になりますが、ロシア産の天然ガスをウクライナが途中で盗み取るという事案がおきまして、欧州のエネルギー供給が打撃を受ける事態が発生しました。
その後、ロシアとウクライナの関係が緊張すると、今度はウクライナ側についた米国がロシアと険悪になったことで、米国と同盟関係にある欧州諸国としても、ロシア産天然ガスに頼り切るのは不味いんじゃないか?ということになりました。
つまり、米国に追従したことで欧州はロシアと喧嘩せざるをえなくなり、その結果としてカスピ海からのガスに頼ろう、という話になっているのです。
ところがいま、欧州は米国の呪縛から脱して、独自にロシアと関係を再度構築しなおそうという雰囲気が生まれています。これが、今回のパイプライン計画見直しの基になっている・・・とおいらは見ています。
イタリアの新政権は、対ロシアではかなり友好的な発言をしています。
外交面では親露姿勢が際立った。コンテ氏はロシアとの軍事的緊張が高まる北大西洋条約機構(NATO)には関与し続けると強調したが、ウクライナ危機に伴うEUの対露制裁の解除を働きかけていく方針を示した。
とのことです。(ちなみにオーストリアなども対露友好的な態度を示しています。とくにオーストリアは、対露制裁延長の是非を話し合う会議の議長国です。)
つまり何が言いたいかというと、イタリアのコンテ政権としては
「別に俺たちがアホみたいに高いカネかけてパイプライン作らなくても、ロシアと仲良くすれば済むことじゃね?」 「仮にロシア制裁が続くにしても、他にナブッコパイプラインやサウスストリームがあるのに、アドリア海横断パイプラインを作って採算に合うの?」
ということを言いたいのだと思います。それは正しい判断だとおいらも思います。
ざっと新政権の方針をみただけですが、イタリアの新政権は極めて利己的な判断をする政党にみえます。今までのような、アメリカの言うとおりに従おうという政権ではなさそうです。独自外交が展開される可能性が高いです。今回のパイプラインプロジェクトの見直し発言はその第一歩でしかない、そんなふうに思います。
今後のコンテ新内閣の方針には要注目です。