高級コニャック・レミーマルタンで知られるレミー・コアントロー社の2018年決算
レミーコアントロー(Remy Cointreau)の2018年通期決算を短評します。
とりあえず、会社側資料1、会社側資料2をもとに決算数字を確認
売上は前年比2.9%増 営業利益はほぼかわらず 一時費用を除くEPSは10.5%増の3.04ユーロ
在庫変動や為替変動の影響を除くオーガニックベースでみると 売上は7.2%増 営業利益は10.3%増 一時費用を除くEPSは20.3%増の3.31ユーロ
レミーコアントロー社の当期営業利益の8割強を占めるレミーマルタンの利益が、オーガニックベースで18.8%も成長しています。
その他の自社ブランド酒類グループは16.4%の減益です。
パートナーブランドの商品販売は175%で増えていますが、もとの数字が小さいので無視して良いと思います。
また、レミーマルタンは利益率の良さも目立ちます。オーガニックベースでみて売上高営業利益率27.5%です。
ウォーターフォールチャートでレミーコアントロー社の当期営業利益をみると以下のようになります。
ルイ13世を含む、レミーマルタン全体でみると以下のようになります。
価格帯を引き上げていながら、販売量も増やしている・・・非常に強いです。
さすがレミーマルタンです。
また、会社側資料2によると、レミーマルタンの販売増加はアジアパシフィック地区、とりわけ中国、シンガポール、日本での販売の伸びに支えられたとのことです。
経営指標に関しては、
NET Debt/EBITDA 1.48 ROCE 21.9% 配当1.65ユーロ/一株
を達成。
配当の推移は以下のようです。
ほぼ一貫して増配基調です。
今期は増配を止めていますが、どこか買収する気でしょうか。
なお、2018/2019にかんしても、レミーコアントロー社はCurrent Operating Profitベースでみて利益成長を予想しているそうです。
とりあえず、最後に株価をみてみましょう。
ここ二年で約二倍になっています。
PERは来期ベースで36倍くらい、再来期ベースで見ても32倍程度です。
EV/EBITDAは来期ベース24倍くらい、再来期ベースで21倍くらいです。
・・・どう考えてもたかいです!
割高すぎます!
欧州株のPERは10倍台前半が多く、EV/EBITDAでみても10倍割れが多い。その状況にくらべてレミーコアントロー社の株価はあまりにも割高すぎます。
とりあえず、ディアジオDEOもそうですし、中国の白酒銘柄もそうですが、景気が良いときは酒造メーカーの株が良く上がります。
景気の循環と比べてみてください。すごく綺麗に重なったりします。
ある意味で、IT銘柄と同じような動き方をしていると思います。
以上です。