唯品会(vip.com/VIPSHOP)の2018Q1決算は増収減益 テンセント(騰訊)出資後も不振長引く

テンセント(騰訊/Tencent)出資の唯品会(vip.com/VIP SHOP)の2018年第一四半期決算は増収減益

 

テンセントが出資している唯品会( vip.com / VIP SHOP )ですが、決算のアナリスト予想割れが3四半期続いています。中国のオンライン小売市場に淘汰の波が訪れているかもしれません。とりあえずみていきましょう

 

 

唯品会( vip.com / VIP SHOP )2018年Q1 売上高 193億人民元 (前年156億人民元) 、粗利益40億人民元 (前年37億人民元) 、営業利益 6億6269万人民元 (前年7億3659万人民元)

 

Fulfillment expenses(配送・倉庫管理費用)が大幅に上昇していることから、営業利益が対前年比で減少しています。

また、テンセントと提携した影響があるのかわかりませんが、Technology and content expenses(技術・コンテンツ費用)が上昇しています。

一般管理費も上昇しています。

これら営業費用の増加が減益に作用しています。

 

唯品会( vip.com / VIP SHOP )はテンセントに対する第三者割当増資により発行済み株式が増加していることから、Non-GAAP Diluted EPSは1.05人民元(前年1.31人民元)に大幅低下しています。

 

 

株価もみてみましょう。

 

テンセント(騰訊)陣営入りで上昇した唯品会( vip.com / VIP SHOP )の株価ですが、大幅に下落しています。

 

中国のオンライン販売市場が活況などと言っても、実態はこんな感じです。儲かっている企業とそうでない企業が分かれてきています。ちなみに、唯品会( vip.com / VIP SHOP )は売上高成長率でみると上位に入る優良企業です。テンセント(騰訊)が出資したのは理解できます。しかし、それでもこのように利益ベースでは芳しくない状況になっています。

最近のテンセント(騰訊)は、唯品会など小売企業への出資が増えています。アリババの提唱した新小売を真似して、いろいろな企業に出資しています。新小売というのは、オンラインとオフラインを合わせた小売の仕方、日本で言うとヨドバシドットコムのようなものです。

しかしどうなんでしょうか・・・個人的にはどうも資本効率が悪化しているだけのような気がするのですが。最近のテンセント(騰訊)は、海外への投資を政府に縛られているため、わざわざ国内のレッドオーシャン市場で出資先を探しているような感じにみえなくもありません。

日本も80年代に同じような傾向がありました。ちょうど中内ダイエーの時代です。高速道路網が発展し、生鮮品の流通過程が変化していったタイミングです。最初のうちは皆が称揚していたのですが、今から考えると資本の無駄づかいでした。

唯品会( vip.com / VIP SHOP )への出資は、まさにそれと似たものを感じます。なんでもかんでも出資したらいいってもんじゃないでしょう。PER50倍のテンセント(騰訊)は、そのバリュエーションに見合った経営が求められます。同社の動向には今後も注目です。